かず4戯言:現代ドラマ・映画作品見聞録

          このページでは、管理人の超私的な謙さん作品コメントを掲載していきます。
               掲載順は特になく、不定期更新になります。ご了承下さい。
        なお、追々、整理していこうとは思います。ご意見・ご感想は掲示板かメールでどうぞ。
         また、当面は「見た人にしかわからないツッコミやコメント」、「煩悩炸裂の戯言」
                   ばかりかと思いますがご了承の上お読み下さい。

『鍵師』  『IWGP』  『寿司、食いねぇ!』  『風と共に去りぬ』 『出発』  『強行犯捜査第七係』 

『川、いつか海へ』 
『TRY』  『新仁義なき戦い〜謀殺〜』 『溺れる魚』 『てなもんや商社』 

『陽はまた昇る』 『砂の器』  『人間の証明2001』  『結婚案内ミステリー』 『絆』 



『絆ーきずなー』 佐古章生(警部) 役

『SAYURI』での競演も楽しみな謙さん、役所さん競演作『絆ーきずなー』。
公開当時は暗くて地味な映画だなぁと思ってしまい、その後繰り返し見る気になれなかったのですが(をい!)、DVDを購入し、見直してみて感じたことは・・・

『新仁義なき戦い 謀殺』”渡辺謙版東映ヤクザ映画”とするなら
『絆ーきずなー』”役所広司版東宝ヤクザ映画”だなと。爆

同じ極道でもキャラが全然違う(謙さんは武闘派ヤクザ、役所さんは知能派ヤクザがお似合いでw)
上に、描き方も”東映”でなく”東宝”って感じがします。苦笑
(『新仁義なき戦い 謀殺』未見の方は是非『絆ーきずなー』と合わせてご鑑賞下さいw)

愛する人を守ろうとして行われた殺人事件。明るみになれば愛するものが
犠牲になると、ある決断をした男の悲しい話。この話の哀しさを、見直してみて
改めて理解した気がする。映画パンフにもあるけれど様々な「絆」がキーワード。
芳賀@役所さん(主人公)と布田(親友)@斉藤洋介、布田今日子(親友の妻)@麻生祐未
千佳子@土屋久美子、慎二@木下ほうか(孤児院時代の仲間)、佐々木(親分)@夏八木勲
馬渕薫(父親違いの妹)@川井郁子、義父@田中健、
そして佐古(刑事)@謙さんとのそれぞれの絆、関係。

本作では役所さんはヤクザ役、謙さんは刑事役なのに謙さん演じる佐古の方がよっぽどヤクザっぽく見えるのは何故なんだ?!大笑 ていうか殺人事件現場に颯爽と現れた佐古警部@謙さん、初登場シーンのネクタイ柄からして既に役所さん以上にヤクザっぽいんですが。爆 殺人事件の翌日、聞き込みのために千佳子を遠巻きで待ってる姿とか、ドスをきかせた聞き込みとか、芳賀@役所さんとのシーンでの「デキてんだろ?布田の女房と」というガラ悪そうな台詞とか、どっちがヤクザだかわかりません。爆

謙さんのお気に入りシーンとしては外せないのがやっぱり食事シーン。
聞き込み捜査の合間に公園でコンビニ弁当を食べながら大久保@池内万作と事件について話す佐古・・・
靴脱いであぐらかいて食べながら話すシーンが好き。

謙さんの食事シーンも好きだけど、貴重な謙さんの調理シーンも拝めます!
これぞ男の料理!的な野菜炒め(?)。調理しながらフライパンに入れる前に飲んでたのはさてはお酒?!
大久保の「殺された池尻には前妻がいました」と聞いて「ゼンサイ?」と問い返したのは、料理中だったから「前菜」に脳内変換されたからね、きっと。
その後、大久保の呟きにひらめいて部屋を飛び出していく時、もたもたしている大久保をフレーム外で怒鳴る辺りも謙さんらしいシーンで好き。笑

また『独眼竜政宗』以来、様々な作品で共演が多くて嬉しい津川さんとのシーンも。
今作では津川@副総監と謙さん@部下というシチュエーション。
「上からの命令で馬渕薫を絶対にスキャンダルから守れ」と佐古に通達する副総監。
警察の威信にかけても絶対に殺人犯を挙げなければならないが、ホシを挙げれば馬渕薫を
マスコミにさらすことに・・・「スキャンダルにせずに事件を解決せよ」というこの難題を防ぐ答えは一つ。
芳賀が、慎二たちが起こした殺人事件をかぶり単独犯としてもう一度その拳銃を使用し、死ぬこと。
佐古が上から命令を受けるまでもなく、芳賀も決心していたのでしょう。
死ぬことでしか愛する人を救えないなんて哀しいですね。

馬渕薫のフィアンセに「殺人事件の真犯人には全く興味がない」と言われて意見する佐古。
「もしこの事件が、あなたと同じく薫さんを心から愛していて、しかしながらあなたほどに力のない、そんな弱い愚かな人間が自分の一生や生命を投げ出してまで彼女を守ろうとして起こしたものだったとしたら?あなたは一生この事件を忘れるべきではないと思います」
この台詞も、芳賀が親友の仇討ちと返り討ちを期待してヤクザを撃った時、待ってやったのも、検問を敷かずに港で愛する女の腕の中で絶命させてやったのも、佐古にとって精一杯の温情措置だったのでしょう。

ラスト、銀杏並木をロングコートで去っていく佐古の後姿も印象的ですが、馬渕薫の結婚式に、芳賀の形見であるケーナを忍ばせて花束を渡しに行った佐古のネクタイが黒いのは、やはり芳賀への鎮魂の気持ちの表れなのでしょうね。

ヒロインの麻生祐未さん演じる今日子は、原作とは設定が異なるようですが、親友の女房で互いに想いあっているのに肉体関係はなく、結局最後まで結ばれないという本作での設定の方が切なくてよかった。

主人公の親分役の夏八木勲さんもイイ!!
「死ぬなよ、哲。俺が一番可愛がってた奴に二人も先に死なれたんじゃ、
年取った俺があまりにも可哀想だろ」泣
私利私欲に目がくらんで子分同士あわよくば相打ちさせようとする某親分とは比べ物になりません。爆

今作で謙さんは初の日本アカデミー賞最優秀助演男優賞にノミネートを果たされ、授賞式では麗しい眼鏡姿でコメント時、ウルウルされておられたのを覚えております。笑
作品を見終わった時、役所さんと謙さんの存在感には圧倒されるのですが、きちんと共演シーンを数えてみると、火葬場でのシーンと、結婚式招待状を渡しに芳賀の事務所に乗り込むシーン、終盤の発砲シーン、絶命シーンくらいしか共演シーンはないのですよね。まさに同じシーンで演じる「共演」というよりは、同じ作品の中で演技を競う「競演」という感じで見応え十分!脚本もよくできていて、ハードボイルド!
『SAYURI』クランクアップ記者会見にて「(謙さんとは)「絆」以来の共演で新しい“絆”ができたと思っています」と仰った役所さん。益々『SAYURI』公開が待ち遠しいですね。


2005/8/9 脱稿



結婚案内ミステリー 船山哲也 役 関根昌和 役(2役)

 小さな結婚相談所でアルバイトしている、女子大生の主人公・紘子(渡辺典子)が、ある日突然大財閥の御曹司・関根昌和(渡辺謙)のフィアンセ役を演じるよう依頼され、その豪邸に滞在するうちに殺人事件に巻きこまれてしまう、というお話。

 80年代角川アイドル映画&赤川次郎ミステリーワールド全開のこの作品。20年経った今見てみると色々な意味で大いに楽しめましたw
 舞台セットのような豪邸内装といい、歪んだ親子関係にある富豪の女主人といい、同じく角川映画の松田優作版『人間の証明』に一部通じるところがあるような。実際『結婚案内ミステリー』の長山藍子さんと『人間の証明』の岡田茉莉子さんのイメージがかぶるのは私だけ?

 そして舞台となる雪の中にポツンと立つ怪しく趣味の悪い(をい)豪邸・・・ミステリーものの舞台となる豪邸って皆あんな感じですよね。一瞬『名探偵コナン』か『金田一少年の事件簿』かと・・・笑
 あと紘子が冒頭からかけている大きな黒縁メガネはこの時代の流行を感じさせますよね。哲也(謙さん)も後で変装のつもりでかけてましたけど。

 しかし何より謙さんファンにとってこの作品の見所は若い謙さんの王子様っぷり。爆 特に新潟出身面目躍如のスキーと中学・高校ブラバンで鍛えたトランペットの腕前は見逃すな! 謙さんご自身の特技披露しまくりじゃないですか。爆 悦に入ったように目を閉じてトランペットを吹かれる姿もステキであらしゃいました・・・

 実は若い頃の謙さん作品鑑賞というのがどうも怖くて(爆)今回初めて見たのですが、予想以上に謙さん大活躍!!で「食わず嫌い」はいけないなぁと思った次第。
 本作ではスキーや、トランペットの腕前を披露するだけでなくパーティーお披露目用オールバックに正装姿(よくお似合いでしたw)、近くのスキー場でのバイト姿(髪型まで平凡な青年風に変えているのが微笑ましい・・・)、紘子を救おうとスノーモービルで駆けつけたり、最後は二人でスキー場の圧雪車(←何故に?!)に乗ったり、色々な姿を見せて下さいます。
 それにしても、紘子に協力しようと、ある女性をつけるのはいいけど、大きな黒縁メガネかけたくらいで、ホテルのベルボーイに化けてるつもりか!爆(これもある意味コスプレだったけどさ)
更にたまげたのはそのシーンに続いて、尾行した女が入った3階か4階かの部屋まで壁面をよじのぼり現場を目撃!という荒業をやってのけた彼。「危ない!落ちる!表歩く人に見つかるやろ!」とツッコミを入れていたら哲也@謙さん、本当に落下しました。ここ、笑うところなの?大汗 しかもスノーモービルでもぶっとんで転げ落ちんのよね・・・自分は恭子に頼まれた偽昌和だと正体をばらした後の哲夫、もしやお笑い担当?爆

 劇中、「アイドル映画っぽいなぁ」と思ったシーンが、昌和の母・恭子(長山藍子)の言いつけで偽装フィアンセ同士なのに寝室が同室になり、王子様な昌和(謙さん)が大人しくベッドを紘子に明け渡し、ソファで寝るところ。
恭子女史の意図や如何に?!もともと偽装カップルなんだから別室で寝かしてやれよ〜w 当方、作品見る前にパンフレットを入手しておりまして、何枚か劇中では登場しない寝室の2ショット写真があるのですが、なんだか意味深。カットされたシーンなのかっ?!気になるわ〜!

