かしゃぐら通信   Index

「華英通語」のカレー
福沢諭吉
Curry が「コルリ」とある。これが、カレーという言葉の日本での初出。しかし、単語の翻訳時点で福沢がcurryを知っていたかどうかは不明.。と言うのも,Roast は「焼く」という意訳を当てているのだが,Curry はその音を漢字とカタカナにしたに過ぎないからだ。こうした”音訳”翻訳単語はほかにもある。江戸末期から明治に掛けてのせっかちな文化革命が、その後に”偉大な異文化誤解”へと反れていく原点が,この小さな辞典の、小さな語彙にもうかがわれる。この後に『西洋料理通』が現れ,、『食道楽』が生まれ、,明治も後半を過ぎて夏目漱石がコロンボのホテルで“名物のカレーライス”を食べることになる。*参考→『南の島のカレーライス』

華英通語