●TVチャ☆ピオ☆出演覚え書き

確か9月始め、劇団の衣装作りに追われている頃、
いつもお世話になっている下北沢のお店から電話が。
「TVチャ☆ピオ☆で古着のリメイク王決定戦というのをやるみたいで
 誰か紹介して欲しいって連絡がきたんだけど。
 nappuは普段やってないけど、出来そうだからどうかな、と思って

実に軽い気持ちであった。
私がうかつといえばそれまでなのかもしれない。
単純に2〜3日の収録で、ババッとやってしまえば済むものと思っていたし
とにかくスゴイもんを作ればいい番組だと認識していたので
久々に”作品”的なものを作れるならいいかな、と。

教えられたF社に連絡。
9月下旬収録予定で、
まず出場者選考の為にアンケートのようなものを書いて
作品資料を9/4までに送って欲しいとの事だった。
それならば、劇団の公演日9/15〜17とかぶらずに済むので
承諾した。

早速アンケートを記入しFAXで送る。
リメイク歴、主な仕事歴なんかは解るが
なぜか家族構成を書く欄があった。
わが家には父がいない。
死別したのだ。
そういった配慮の為に書かされるのかとばかり思っていた。

nappuの資料はあっても、個人の資料はきちんと作っていなかったので
あわてて作り直す。
結局、徹夜になり、締切当日の早朝に送る。

それからF社から1回戦から決勝までの問題や簡単な予定がFAXで送られてきた。
9月下旬に3日ほどの収録、との事だった。
また、助手の人の確保をしてくれ、とも。

その日、9/7も衣装あわせの為に劇団の練習に立ち合っていた。
夜9時半頃、全く覚えのない番号から携帯に電話が。
すぐにかけ直してみるが、駅前なので騒音がうるさく、電波状況も悪い。
向こうが名乗ったが、何と言ったのかわからない。
「先程、そちらから電話があったんですけれど」
「誰からでしょうか?」
「すみません、そちらは?」
Z社ですけれど」
「何の会社ですか?」
「テレビ制作会社です」
「ああ、じゃあTVチャ☆ピオ☆のことだと思います」

私が資料送ったのはF社なのに、この電話はZ社???
なんで?

結局、出先だと言うと、家に帰った頃にかけ直すとの事だった。
つまり夜10時
家に帰ったら、衣装を直さなくてはならないが、すぐ済むだろう。

「ええと、ご本人からお話をお聞きしたいと思いまして。
 問題見た感じでできそうですかね?」
「はい。まあ。」
「ほんと大丈夫ですかあ〜」
その他、アンケートの確認、といった感じ。

「一応、決定の方向でお話を進めていきたいんで
 で、撮影なんですけれども、3〜4日間かかる予定です。
 9/15・17・23・24は空いてますか?」
「はい、大丈夫だと思います」
劇団とまるまるかぶっているが、なんとかなるだろう、と。
「いろいろ積極的に活動してますけど、
 なんだか声に元気が無いですよねえ〜」
「…はあ」
「なんか、普段はすごくうるさかったりとかするんじゃないですか〜」
何が目的なのかわからん電話。
彼は1〜2時間しゃべりまくった

それからほぼ毎日のように
を筆頭にAD2〜3人
自宅、携帯、仕事場、全ての電話にかけてきた。
しかも、それぞれの役割部分の用件だけで。

最高記録、一日5回

まず、1回戦のデザイン案を描け、との事。
出場者は4人、トーナメント方式みたいなものなので、1回戦の問題が2つある。
「問題1と問題2、両方描くんですか?」
「え、ええ、そうですね」
つっこんだことを聞いてもはっきりしない。
「問題2は夫妻で2店分あるから、4人分ってことですか?」
「え…、ええ、一応描いて下さい」
時間を聞かないと、締め切りを答えないので聞いてみた。
約6時間後とのこと。

しかし、他にもやる事満載なので
本当に適当に描いて、ギリギリ9時頃にFAXする。

翌日、また電話。
夜9時くらい。
「デザイン画ありがとうございました。
 で、これ、制限時間内で作れますかね〜?
 もうちょっと考え直してくれませんか
「いつまでですか?」
明日の昼までには…」
なんとか、昼1時頃にFAXを送る。

新たな事が決まったら送られてくるFAX。
しかも、一から送り直されてくるのでFAXのインクトナーが夜10時になくなった。

とりあえず、私は問題1になった。
U「アンケートに染めって書いてありますけど」
「たまにやるので」
U「これ、染めできませんかね〜
制限時間5時間じゃ縫うので精一杯。
濡らして、乾かさないといけないから、洗濯するのと一緒くらい(以上)時間かかると説明。

AD1「ミシンをメーカーJからお借りすることになりました。
  職業用と、家庭用と、ロックミシンです。この3台使いますか?」
「職業用とロックは使います」
AD1「3台使って欲しいんですけれど」
「……家庭用はボタンホールできますか?」
AD1「ええと、何か刺繍とかができるとおっしゃっていたので、多分…」
あやふや。

「先程、ミシンお借りできると聞いたんですが、
 ボビンはありますか?」
U「へ?ボビンって何スか?

U「ほかに必要なものってありますか?」
「子供のボディーがあれば」
翌日。
U「専門学校に聞いたら子供のボディー無いって言われたんですけど
  そんなのあるんですか?」

三味線の発表会が近く、その日は通し稽古をしていた。
終った足で劇団の衣装あわせをしなくてはならない。
自分の出番が一段落。
Uから携帯に電話があったのでかけ直す。
U「FAX見ましたか?」
「夜10時くらいまで家に帰らないんですけど」
U「またまた〜。毎晩、遊んでますね〜

収録日が決まる。
私の1回戦が15日。
17日は問題2のほうと、敗者復活戦。
23日が決勝。
24日は審査。え、審査に1日かけるの?
っつーか、いつの間に出場決定してたの??

U「それじゃ、当日は交通手段何で来られます?」
「集合はどこですか?」
U「え、FAXでお送りしましたよね?」
…来てない。

「もし勝った場合、17日も行かないといけないんですか?」
AD2「えーと、はい、そうですね」
結局、行かなくても済んだ。

U「収録の他に、プロフィールや普段の仕事の様子を1日撮影させていただきたいんだけど、
  決勝戦までいった場合は18〜22日の間に、負けた場合は25日以降でお願いします。
  その時に、劇団の人にも集まってもらいたいんで、声かけてもらえます?」
「場所はどうするんですか?」
U「あー、場所ね。じゃ、考えておきますんで」

前日、必要な材料を買い出し。
経費で落ちるというので。
大きな物を作るので糸の量が予測つかず、大量に買い込む。

夜9時すぎ。
U「明日はリメイクした服を着てきてください」
そんなもん、無い。

簡単な子供用の製図をひいて、荷作り。
深夜3時頃まで。
 

>>>1回戦の日へ。