 作品終盤登場する麻薬中毒で恭子の部屋の奥に入れられている本当の昌和(謙さん二役)役の謙さんの芝居ってば舞台っぽい。謙さんの舞台というと『永遠〜part2』とテレビ放映の『ハムレット』くらいしか見たことはないのですが、初期の謙さんの舞台ってちょっと狂気っぽく目もいっちゃって台詞をまくしたてる芝居のイメージが。後に謙さん仰ってましたが、この麻薬中毒役のために体重を数キロ落とされたとか。当時の謙さん、ただでさえ細い上に、こけた頬が余計病的なのに、流血しながら紘子を追うシーンも怖いよう!階段落ちもあるし、哲也役での2回の落下シーンといい、主演の渡辺典子さんより身体張ってるかもしれん。(スタントの方がやられたのかどうかは知らないけど)爆

 話としては関根家はドロドロの結末ですが、やはりアイドル角川映画らしくヒロインは王子様・片山哲夫(謙さん)とラブラブで幸せなエンディングを迎えるんですけどね。笑 ヒロインの渡辺典子さんが幸せになれればそれでいいのよ!!大笑 アイドル映画なのでツッコミ所は満載でしたが楽しい作品でした。ごちそーさん。

 作品はアイドル映画ですが、主演の渡辺典子さん、婚約披露パーティーでの艶姿も美しく、女子大生普段着スタイル(?)もかわいく、長身の謙さんともお似合いの美男美女で眼福でした。典子さんと謙さん、ダブル渡辺の好演に拍手!  クライマックスで木下(谷隼人)と揉み合いになって、近くにあった鉄の棒を武器として掴んだ時は「『積み木崩し』かー?!」と心でつぶやいたのは私です。笑


2005/02/12 脱稿


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 『人間の証明2001』 棟居弘一良役 

 放送前年には『風と共に去りぬ(レットバトラー役吹き替え)』、そして『人間の証明2001』を挟んで翌年には『壬生義士伝』が放送され、テレビ東京さんのお陰で三年連続お正月に謙さん作品を拝見できました。またお願いします!笑>テレビ東京さん

 ラスサム人気にあやかってか、過去の単発ドラマも続々DVD化されるのは嬉しい限りですが、「人間の証明」は2004年には竹之内豊さん主演で連ドラ版も放送された森村誠一さんの不朽の名作。見聞録書く前に、原作小説と、松田優作主演映画版も見てみました。必ずしも原作や異なるキャストの映像作品と比較する必要はないのですがついついマニアックな比較文化論者魂(?)が騒いでしまいます。苦笑

 刑事役の多い謙さんですが、トラウマを抱えた刑事も多く、この作品の主人公・棟居弘一良も例外ではありません。タイトル「人間の証明」が示すのは黒人の子供を殺害した八杉恭子だけではなくて主人公の人間らしさをも表しているはずですが、原作や映画版に比べて、謙さん演じる『人間の証明2001』の主人公棟居の方が心の闇の深さ、傷の大きさが感じられる気がするのは、ファンの贔屓目でしょうか?

 例えば極端なまでの棟居の”アメリカ人嫌い”。ドラマ冒頭で被害者のジョニー・ヘイワードの骸を前に棟居@謙さんは被害者がアメリカ人であることにあからさまな嫌悪感を示し罵倒したり、沖縄で米兵に絡んだり、半端ではありません。その棟居の過去は棟居の恩人であり、育ての親でもある根間刑事(田中邦衛)から、この事件でコンビを組む下田刑事(高島礼子)に明かされるわけですが、この二人は原作にも映画にもないキャラクターながら、映像作品は小説のように様々な登場人物の一人称で作品を語るわけにはいかない点を考えるても良い登場人物追加だったと思います。棟居の悲しい過去を根間から聞き、下田演ずる高島さんの落涙するシーンも秀逸です。あくまでトラウマ刑事棟居は自ら過去を語りませんが、終盤で八杉恭子の母の心に訴えつつ、その訴えは人間不信、母への憎悪を拭いされない自分への訴えでもあるわけですね。

 クライマックスの、ガランとした舞台に棟居、下田が八杉の人間の心に訴えかけるシーンは圧巻です。人情と推測に頼った(ドラマとしては成立しても)刑事としては邪道な手段かもしれませんが棟居@謙さんの落涙しながらの熱弁に心が熱くなります。

 原作と異なりこの作品では「母と子」という軸が何本もありそれぞれ考えさせてくれるものです。
まず八杉恭子と表向きは模範的な親子関係を演じる郡恭平。
そして八杉恭子とジョニー・ヘイワード。
棟居とその棟居少年を無残にも置いて米兵と去った母。
刑事という仕事に忙殺され母子のコミュニケーションが上手くとれていない下田と下田の息子。
恭平の車に轢殺されたソープランド嬢のナオミと遺された少年。

 作品冒頭では母に去られた自分のトラウマから、母親が帰ってこないナオミの息子に「母ちゃん待ってたって帰ってこねぇぞ。」と酷な通告をし、なだめる石倉三郎演じるソープランド店主に「それでも捨てんだよっ!!女はガキを!!」と激昂した棟居が、終盤では少年に詫び、母親を肯定する姿も印象的です。

 棟居がそれまで封を開けなかった母からの手紙を読み、母の元に会いに行く決意を促したのもこの事件、八杉恭子に母の心=人間の心が残っているかどうかという賭けが発端になっているに違いないのだから。エンディングで長年の母へのわだかまりを吹っ切り再会するというのは出来すぎかもしれないけれど、人間の良心を信じさせてくれるエンディングで私は好きです。そもそも棟居がそれまで封を開けなかったにしろ、棟居を捨てた母が育ての親の元に手紙を寄越してくれていたということだけでも嬉しいし、下田母子もナオミの遺児と風俗店主の結末も救われます。

 原作とは異なる点で、棟居@謙さんは無頼の徒と交わる清濁併せ呑むキャラクターとして描かれているのも興味深いところ。棟居@謙さん・・・ワルです。少し汚れキャラかも。アメリカ人嫌いも相乗効果で言葉遣いもガラも悪いし。笑
風俗店主石倉さんとつるんでヒソヒソやってる姿はかわいらしい。次に警察の検挙が行われる日程を「そんなこと俺が言える訳ねぇだろう」と言いながらカレンダーに指差すところとか♪
あと気に入った台詞「殺しだよ、全員集合!」by棟居@謙さん

 またオリジナルキャラである田中邦衛さんのキャラもステキです。育ての親として無理強いしたりせず何も言わずに温かく見守ってきたんだなという雰囲気が出てました。放送前のメイキングや他のトーク番組で田中邦衛さんと謙さんが仲が良い(イタズラ友達らしい 爆)のは知っているので余計親近感が。
謙さんの声も大好きなファンにとっては西条八十の詩の朗読も聞き逃せないシーンの一つです。
時代を超えて愛される名作「人間の証明」の2001年版に謙さんが携わられたのも嬉しいですが母と子というテーマは不変なのだと実感しました。

 なお、この作品で謙さんが現代ドラマにかかわらずカツラでご出演なのは撮影時、2001年度NHK大河ドラマ「北条時宗」撮影のため坊主頭にされていたためと推測されます(笑)DVDは特典映像もなく本編映像だけなのは淋しいですが過去の単発ドラマがDVD化されるというだけでも貴重なので未見の方は是非ご覧下さい!


2005/1/10 脱稿

『砂の器』 今西修一郎 警部補役 見聞録ページへ
2004/10/31脱稿


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『陽はまた昇る』 大久保修 事業部次長役


 正直、制作発表記者会見でこの作品へのご出演を知った時は「・・・謙さん、地味な作品出るんだなぁ・・・」と思って見守っていたのですが、蓋を開けてみてビックリ。地味だったけど完成度は高かったです!同じ年に撮影されたという「新仁義」も面白かったけど、2作品で役にギャップありすぎ〜w ギャップといえば、西田さんの「釣りバカ日誌」とのギャップに比べれば大したことないっすねw MOVIX京都で見た時予告のハマちゃん(西田さん)に爆笑させられた直後、マジメな加賀谷(西田さん)を見せられるとは思いもよりませなんだわ。爆

 「刑事役やらせても右に出る者のいない謙さん」(またかず4勝手に命名)ですが、人口的には刑事の数よりサラリーマンの数の方が多い世の中。「てなもんや商社」では理想の上司っぽい華僑役でしたが今回の謙さんの頼りないサラリーマン役も雰囲気出てました。ゼニアなどのスーツをかっこよく着こなされる謙さんが黒縁メガネかけて長身を猫背にしてペコペコしたり(謙さんお辞儀も天下一品!)、小走りにせかせかされてる辺り、いかにもサラリーマンっぽくてさすがの役作りですね。実は私の父と役職とかメガネとか共通点が多かったので(性格的にはかず4父は藤巻さん系だけど 爆)初日舞台挨拶の時に西田さんが仰ったように後日映画館に観に行けばよかったなぁ。父と。

 しかし劇場ポスターであの黒縁メガネつけての眼光鋭さは”普通のサラリーマン”にしてはカッコよすぎましたけどw

 それから 大久保が冒頭の方で加賀谷を工場案内する時に、女性従業員とすれ違うけど、ちょっと羨ましかったのは私だけではあるまい。苦笑

 それにしても何気なく出演俳優陣がスゴイ・・・仲代達矢、夏八木勲、石橋蓮司、津嘉山正種、江守徹、國村隼、井川比佐志・・・渋俳優好きにはたまりますまい!皆さん声も渋いし!!夏八木さんなんて丸縁メガネに蝶ネクタイですぜ!

 しかしマジメな話の中で、どちらかというと謙さん演じる大久保さんお笑い担当なのかところどころで笑わせて頂きました。

 例えば、社員食堂に乗り込んで来た協力会社の門脇工業社長(井川さん)に突き飛ばされ乱闘シーン(乱闘っていうか一方的にやられてらしたけど)・・・メガネ外れてコントみたいに「メガネ、メガネ、メガネ・・・」と言いながら探すのかと思ってしまいましたわ。初日舞台挨拶の時に「アクションシーンも多い渡辺さんですが」と司会者に言われていたなぁそういえば。後のシーンでも開発従業員同士の乱闘止めに入ってたし、さすがアクション俳優?!爆笑

 そして加賀谷さん物腰は柔らかいんだけど、大久保さんの作成した書類にリテイクしたり無理難題突きつけまくり。当初”縦社会に生きる普通のサラリーマン”である大久保は上から従業員削減(つまりクビ勧告)を命じられながらも皆をクビにする訳にはいかない、そのためには利益をあげなければならないと、かなり無謀な事業計画を提案する加賀谷の考えについていけず振り回されまくり。(後半からすっかり加賀谷さんに肩入れされてましたがw)門脇工業が火事に見舞われた後、門脇社長(井川さん)に「次長さん 変な顔してるよ」と言われる時の顔はドリフの爆発コントのようで絶妙だったし随所に見られる大久保@謙さんの困った顔(中間管理職の悲哀?)も注目。

 また加賀谷さん大久保さんに無理難題頼んだ後、加賀谷さんの奥さんが作ったという染物のネクタイを大久保さんに渡す時のやりとりが笑えました。
大久保「・・・買収・・・ですか?」
加賀谷「そう受け取ってもらっても構わんよ」

このシチュエーションで「買収ですか?」って真顔で聞く方も聞く方だけど、加賀谷さんもその返しでええんかい!
しかしその後着々と加賀谷ナイズドされていく大久保さん・・・w 加賀谷が半ば強引に進めたVHS開発事業部が試作機を完成させた翌日互換性の問題を解決するために他企業に試作機を公開しよう、世界で自分たちが作ったVHSが使われることを想像してみようと大演説する加賀谷に思わず拍手してしまう辺りから「サラリーマンの常識」ではなく加賀谷の言う「夢を皆で実現させたい」という考えにのっとって行動するようになっていったのかな。

 國村準さん演じる通産省の人とのバトルシーンもカタルシスあって好きです。
加賀谷@西田さんシャウトに拍手!だけどさすがに通産省にはかなわないと観念したのかその後弱気の加賀谷に今度は大久保さんが発破をかけます。大阪の松下幸之助に直訴しに行こうと誘うとこまで加賀谷ナイズドされたのね!大久保さん・・・!

 しかし自ら提案し、運転手も名乗り出ておいて、
「御殿場から先運転したことないもので・・・」ってまたお笑い担当の大久保さん。爆
すいません。私、「陽はまた昇る」初日舞台挨拶に馳せ参じた時、映画の後、庵友達と都内で電車乗っておりましてこの「御殿場(ごてんば)」を「五反田(ごたんだ)」と思い違いし、「この駅って陽昇で大久保さんが行ってた所?」と発して失笑されてしまいました。「それじゃコントだよ」との意見も。爆 関西人故ご容赦下さい。

 それにしても大久保さん終始前傾姿勢で運転されてるんですが疲れないのか?いつも折り目正しい大久保さんらしいといえばらしい運転姿勢なんだけど。そしてまたいつになく饒舌な大久保さん。大学時代ワンゲル部で文学部だったことも発覚。しかし私も運転中、人と話しますが、そんなによそ見しながら運転したら危ないですよ?(別撮りなのはわかりますがw)また謙さんファンには嬉しいことに麗しい声で詩の暗唱がっ!
大久保@謙さん朗読の詩
 「子供のキラキラと輝く好奇な眼差しで 世の中の全てを見るように
 人生をかみ締めるように 荒巻く海から 裏町の路地も 赤く輝く星から 一粒の砂までも
 何か意味を持ってそこにあるんだ 私はその全てを この目で見たい」
←私も全てをこの目で見たい!(何の全てを?w)

 そして公開当時掲示板で一部素の「渡辺謙」入ってた!と言っていたシーンとはサービスエリアで夜食のうどんをすすっておられるシーンでした。爆 さすが「食事シーンの渡辺謙」・・・ぼそ。

 渋俳優さん勢揃いの今作ですがやはり仲代達矢さんは別格ですね・・・ええわぁ〜松下相談役・・・貫禄もあるし関西弁もステキ。謙さんの仲代さんとの共演シーンでは電話越しに大久保さんが涙ぐみながら「ありがとうございましたっ!」とお辞儀するシーンがイイ・・・(って電話越しだけどさ)

 緒方直人さん演じる江口はビクターから松下に転職し、この作品では加賀谷に対する江口の思いがVHS統一規格に一役買っています・・・加賀谷が同じビクターの開発チームを侮辱したのを怒って江口をぶつシーンはちょっと青春ドラマっぽくて芝居臭かったですが、まさか江口君そのビンタで加賀谷さんに惚れ直していたとは・・・

 社名が実名なので展開はわかっているものの、江守徹さん率いるソニーの勢いにやきもきして手に汗握ってしまいました。実名での映画化に賛同して下さった各企業の寛大さにも感謝の作品ですね。

 映画のジャンルは数あれど、この作品は多くの日本のサラリーマン家庭人、企業人、特に男性の共感を得たのではないかと思います。もともと人気のあったNHK「プロジェクトX」からの映画化ということもあるかとは思いますがあの番組が人気があるのも一般家庭に共感する人が多かったからだと思うし。謙さんも西田さんも日本アカデミー賞にノミネートされていたのは納得の出来栄えでした。ただ、VHSを生み出した男たちの話なのに私、DVDで購入し鑑賞しましたがいいですよね?日々開発が続けられているということで・・・苦笑 しかも英語字幕がついてるのが嬉しかったのよねぇ個人的に。(ってDVDも世界的統一規格にして下さいっ!”第二の加賀谷さん”っ!苦)


2004/10/21 脱稿


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『てなもんや商社』 王課長 役

 就職先が見つからず「入っちゃえばこっちのもん。結婚までの腰掛けに多くは望みません♪」と、中国相手の貿易会社”萬福中国貿易”に入社した主人公ひかり@小林聡美さんと、「入れてしまえばこっちのもの」と嘯いたり、ひかりより一枚も二枚も上手の濃いキャラ揃いの萬福中国貿易の社員、上司たち。そして貿易相手の中国人たち。
謙さんはひかりの直属の上司・華僑の王課長役。この作品と同じくフジ・松竹作品である『鍵師』シリーズとはまた違った謙さんと小林聡美ちゃんのコンビがまた楽しい。でも聡美ちゃんが謙さんにいいようにあしらわれている点は同じか?謙さん、聡美ちゃん振り回して楽しんでる節ありません?笑

 この作品見ててずーっと私が思ってたのは
「謙さんが「理想の上司」に選ばれるの大納得!!!謙さんの下で働きたい〜〜!!!」でした。笑
劇中でも王課長自身「あなた(ひかりのこと)僕のところに来れてラッキーですよ。僕は車内で一番温かい上司ですから。」と仰るのですが、私的には実に主人公が羨ましい限りでした。ていうか最初の方で黒板に図を書いて、仕事について説明する王課長@謙さん・・・黒板使って説明する姿見て、謙さんの教師役も見たくてたまらなくなったよ・・・ってか教えて下さい!渡辺先生ーー!!!(地歴・公民か国語希望)

 王課長は、眼鏡かけて口髭はやし、サスペンダー着用し、日本語も中国語もペラペラで仕事もできる。口癖(?)の「手空いてないですけどいいですよー」もいいなあ。(それにしても働き者王課長のデスク、謙さんの長身には小さすぎる気がするんだけどわざと?)おそらく同じ華僑の食品課の張課長の立ち回り&調子のよさとはうってかわって王課長は、出張の移動中でも電卓と手帳出して常に何か書き付けてるような働き者で、部下の指揮も天下一品。
例えば、大きすぎた箱の中でぐちゃぐちゃになった衣料品をクライアントに頼まれ、仕分け中、王課長が「競争しましょっか・・・」と発すると既に疲れ座り込んでた部下たちも皆立ち上がり必死に仕分けしてしまうという王課長マジック。笑 このシーン早回しと音楽もいいわ〜ところでサスペンダー片方肩から落ちてるのも謙さんわざと・・・?

 この王課長の理想の上司っぷりをうかがい知れる描写の一つは、部下が失敗しても怒らないところ。
クライアントに見せるための生地と間違って女性下着を持ってきてしまったシーンの聡美ちゃんのシマッタ顔とそれを覗き込む王課長の顔の対比と音楽がこれまた大好きですが、その後帰りのバスで怒られないのを不安に思ったひかりが、どうして自分は怒られないのかと聞きます。
 王課長「いいんですよー本人が悪いと思ってればそれでいいです。怒られたらそれで気が済んでしまって逆効果でしょう?誰にでも面子がありますから僕はそれを絶対につぶしません。商売は人が一番大事ですから。」
・・・怒られない方が余計コエ〜〜よっ!!!爆
それ考えると、このクライアントが来る前のシーンで「もうそろそろ契約番号と商品は覚えましたか?」と尋ねる王課長に「いえ・・・ほとんど・・・」と答えるひかりに無言でため息というプレッシャーも逆に怖くて部下は育つと思う・・・!!爆

 王課長とひかりのやりとりや間が絶妙なのはさすが謙さん&聡美ちゃんコンビ。
ひかり「ちょっと私仕事多すぎません??汗」出張前に大量の仕事をひかりに託していこうとする王課長
「あなた仕事多かったら世の中に仕事多い人いません。いってきまーす!」とかね。

 貿易相手の中国人ご一行様(?)接待も最高。
まず到着するバスに駆けつける王課長、「熱烈歓迎」の旗を持っているひかりに「はよ、来いっ!!」とばかりに必死の手振り。王課長と公司が契約問題について話すのをコントのように後ろで耳そばだててる図も古典的でよい・・・ってひかりちゃん、あんたまで一緒に耳そばだててどうするっ!笑

 あとカラオケ接待シーン。歌にあわせて口ずさみながら水割り作る王課長も笑える。
そして王課長に無理やり「それでは星野さんが中国語で歌を歌います」と紹介されてしまうひかり@聡美ちゃんw
「こんにちは赤ちゃん」最初の4小節しか知らず後は適当に歌って接待客に「あれは本当に中国語か?」「フランス語でしょ」「ドイツ語だろ」「違う 英語だろう!」と言われていた。聡美ちゃん「うりゃりゃーのりゃりゃりゃー」はないでしょう、さすがに・・・面白いけど。苦笑

 それにしても王課長の奥さんが桃井かおりさんってのも濃いなぁ。苦笑
「王くん お返事は?」って尻にひかれているというか絶対服従状態の王課長・・・中華包丁にコック姿、調理姿も似合いすぎ。そしてホントに謙さん皮から作ってそうな勢いなんですけど。苦笑

 居間で見てたら、かず4母の「なんでこの作品の歌 梓みちよの歌ばっかりなん?」というツッコミによって、クライアント中国接待時、川辺で王課長が中国語で歌っておられた歌が梓みちよさんの「二人でお酒を」中国語版であることが判明。爆 謙さんの過去に出されたCDだけには食指の動かないかず4ですが(をい)私、謙さんの劇中で口ずさまれる歌は好きなんですよねー麗しいお声でらっしゃるし、上手いし。

 この作品一番のお気に入りシーンは王課長がひかりを置き去りにして上海に出発する一連のシーン。それまでは穏やかに説明しながら、逃げるように敏速に荷物を運び、また指示を出しながら車に乗り込んで出発する王課長&接待クライアントご一行様。「クレーム品出たらアンタも一緒に送り返すからねー」って王課長!!!汗 走り出した車を一旦とめて一言言ってまた出発するシーン、窓から手だけの演技も笑えますw これ一見非情な上司の仕打ちに見えて、むしろ傍から見てると笑ってしまいますがこれも上司の愛の鞭ですよね〜現に作品最後にはひかるも立派に一人で中国人接待や検品もこなすまでに成長してたし。最後は新人教育まで任せてたしね。(え?謙さんが聡美ちゃんを楽しくいじめるシーンを演ってただけ?爆)

 香川照之さんもいつもクレームに悩まされている役を好演されていましたが終盤、単身赴任で萬福中国貿易会社を後にする菅野先輩@香川さん・・・送る社員たちの一本締め後の歌舞伎の拍子木のような中国演劇の効果音のような音と香川さんの恨めしげに振り返る表情がステキでした・・・笑

 それにしてもひかりの家族、というか両親お調子者すぎて笑える・・・笑 ひかりが中国相手の貿易会社の内定もらった日にゃ家を中国モノで飾り付けし、ドラまで鳴らしてたよ・・・(どこで入手してきたんだ 一体)ドラ鳴らして「謝々!」と唱和する家族をよそに「まともなのは私だけかもしれない・・・」とつぶやいてたひかりの妹さん・・・番組後半でイタリア料理留学すると決まって、イタリア国旗色に服を揃えた両親&ひかりと一緒に家族写真撮ってる時点でやっぱり血は争えないと思ったよ。笑 しかしひかり両親役の田中邦衛さんと波野久里子さん・・・いい味だしてます♪

 ラストは鯉のぼりのオチもあり、屋上で王課長が葉巻をくゆらせながらひかりに将来の夢(王課長訂正して曰く「計画」)を語るシーンも、王課長の最後の台詞もいいですよね。「後はあなたに任せます。仕事は次々と生まれます。」←あ。眼鏡もゴージャスになってる!

 鑑賞後の気持ちも清清しく良質のコメディ映画ですなぁ。この作品通して実感するのは謙さんはコメディもイイけど中でも「小林聡美ちゃんと謙さんコンビのコメディには間違いはない」爆 ということ。今度はあえてマジメな時代劇なんかで共演して下さいまし、ご両人!!

 ただ、開かない傘とか閉じられない傘とか、雨で色落ちする服とかつながってるTシャツとか、アルファベット横向きの服とか怪しい商品が多すぎて、さらに描かれている中国人や中国そのものがかなりアバウトで、中国の人見て怒らないかなぁと思って、中国に造詣のある方何人かに聞いてみたところ、「当時の中国ならありえるんじゃないか」という反応でした。苦笑 というか多少誇張はあるにせよ原作が実話だしね。

 謙さんの中国語も「謙さんは上手そうに聞こえさせるのが上手い。」←爆笑 「でも星野さんを置き去りにして上海に行くシーンの「走口巴」(出して下さい)の雰囲気は凄い」とのことでした。笑
中国語圏の謙さんファンの方に是非とも見て頂いてご感想、謙さんの中国語評をお伺いしたい作品だわーみっちり言語指導がつけば、方言(外国語含む)マスターキングであらせられる謙さんはきっとすぐものにされると思うので、英語での出演のハリウッド映画だけならず是非中国語圏の映画にもご出演を!!!

 この作品、中国スタッフや俳優もたくさん関わり、現地ロケも敢行されているけれど、公開時、全国2館上映というくらい小規模だったのでおそらく低予算で作られた映画だったのではないかと思います。(公開当時その1館である大阪の映画館まで足を運びましたよ。当時はネットの謙さんファン友達もいなかったので一人で・・・淋 ああそれに比べて今はなんと幸せなことか。涙)作品としては一応ビデオ化されていますが、大きなレンタルビデオ店じゃないと置いていない作品なので、せめてDVD化されてもう少し多くの方にも鑑賞して頂きたいものですわ・・・

2004/5/9 脱稿


 『溺れる魚』 御代田警視正 役

 堤監督作品「IWGP」に続き謙さん2作品目のご出演♪
最初見た時は私も疑問符がとびまくった映画で、堤ワールドが理解できない人たちはツライ内容だったかもしれませんが(苦笑)DVDで何度か見直してみると面白かったです。映画パンフも凝っていて、週刊誌風作りも面白かったし、監督常連キャストスタッフコメントも必見。ていうか一番ウケたのは2001年の謙さんの舞台「永遠part2」のパンフに堤さんが寄稿された文なんですけどね。爆(余談)

 それはさておき、この作品の(謙さんファン的)見所は「いつになく冷徹な悪役@謙さん」ですな。
しかも前半、声とか口とか指とか足とか目とかパーツしか出てこない!笑 だけど逆にそれがチラリズムで色っぽいというか、やらしいというか良かったっす・・・悦 おそらくIZAMさんと窪塚くん辺りで男の色気というか怪しい世界も表現したかったのでしょうけど、御代田さんのチラリズム&不気味メイクが一番色っぽかったと思うのは謙さんファンの私だけじゃないっすよねぇ?!爆

 細かいシーンでいうと、前半デスク上でファイルをけちらかす(?)シーンとか突然すくっと立つシーンとかパーツ出演なのにこの存在感。この演技力。渡辺謙恐るべし!また、岡部@IZAMに盗聴されていたことに気付き電話しながらビデオを手で壊すシーンと自分も盗聴されているのかと尋ねる相川@仲間ちゃんに近づき頭を手でつかむシーン・・・怖くて好きです・・・

 前半パーツしかご出演がないのは後半ババーン!と顔面特殊メイク姿で登場されるからなのでしょうが、坊主頭に火傷のただれた痕のような特殊メイク・・・怖すぎ。しかも片目だけカラコン入れたりしてません?芸細かすぎ。いや、これもむしろかっこいいし、一見の価値アリ!
それにしても作品冒頭で少年期の岡部@IZAMの家族殺人現場で皮膚ただれながら「魚溺れさせることできると思うか?」って言ってたの明らかに御代田@謙さんなんだけど、作品クライマックスで「自分の手で直接には人を殺したことはない。」って言ってんだよねーじゃー誰が岡部の家族を惨殺したの?なんで御代田さんは火傷を?(っていうようなことはこの作品では突っ込んじゃいけないんですかね?)

 このため、前半余計に実感させられるのが謙さんの美声。バリトンきいた声ってこういう声をいうのでしょうか?声だけでその存在感がわかるというのもさすがというか。

 そしてクライマックス、窪塚&椎名コンビを追う時の様子なんざ「ターミネーター」みたいで怖かったっす!爆 気持ちいいくらいの悪役。謙さん悪役も凄くいいっすよ!
ただ惜しかったのは、あのままハードボイルドな(?)悪役を貫いてほしかったのに、フロッピー刺さったり、サムズアップで「ヨワムシナンカジャナーイ!」って字幕入れたり・・・やりすぎてました・・・!苦笑 あれは周りが楽しそうに堤監督ワールドで遊んでるのを脇で淡々と演技してるのを謙さん我慢できなかったんだな!きっと。間違いない!
まあファンなので、謙さんの水中で命張った芝居に免じて許しますが。爆笑

 ちなみに2004年4月に放送されたTBSのNGハプニング大賞で謙さんを「新しい演劇かと思った!」と心底びっくりさせていた佐藤二朗さんが怪しげな借金取立て屋役を演じておられます。「ハンドク」の時も思ったけど佐藤さんの芝居って確かに「新しい演劇」っぽいっすよね?笑 謙さんは窪塚くんとはIWGPに続く共演ですが、椎名さんや仲間ちゃんともまた機会があればご共演拝見したいですな。今度は謙さんも悪役ではない役でのご共演希望・・・w 主題歌の鬼束ちひろさんの歌も大好きなんですよねー癒されます。かなりハチャメチャな映画ですが、謙さんの悪役も一見の価値ありだし、未見の方はもちろん一度見て挫折した方などは是非もう一度見て頂きたいですね。苦笑


2004/5/8 脱稿


 「新仁義なき戦い〜謀殺」 藤巻寛明役

 謙さん初の極道映画作品。別名ケイダッシュ所属俳優総出演映画作品。爆
製作発表の報道でこの作品にご出演決定を知った時は実のところ少し不安もあったものですが(苦笑)、蓋開けてみたらなかなか面白い作品でしたね。というよりむしろ武闘派ヤクザ・藤巻寛明の暴れっぷり、狂犬っぷり爽快でした。謙さんも演じてて気持ちよかったのではなかろうかと。笑

 時代劇作品でもロケ地となることの多い我が京都ですが、この作品東映京都製作なのでかず4的には身近なロケ地満載で別の楽しみ方もできましたわ。撮影当時お決まりの「ああ〜!今頃同じ京都の空の下に謙さんがっ!!」と騒いでたことも懐かしかったりして思い出深い作品です♪冒頭藤巻さんが寺田組長さんを刺殺するのは京都の天神川沿いにあるライフのエスカレーターだし、小林建設の社長さんが刺殺されたのは御池通りの地下街ZESTでした。タイトルバックで藤巻矢萩一団が闊歩していたのは大阪の千日前・・・ちなみに上映中千日前近くの映画館でも見ました。笑

 冒頭、静止画役名表示時の藤巻アニキ@謙さんがかっこよくてイカス・・・そして片をつけに(?)件の寺田組長を刺殺するシーン・・・何度もドス(包丁)で刺した後、拳銃ぶっぱなす姿も、(「なんで殺した後でぶっぱなす必要があんねん?」という疑問はさておき)カッコイイ。

 そしてさっすがコスプレキング、若頭補佐藤巻挨拶時の紋付袴姿もよくお似合いで!
あと、「謙さん以外の登場人物のラブシーンがあっても、謙さんの役は濡れ場はないのに露出度だけは高いことで有名(爆)」ですが、尾田組長がホステスと踊ってるクラブのシーンで、珍しく藤巻@謙さんホステスといちゃいちゃしておられます。笑 終盤のお不動さんともども貴重です!見逃すなっ!大笑 

 作品中でも兄弟分愛が描かれていたように事務所も同じということもあってか撮影現場内外でも克典さんと謙さん仲良さげでファンとしても嬉しかったですわ〜チョイ役出演の坂口憲二君の鉄砲玉もよかったw こち三よりIWGPより新仁義での坂口君の方が好きかも。坂口君自身も謙さんを慕う発言が多くて嬉しい・・・

 しかし・・・藤巻夫人@夏木マリさんこの役のために10キロ体重増やしたそうです。すげ〜!!外では高圧的な(?)藤巻アニキだけど、糖尿病でインシュリン打ちながら大福食べる奥さんの前では子犬のよう。冒頭ホステスといちゃついてた人とは別人のようだよ。爆 ていうかなんでキャミソールを上から着てんの?静江ちゃん・・・
「人間はおっとろしい生きモンやで・・・」
ええ。(しみじみ)伊原さんへの拷問とか恐ろしかったです!泣 

 銃撃戦も凄い。花屋のお姉さんの撃たれた後の倒れ方といい、女子高生の階段落ちっぷり(ブルマ見せての大熱演。大笑)といい巻き込まれるカタギ役も身体張ってる!大笑 更に襲撃してきた側でよだれ垂らしてた人めちゃ怖かった4!泣

 その後の藤巻アニキのキレっぷりがまた凄い。映画宣伝行脚でも語り草になってた鎧投げシーン。藤巻@謙さん、暴れる暴れる。新仁義見た庵友達とチャットしていて指摘されて笑ったのが、藤巻さん靴下脱いで暴れた後、出て行く時に片方だけ履いて出て行ったこと。何故片方だけ・・・爆 さらに鎧投げ大暴れシーンもラジオの裏話聞いてから見ると爆笑。謙さんシャウト絶好調ですが、皆に抑えられて矢萩@克典さんに頭突き。この頭突き予定外だったらしく、マジで克典さん動けなかったらしいっす。大笑 (純大くんも謙さんにヘッドロックされて息できなかったとか言ってましたよ、謙さん。笑)謙さんは謙さんでシャウトするだけシャウトした後、ぜーはーぜーはー言っておられました。笑 てなわけでここも見逃すなっ!

 終始尾田組長@小林さんの二枚舌&日和見主義に振り回されて兄弟分の仲を引き裂かれる藤巻&矢萩・・・
「藤巻兄貴〜!矢萩のことなんでもっと信じてやらないんだ〜!泣」ってな矢萩@克典さんの最期。一緒に映画オフった庵友達泣いてた4 にしてもそんなタイミングで半裸披露しなくったって・・・藤巻@謙さん。爆 ある意味早まった男の愚かさ、みじめさを演出してたのかもしれんが。汗
てなわけで、「濡れ場はなくとも露出度は高い渡辺謙」の露出シーン、背中の不動明王様も見逃すなっ!大笑(あんまり調子に乗ってると、しまいに謙さんにお叱りうけるで、かず4・・・)
あ、そうそう。方言マスターキングでもあらしゃる謙さん、関西弁は言うまでもなくお手の物という感じでした。ていうかDVD収録のインタビューでの発言まで関西弁ですやんw

 その後、結局親分を撃ち殺すことはかなわないのだけれど「絶縁結構!上等や!」と乗り込んで銃乱射する藤巻アニキもイカス〜〜!!小説版にその後あった描写が映画ではなかったのはファン的には幸いかな。そんで最後に残ったんはあんたら親子かよっ!みたいな。(尾田組長役の小林稔侍さんと尾田組長に取り入った矢萩直属部下役だった小林健さんは実の親子であらしゃいます 笑)

 初めてまともに見たヤクザ映画でしたが、予想外に(すんません)面白かったっす。刑事役もこなしつつ、ヤクザ役もバッチリこなす謙さん。いや、むしろ自に近い部分も多分におありになったんではないかと。爆 しかし謙さん、ラスサム撮影に備えてヒゲ坊主姿でコメントされている東京国際映画祭記者会見(DVDに収録)時の姿の方が本編での藤巻さんよりコワイっす。大笑 ていうかね、せっかく東京国際映画祭出品で英語字幕つきで上映されて「アニキ」のこと"Hey! Brother!"とか庵友達がバカウケしていたので入れてもらえないかと思ってたけど案の定なかったで砂。英語字幕。涙 映画祭用に作った英語字幕あるなら入れてよう!!東映さんっ!そしてまた末筆ながらスカパラのBGMがいい感じに作品世界を盛り上げてます♪CCCDですがサントラの内容はオススメです4


2004/4/17 脱稿


 「T.R.Y.」東正信陸軍中将役

 (遅読の私には珍しく)原作を先に読んでいたので「やはり2時間弱におさめるのはキツイのかな」という感が否めなかった作品でしたね(苦笑)とんとん拍子に話が進むために仲間同士の友情も深みがなかったり、伊沢@織田さんの言う「切り札」も(おそらく時間の都合上)あっけなくわかってしまったし。また松重豊さんや夏八木勲さん、石橋蓮司さんなど豪華実力俳優陣が出演されていたのにもっと絡んでほしかったなぁ。あと、主題歌は『真夜中の雨』とか『踊る大捜査線』の主題歌とかの方が好きかな。(詐欺師の話の主題歌にheroという単語入れるのはナシなんじゃないかと。爆)

 東@謙さん出演シーンを中心にマニアックな感想&検証を。
■本編での東中将@謙さん初登場が庵に頂いた公式賜り画像のシェパードくんとの2ショットセピア写真だったことに劇場でウケてました。

■動く東中将初登場シーンは山縣有朋@丹波りん前での陸軍会議シーン。
東、迫力ありすぎ。かっこよすぎ。当然東さんの方が威厳あるんですが『幕末純情伝』での竜馬の大演説シーンも思い出しちゃいました。私あのシーン大好きなんです♪

■東がハリー溺愛謙さんと同様愛犬家だったのもかわいらしい。笑
しかも「愛犬倶楽部」などという会に所属しているなんて筋金入りの愛犬家ぶり。伊沢のシェパードにつられて伊沢を逆ナンパ。爆 ただ原作では東の犬も伊沢の犬も周りが目を見張るように躾され威厳のある振る舞いの犬らしいのに、本編ではワンコたちかなり落ち着きなさげだったのが笑えた。東中将さまめっちゃ制御されておられました。w

■東中将さまの自宅くつろぎ和装シーンもよかったですわ〜〜
やはり謙さん、コスプレキングでいらっしゃるw (しかもドイツ語の台詞まで!謙さんこれでドイツ映画にも出演できますね!←って大変だってば)中でも伊沢が帰った後の隣室へ移って正座される時の立居振舞がも〜〜!!美しかったですわー!さすが時代劇キャリアやお茶たしなまれる故の所作の美しさですかねーていうか軍服闊歩姿・・・惚れ惚れ。超ロングコート(謙さんオーダー ダースベイダー風)まとっての登場シーン、BGMとあいまってかっこよすぎ。

■陸軍仕官学校に偽者か本物か東が確認しにいくシーン。
東の流し目や表情の変化も見逃すなっ!ちなみにこの士官学校ロケ地は京都七条大宮にある龍谷大学大宮学舎。かなりかず4お膝元。頂き画像コメントにも書いてますがお約束。「ああっあの頃そんなお近くに謙さんが撮影にっ!」涙

■東中将さま 鋭いのは眼光だけではないらしく、帰宅するなり鋭い「嗅覚」で猜疑心・警戒心のカタマリぶりを披露シーンがあるんですが、わたしゃ「東中将さま、あなたの嗅覚はハリーくん並ですか?!爆」と心でツッコミ入れちゃいましたwそしてコレとは対照的に 猫みたいに威嚇するシーンもあるし、相変わらず「ギョロッ」て音しそうなくらい眼力が凄いっす。

■東中将@謙さんVS伊沢@織田さんの直接対決シーンも見ごたえありますが、東中将殿が伊沢に残す捨て台詞

「今度は貴様が踊る番だ」

『踊る大捜査線』好きには大ウケであったと思われます。私はそれを聞いて「更にそれに”踊らされる”のはファンなのねw」とツッコミ入れてました♪

■関役のシャオさんもパク役の孫さんなどアジアの俳優さんたちもよかったで砂。謙さんも『ラスサム』前にこの作品を通して俳優やスタッフの国際交流があったでしょうし、そういう意味でも良かったのではないかな。 そして陳役の市原君かわいい・・・「黄泉がえり」の役はもっと好きです。ただ原作で陳君の運命を知っていたのでいつ○○されるんだろうかとドキドキしていましたがそんな描写なくてほっとしたような、話的に盛り上がりに欠けたような。苦笑 というかラストは「東さんそのまま引き下がるんかいっ!」とか色々ツッコミどころ満載ですが、東中将@謙さんの軍服コスプレだけでも鑑賞に値しますので是非!爆 織田さんとは『踊る大捜査線』続編に謙さんゲスト出演して欲しかったなぁ。

 それにしてもT..R..Y..ガイド本で謙さんが回答されていた「部下役の金山さん、弟役の今井さんとしていたという馬鹿話」が気になる・・・録音部さん収録してたならDVD特典に入れてよう!泣
しかもDVD特典最初謙さんのインタビューに気付かなかった(殴)のですが今回見てみたら「金山君が織田君をボンボコ殴る蹴るシーンを見たファンの方が、僕がやってると思って『なんてヒドイことするんだ』って思ったようですが、あれは僕じゃありません!」とコメントされてたのが大笑い。それって庵のカキコミで言うと過去ログ941,942頃の話かしら。爆
http://bbs10.otd.co.jp/watanabekensanan/bbs_plain?range=-50&base=950

2004/4/17 脱稿


 『川、いつか海へ』第二話 田沼六郎(温泉旅館の主人)役

 謙さんはリストラされ、地方の温泉旅館雇われ主人になった役で、奥さん役が『鍵師』でおなじみの小林聡美ちゃん。しかも脚本は三谷幸喜さんというゴールデントリオ!ていうか『陽昇』の西田敏行さんも加わってドリームチーム!?ルミ@聡美ちゃん念願かなって夫婦になれたのね・・・by『鍵師』←違う
加賀谷@西田さんも大久保@謙さんの変わりように度肝抜かれたでしょうに・・・by『陽昇』←だから違う(間違ってるけど楽しいマニアの楽しみ方)

 いやそれにしても・・・ツッコミ入れまくりでした。ブラウン管の前でのたうちまわりました、このお話。爆 ラスサム大盛況やGG賞ノミネートで騒がれるこの時期にこれだけギャップのある役のドラマ放映するってのも狙ってらっしゃるのか?ラスサムで謙さんに惚れた人があれ見てどういう反応するのか楽しみでもありました。「ゴールデングローブ賞ノミネート俳優が・・・!」ーみたいな。爆

 謙さんの作品って女性は脱がないのに謙さん一人脱ぎまくってません?(爆弾発言?)のっけから浴衣はだけてるし・・・ドキドキ 冒頭の入浴シーンなんてもぅ・・・スタッフの前では全部脱いだね・・・貴方・・・謙さん、これから露出王って呼んでいいですか・・・?爆 今回は年末大サービス(?)で西田さんまで脱いでたw そして相変わらず 聡美ちゃんに対して凄まじいツッコミようだ・・・まるで吉本新喜劇の女優さん(珠代ちゃんとか)に対する扱い。あんな風に小突かれたい〜〜!そして聡美ちゃんいきなり抱きつかれて固まってたけどその後の照れたような嬉しそうな顔がかわいい・・・

 小林聡美ちゃんとの唖然とした顔とか睨むとことか表情が絶妙で・・・あのちょっと抜けてそうなワンコもよかった・・・ぽちタマに出てたラブラドルみたいで・・・苦笑

 放送後、公式HPの小林聡美さんのインタビュー見つけて読んでたんですが謙さんについての言及もちらほらあって嬉しい・・・でも笑ったのが「謙さんはいつも2枚目で渋い顔をしていますが、私にとってはそういう謙さんの方が、「うわ、作ってる」っていう感じで、今回の六郎みたいな感じが、正に謙さんそのものという気がします。」発言。爆
謙さんーー!!謙さんのシリアス顔・シリアス演技を「うわ、作ってる」って言われてまっせー!爆笑
まぁラスサムプレミアや記者会見であんなにトムや真田さんたちとじゃれたり、はしゃいだりしている謙さん見ても分かる通り、時代劇なんかでのあの渋い謙さんが全てとは言いませんがウケました。大笑 聡美さん、でも私は「六郎役は弾けすぎっ」と思いましたわよ。笑 どちらかというと三谷さんの作品は好きなんだけど、三谷作品での謙さんのキャラは濃すぎて『御家人斬九郎』での太鼓持ちの残八を見た時のような直視していられない気恥ずかしさがあるので(笑)『鍵師』の浩ちゃんくらいのキャラが自然体で濃すぎず(笑)照れずに見ていられるので好きなんですけどね。
もう一つ笑った聡美さんのコメント。

 「多分私達だけ放送はずされるかもしれないという心配が私と謙さんの中ではあって、とりあえず放送はされても再放送の時ははずされるのでは?なんて気がしているんですけど。」爆笑 大丈夫ー放送されましたよーっていうか再放送の時、外されたらそれはそれで面白いけど。大笑 確かに全編通して見て、全く他の話と毛色が違いましたねーでも他のお話も見ましたが(ファンの欲目もあるかもしれないけど)第二話が一番好きだなー。それぞれのお話よかったんですが、他の話はしんみりしちゃったんですよね。

 ただ、第二話で残念だったのはせっかくオムニバスドラマで豪華キャスト出演されているのに謙さんと聡美さんは第二話だけのご出演だったということ。できれば他の話に出ていた方ともご共演シーン拝見したかったし、三人の脚本家が描く「六郎」も見てみたかったなぁ。またキャラクターとしても西田さんは後半面目躍如のキャラでしたが(笑)謙さんが一人弾ける一方、聡美ちゃんも西田さんも当初抑えた演技されてたのがもったいなかったかな。

 三谷作品的ツッコミとしては、名前間違い(川北⇔北川)は三谷さんらしい気がする・・・笑
それから謙さんが温泉で歌っていた、あの「あきらめましょう〜あきらめましょう〜♪」by華原朋美ってのは謙さんの「食わず嫌い王者決定戦」の対戦相手が朋ちゃんだったのと関係あるのか?(深読みしすぎ〜)
もう一つ、『三国志』が好きで〜と言った後「猪八戒」挙げてるのはわざとだと思うんですが、それってやっぱり西田さんが夏目@三蔵、堺正章@悟空の『西遊記』で猪八戒役やってたことにかけてるのかー?!

 話としては、浮き玉のおかげなのか、そうでないのか・・・少しは「いいかげんでだらしがなかった主人公」=六郎(謙さん)も人間的にも成長(?)してましたよね。旅館経営も改善しそうだったし。久々に謙さんのコメディ、それも大好きな三谷さん作品に小林さんや西田さんたちとご共演されたのを楽しめて良かったですわ。


2004/1/1 脱稿


『強行犯捜査第七係』 神山紘一郎(七係主任)役

 高村薫原作、NHK制作、渋くて実力派・個性派俳優揃いの骨太HVサスペンスドラマ「強行犯捜査第七係」。
BS版と地上波で編集が異なったり、別の楽しみ方もできて見応えあって、見れば見るほどお気に入り作品に。2002年11月30日投稿のかず4ネタバレ作品感想はこちら参照。

 最近、本作の「幻の原作版」読む機会に恵まれ、私は読書はあまりしなくて遅いので通常時間かかるのですが今回は一話完結の原作さくさく読めましたw 高村薫さん作品は初めて拝読させて頂きましたが面白かったです!
神山主任のモデル合田雄一郎主役の別作品や他の高村作品も機会あれば読んでみたいと思わせる内容でしたので皆様も機会あれば読んでみて下さい。マニアックな楽しみ方できます4!(って入手難しいんですが 汗)

 本編何度か見てから原作を読んでみると、やはり比較しちゃいますが思いのほか原作通りの設定や台詞に驚きました。原作は5話完結でそのうち第二話「放火」と第三話「失踪」が今回のドラマ作品の話になっています。(登場人物が多い上、2つの事件が交錯する複雑さ故に一度見ただけでは理解できにくかったのが残念でしたが。)

 例えばNHK的タブーだったのか、地上波ではカットされていた、雪之丞が少年に某所で出会ったことに神山@謙さんが言った迷台詞「あほっ!!ビデオ借りたらええやないかっ!!」
「そのツッコミどやねん!?」と受けてたんですがコレも原作にある台詞で大笑い。しかもクライマックスの文字通り犯罪者だけでなく警察側も「強行捜査」な「ドスきかせまくりの渡辺謙」が拝めるシーンも原作にある。爆笑 高村さん・・・ステキ。

 細かい設定も忠実に再現されていて、冒頭爆睡中の神山が「電話で起こされて時計を見る条件反射」ってのも、原作中で主人公が読んでいる文庫本の名前まで同じでやんの・・・笑 懲りまくり。さぞや高村薫女王様ファンも原作チェック楽しかったのではないかと。(ファンサイトの反響見る限り、高村さんファンの間でも今作好評のようで嬉しいw)関西弁も謙さん始め皆さん違和感感じないくらいほぼ完璧だったし音楽もよかったし。そして本当に骨太俳優さん揃いで、それぞれの俳優さんと謙さんの対峙シーン、絡みも見応えあります〜!!渋かっこいい台詞やシーンも盛りだくさん。段田さんとは屋上でのシーンが好き〜別れ際に片手で礼する主任かっこええ〜橋爪さん&謙さんの円先輩後輩コンビで印象的なのはやはり駐車場での密談シーンの主任の台詞
「俺らが見て見んふりしても破滅する子は破滅するんですよ。せめて誰かが見といてやらんといかんの違いますかね。刑事なんか孤独な人間にはなんの腹の足しにもなりませんけど・・・」この台詞も深いですが謙さんの表情も渋い〜そして後半の取調べシーンでの神山主任の悲しげな横顔もイイ〜!原作と違うのは、主任が放火犯の取調べに立ち会うということ。放火犯の生きる痛みや哀しさ、人を信じる空しさに神山主任自分を重ね合わせてつらそうな顔してたんだろうか。

 伊原さんVS謙さん事務所対決(笑)も見応え十分。最初から火花散りまくり。最後も素直じゃないというかなんというか。夕暮れバックの流し目も渋〜〜!!謙さん&山本太郎くんコンビもいいし、國村準さんもええ味だしてます。渋好み、謙さんの眉間の皺大好きという方(笑)にはたまらない作品かもしれません。ていうかこんな豪華キャスト&充実度の作品一作で終わらせるのはもったいない!!是非是非続編を!何卒〜!

2003/2/2 脱稿


『出発(たびだち)』トラック運転手

 撮影から14年間もお蔵入りしていたというハイビジョンドラマ第一作・・・そんなこと許されていいのか?!逆に言えば現在お蔵入り進行形(涙)の「御用牙」放送も望みは捨てたものじゃないってことでしょうか?

 それはさておき、さすが斬九メインライター金子さん脚本、政宗&時宗の吉村さん演出作品♪謙さん扮するトラックの運転手の兄ちゃんと少年の交流。ええ話でした〜♪謙さん若いw(当たり前)トラックの運ちゃん役は タンポポ→出発→ラヂオの時間 で出世してってるのかしら 爆 なんかすんごいはまってるのはナゼー?今の謙さんも大好きなんですが、この頃独特の豪快な笑い方とか、シャウトも好きですわーw

 にしてもこの作品一粒で二度おいしいんですわw謙さんの平家落ち武者コスプレがまたまた楽しめます♪能村庸一さん著作「実録テレビ時代劇史」の中で「以前NHK「耳なし芳一」の話をハイビジョン化したのを見る機会があった」「主役の渡辺謙が」とあったのでどの作品だろうと思ってたらコレでした!私はてっきり謙さんが芳一役かと思ったら落ち武者役でございましたがw現実世界と「耳なし芳一」の物語世界が同時進行で描かれるのです。少年にとっても謙さん演じるトラック運ちゃんにとっても「たびだち」なのねん、とホロリと感じさせるストーリーで好きですー私。
通常衛星放送や地上波でも放送してくれれば一人でも多くの皆さんもご覧になれるのにー!!
にしてもチョイ役で結構意外な俳優さん女優さんが出演されてたりします。若村麻由美さん、村田雄浩さん、浅田美代子さん、財津一郎さんなどwそしてさすがデジタルハイビジョン!!14年前の作品なのに劣化してないんんですよ!(でもビデオが対応じゃないからリアルタイムでしか堪能できんかったのが惜しいけど贅沢)

 まず冒頭の方で、いきなり男性のお尻がアップで映り、それが謙さんだったらどうしようかと思いましたが、競歩中の原田芳雄さん(主人公である少年の父役)でした 爆

 粗筋としては、少年が、船長である父に会いに長崎まで一人で行くつもりが、飛行機チケットの取り違いで「出雲」に到着してしまう。(なぜ出雲?!)そしてどさくさにまぎれて出雲の旅館でみた旅芸人の老人と孫娘に出会い、少年は孫娘に恋心を。しかし長崎までどうやって行こうか途方にくれているところでトラックの運転手(謙さん)に出会い、長崎まで乗せてもらうことになる・・・その旅の途中、少年は「耳なし芳一」の本を読んでいて、話の節々でその物語世界も同時進行する、というもの。

 知り合ってまもなく、トラック車内で謙さんが「Show me show me」を熱唱するシーンがあって爆笑。ラジオと共に口ずさむ程度じゃなくて本当に「熱唱」されてますw 曲自体時代を感じさせますけどね。段々少年は心開いていきますが、この時、我関ぜず!って感じで一人イヤフォンで別のもの聴いてるし。なんかこの二人見てて、思い出したのが謙さんのドキュメンタリー「大カナダ心の旅」での謙さんとご子息大くんの親子二人旅!!謙さん楽しそうに話し掛けたら大くん寝てて聞いてなかったりして「いいよ、もう おやすみ!!!」ってどっちが子供だかわかんないやりとりがツボでしたわw

 そして同時進行の「耳なし芳一」。さすがに時代物の言葉遣いも流暢だー笑 謙さん@平家の落ち武者!!
落ち武者といっても「髻をおろしたザンバラ髪」ではなく烏帽子と半首(はつぶり)とかいう顔用武具をつけたいでたちでございました。やっぱりコスプレキングでらっさるわー(余談になりますが平清盛とかも一度演じて欲しいなー)主人公の少年役の子が芳一役を演じているのですが、芳一役の方がはまってるわーそしてお約束の全身経文書き。本当にお尻まで書かれてましたw謙さんが芳一役だったら・・・(自粛)←阿呆

 それにしても14年前とは思えぬ画質の良さ、合成CGも当時のCGとしては上出来でした。いやむしろ最近のCGでちゃちなものよりはよほど質よかったんじゃ・・・平家の亡霊の前で芳一が平家物語を聞かせるところや館もCGだとすればすごかったもの。是非地上波でも放送してもらってより多くの方に楽しんで頂きたいわー

 うむ。脚本も演出もキャストも良くて素晴らしい作品でしたw謙さんにはこれからもこういう良質の作品に出て頂きたいわー

2003/2/2 脱稿


『風と共に去りぬ』レット・バトラー(クラーク・ゲイブル)役吹き替え

 元々好きな作品でしたが、謙さん吹き替え版を拝見して益々好きになりましたわ、「風と共に去りぬ」。スカーレットも最初見た頃は「なんてわがまま娘なのか」と思ったけれど今回は好意持てたし。でも初めて見終わったときの衝撃は今も忘れられません。

 最初は字幕で見たので本人達の声より日本人吹き替え陣の方が声が高くて最初なじめなかったんですが、すぐ渡辺バトラーにメロメロになりました(笑)田中美佐子嬢もわがまま娘ぶりが良く出てましたね。マニアとしては若村麻由美嬢にスカーレット役を演ってもらって「幻の斬さまVS蔦ちゃん愛憎劇」を楽しみたかった気もしますが(爆)斬さまとうってかわって羽振りよすぎる渡辺バトラーが笑えます。

 しかしやはり渋すぎるぜ・・・謙さん・・・めっさくさかっこよくて色気垂れ流し。特に笑い声がハマリすぎ。
前半見所は出産直後のメラニーを連れて馬車でタラへ向かう途中、軍隊に入るというバトラーとスカーレットの別れシーン。ぎゃぁ〜〜「好きだなんて戯言は言うな」と言いながらキス。くらくらぁ〜〜(壊)謙さんのラブストーリー見たいなぁ。実写で。

 しかし、スカーレットが訪ねてくる時にポーカーしている入牢中、渡辺バトラー・・・
「これじゃぁ、グラント将軍もまっつぁおだぜ」の台詞に私は斬さまを垣間見た。(江戸っ子口調じゃないか!爆)台詞まわしというか、日本語台本、謙さん配役決まってから書かれたのかと思うくらい謙さんぽかったなぁ。プロポーズの台詞とか「敬服致しますな」とか「そう怒りたもうな」とか「恐れ入るよ」とか。一番好きなシーンはやっぱりプロポーズ&濃密なキスシーンかな。ビデオで何度でも見ちゃったり自室にそのシーンの特大ポストカードをはってるくらいダイダイ大好き。

 そして親バカぶりはクラーク・ゲイブルを抜いたと見たよ(爆)、ボニー生後一週間親バカ全開渡辺バトラー。
結婚後しかもボニー誕生後人格変わってますよね、バトラー。もうスカーレットにメロメロのラブラブ。なのにスカーレットがアシュレー忘れられないからバトラーが切なくてねぇ。(涙)嫉妬に狂い飲んだくれる渡辺バトラーが強引にスカーレットを求めるのが萌え。翌朝ウキウキのスカーレットと対照的に離婚を迫るバトラー・・・その後妊娠、流産、ラストまでどこまでもすれ違いすぎだっちゅーの〜〜涙 そしてボニーが・・・波乱万丈すぎるよ・・・涙
(しかし・・・「風共」でまで娘さんに乗馬させてるよ、謙さん(爆)←謙さんじゃなくてバトラーだっての。)

 作品として「風共」が好きなのは、やはりバトラー&スカーレットカップルなので後半部分。もちろん結婚後。でもすれ違いがかわいそすぎる・・・スカーレットもなんでアシュレーなんか追っかけ続けたのかしら?しかも何度も拒絶されてんのに自分愛されてないの気付くの遅すぎやっちゅーねん。レットも間が悪すぎよ・・・あの後の告白聞いときゃいいのに。ま、レットも辛かったんだろうけど。とにかく全編バトラー偏愛ビジョンで見てしまった「風共」でした。
ところでこの作品以来、謙さん『人間の証明2001』、『壬生義士伝』、と三年連続お正月にテレビ東京出演ですね。来年以降も期待していいんでしょうか?テレビ東京さん・・・(笑)

2002/3/29 脱稿


  『寿司、喰いねぇ!』(京都編)吉永修三役
↑Amazon.co.jpで原作本を購入

 2002年1月1日放送された「”壬生義士伝” 食の旅」にて、京都のお寿司屋さん「いづう」をご紹介され、おいしそうに鯖寿司を食される謙さんを見て、テープ探し出して見ちゃいました・・・元旦から・・・(爆)
どのシリーズもそうだけど・・・おいしそうだ・・・お寿司が・・・!!しかも謙さん全作吹き替えなしで握ってらっしゃるので親方や他の俳優さんの時は、「あ、このシーンは吹き替えだ」ってのがよくわかります(笑)謙さんの握ったお寿司食べてみた〜い!!全シリーズ、この室井さん&謙さんの吉永夫妻のラブラブぶりは少しひくものがありますが、手塚治虫ファンなのは嬉しい。しかも第一話なんて松重豊さん演じる寿司屋上司とケンカしてできた目のアザを隠して奥さんに言った修ちゃんの台詞が大爆笑。
 「独眼竜政宗!!なんちゃって・・・」 
面白すぎ。謙さん@政宗ファンにはたまらない楽屋オチ。あれってアドリブなのか?!しかも室井@さよりさんの実家の苗字「伊達」だし、舅兼親方役のすまけいさん2000年大河「葵三代」で伊達政宗役だったらしいし。←考えすぎ
ってことで京都編ですよ。他の回はともかく、京都人には悶絶の作品。何がって実在のお店の名前バンバンだしてる・・・爆私はもう、謙さん@修ちゃん京都駅八条口で立ち尽くす場面に地団太。他にも三条木屋町や先斗町近辺などなど「ああ!!私がロケに遭遇していればっ!!!」と思うところ多々。ある意味身体に悪い放送でしたが(笑)凄いところは「いもぼう」もそうだけど「いづう」です!!!謙さん@修ちゃん修行してるんです!これが!!(爆)「壬生義士伝 食の旅」で「いづう」紹介された時、「確か・・・」とこのビデオ見直したわけですが、(この番宣見た後に見直したからか、この作品、なまじそこらの「京都案内番組」よりよほど京都案内番組になっている!!!(大笑))京都案内番組バリに「いづう」さんを探検(?)し「鯖寿司」の仕込みを伝授してもらう謙さん@修ちゃん・・・このお仕事がきっかけで常連さんになられたのかなぁ、謙さん。京都人的には「バッテラ」より断然「鯖寿司」でしょう!という心境なんですが、他府県の方には鯖寿司の寿司飯って甘いの?(←世間知らず)
 ドラマ的にも「寿司、食いねえ」シリーズでは今作が一番好きかも。田村高廣さんがいい味出してます。シーンとしてもいいシーン(修三を諭すようなシーン)もあるし。長谷川初範さんと涼風真世さん演じる夫妻とともに離婚危機に見舞われる吉永夫妻も最終的にはよりを戻し一件落着するんですが、行き違いがあって「あんたら何回東京京都往復すんねん!!」っちゅーくらい往復してます・・・吉永夫妻・・・しかも新幹線・・・私は夜行バス往復だっていうのに・・・(涙)

2002/1/1 脱稿


 『池袋ウエストゲートパーク(IWGP)』 横山礼一郎役 

 放送当時、カナダ滞在中で掲示板では賛否両論(あの雰囲気についていけない、とか)あったので、覚悟して見ましたがむしろむちゃくちゃ面白かったです!斬九郎、鍵師に次いで私の謙さんお気に入り作品かもしれない・・・横山さーんっ!さすが、私の好きな堂本剛くん版「金田一少年の事件簿」や「ケイゾク」の監督、堤さん作品♪独特の映像や音楽も大好きです。

 内容はもちろん暗さは拭いされないものの、「御家人斬九郎」に通じるものがあると感じたのは私だけでしょうか?どこにも属さぬ無頼の徒、マコトが私立探偵よろしく何でも屋と化し、面倒くさがりながらも事件解決に奔走。女難に見舞われ、親一人子一人の母親にも振り回される様はまさに長瀬くん版「現代の斬九郎」!!(爆)
謙さんとの絡みも最高だったけどマコトのキャラやドラマそのものも最高でした!また機会あれば是非謙さんに長瀬くんとも競演してほしいし、堤監督ともお仕事してほしいものだ・・・

 堤作品ってば芸が細かいので画面一杯お遊び探しが楽しめますよ♪ビデオやDVDをお持ちの方はもう一度見てみましょう。(各話ツッコミも追々アップしたい・・・)

2001/10/21 脱稿


『鍵師』シリーズ 水谷浩二役 

 謙さん出演作の中で「御家人斬九郎」に並ぶ、かず4お気に入り作品。小林聡美嬢とのかけあいがツボ。
絶対台本なしでやってるシーン多いとにらんでます。しかし・・・第一話とそれ以降で明らかに路線が違う。悲哀の恋愛→コメディ路線。1ラストで義姉(萬田久子さん)と結ばれるような終り方だったのに2以降何事もなかったかのように話は進展・・・2も昔の三角関係が明らかになるのみで結局浩ちゃん敗北者やしなあ。そして恋愛色がどんどん消えていくのに反し、小林嬢とのコメディ路線は益々エスカレートしていってましたね。この黄金コンビの素地は既に’91の忠臣蔵・赤垣源蔵と義兄家の下女役で垣間見れると思います。


 まずオープニングから暗闇で金庫を開けるという怪しまれても仕方ない登場。小林嬢との笑えるやりとりは第一弾から健在で、外国の珍しい金庫を開ける依頼を聞いて有頂天の浩ちゃんに肩をガクガク揺さぶられるルミ(小林嬢)そしてその仕返しとも見える「やっぱり浩ちゃんは日本一の鍵師だねえ!」攻撃。
石橋蓮司さん@検事に頼まれて金庫の扉開ける時のニヤリ顔が〜〜!!(爆)
また後日、初めてみたいな顔して中尾彬さんのビル行ってのやりとりも良い♪特に石橋氏に呼ばれて入ってくる時の「ハイ」と、中尾氏「だから言ったろ〜?!開かねんだよ、その金庫は〜!!」と言った直後の「開きましたぁ」最高!


2.
 この作品はオープニングのタイトルロゴの現れ方も凝ってます。オープニングでつかみはオッケーシーン決め台詞「鍵屋じゃなくて鍵師です!」も毎度大好き。実はこの作品、もっと先に放送されるはずだったのが、謙さん再入院で急遽’94年8月26日に「頑張れ謙さん特別企画」と名打って放送されたのですが、TV局の配慮が嬉しかった・・・フジ、粋な計らい♪
 小林嬢とのやりとりは磨きがかかってます。「浩ちゃん!変な人が!!」 「お前が変なんじゃないの?」そしてルミのことを浩ちゃんこと謙さん「座敷わらし」「ちゃぐちゃぐ馬子」呼ばわり。聡美さんのリアクションにも爆笑。
麻佐女さま、あ、いや岸田今日子さん演じる浩二ママもルミから土産物奪い返すし(笑)
新幹線のやりとりも大好き。新婚カップルみたく「あ〜〜ん(はあと)」と言いつつ自分の口へ。浩ちゃん「ばかやろっ!」しかし、謙さん、聡美さんの扱い凄すぎ。強引に車に押し込んだり、頭突き飛ばしたり、ひきずったり。吉本新喜劇の女優さんじゃないんだから〜(爆)面白いけど。ホテルでの再会&夕食シーンも必見。
「食べないなら俺食っちゃうぞ」「食べるって!お腹一杯なんでしょ?」「まぁな。ここの風呂混浴って知ってた?一緒に入ろうか?ヤダ」このシーン絶品です。(大爆笑)
 そして翌日、猪苗代駅で聞く耳持たない浩ちゃんにひきずられていくルミがどう見ても奥ですべっとりましたが・・・汗
それから美術館で「なんでもないです!」とルミの口ふさいで連れ去ったら余計怪しまれます(笑)
そしてシメも浩ちゃん&ルミの漫才で終わる。音楽からして1と2以降雰囲気違います。(笑)

3.
 ご存知。謙さん再復帰作。数あるオファーの中からスタッフやキャストの気心の知れたこの作品を選ばれたということはかなり謙さんの中でもお気に入りの作品なのでしょうか?(←だとすれば嬉しい)
斬九郎とは異なり、麻佐女様@岸田さん身勝手ぶり(権力)半減ながら、息子に迷惑かけるのは相変わらずのようで今回は年甲斐もなく心ときめかせたと思ったら連帯保証人になって借金した本人に逃げられる・・・聡美さんの現在旦那さん且つ謙さんとも交友ある三谷幸喜氏もチョイ役で出演!これってやっぱり友情出演なんだろうか?
今回の浩ちゃんとルミ「やっぱりコレと会ってたんじゃないの〜?」シンクロしてジェスチャーする二人も良し。かわいい目玉焼きと、それ見て眉あげる謙さんも!
 屋台で飲んでいて聡美ちゃんに自転車倒されての「あらっ!!(←「ら」が巻舌だった)・・・そんなことするこたないだろ・・・」も好き。
 自転車の「水谷ロックサービス」のぼりが頭隠して尻隠さず状態の加藤さん尾行隊(浩ちゃん・ルミ)も笑えます。
アドリブにしか思えないのが、聡美ちゃんの頭をぐしゃぐしゃにするシーン。さすがの聡美ちゃんも「ものすっごい激しすぎると思う」と言ってましたが本心と見た(爆)
恒例のシメは浩ちゃん&ルミの漫才。ルミに対する「息切れしたゲンゴロウ」とか「酸欠の金魚」ってのも台本ではなく謙さんご自身のボキャブラリーのような気がしてなりません!(大笑)

4.
 実は鍵師シリーズで最も好きな作品。高橋かおりさんの押しかけアシスタントぶりが自分たちの心の代弁ぽくて共感。(次点は2)しかしあのつなぎ、謙さん考案らしいですが・・・さすがコスプレキング。似合いすぎ。
あと「鍵師」シリーズのおいしいところは鍵に挑む謙さんアップになるところ。特に目のアップが渋いです。恒例のOPでのカメラ目線「鍵屋じゃなくて鍵師です」と「ありがとうございましたっ」と言って戸を閉めるとこが〜〜!今回の浩ちゃん&ルミ、麻佐女様ガン疑惑に抱き合う二人!(←麻佐女さまじゃないって)高橋かおり嬢ともめてるところを母親に誤解されるとこも予想通りだったけど大笑い。
 今回の名言「奥さんじゃない!!弟子でもない!!」(小林嬢と高橋嬢両方指しながら・笑)
そしてまたしても息子に心配かける麻佐女さま(水谷フミです)「お父さんのお墓に、もうすぐ会えるねって」(涙)
着替えシーンに出くわす浩ちゃんもさることながら、コスプレさおりん(高橋嬢)のなりきりぶりにあきれる浩ちゃん&ルミの二人の顔も絶妙。さおりを無視して二人でじゃれる浩ちゃん&ルミもよし。
あと好きなのが、拘束された二人(浩ちゃん&さおり)がさおりに浩ちゃんの胸ポケットのピックを口で取るシーン。
ぶわはははは!
 エンディングも大好き〜!!東京行ったときに浅草寺行ったのは私です。
この会話、特にアドリブ臭い。「おかめ心」とか「木彫りシーラカンス」とかおでん談義も!全シリーズこのような二人のかけあいエンディングにしてほしかったなあ。

5.
 ダブル渡辺共演作。(渡辺謙×渡辺徹)今回のOPは蛇うなずかせてたのが爆笑。
ただ今回は子役はともかく全般的に芝居色が濃かったような・・・?あのBGMでダブル渡辺&太郎夫人三人の昔話シーン特に・・・でも義姉@萬田さんとの関係は設定排除されたわけではなかったことをこのときわかりました。
しかし、ルミの母って謎なんですが。「早くに亡くしてる」と言いつつ3では「お母さんのお土産」とやら持ってきたぞ?若作り麻佐女さまのテニスウェア姿にたじろぐ浩ちゃん。 ゴキブリ退治にはしゃぐ麻佐女さま。
ルミの見合い相手にいじめられるシーンも結構好きです(笑)寝不足の馬め〜〜
貞操帯開けるとこも実は好き・・・「鍵師」のもう一つ恒例シーンとはお色気シーン(爆)混浴とかSM嬢来店とか(笑)お色気シーンだけならこのシリーズダントツ(笑)
 しかし浩ちゃんちの掛け時計、鍵をモチーフにしてるのはさすが。ちょっとほしい・・・
一番残念なのはラストの浩ちゃん&ルミの爆笑トークシーンが蛇の生殺し状態で聞けないこと!!4みたくインストゥメンタルでテロップ流してよう!

 このシリーズ続編見たかったけれど、謙さんご自身30代でやってきたシリーズものをおやめになったそうなので残念ながらかないそうにない(涙)ふ。本当に見たことない人にはわけのわからんコメントだ・・・しかもツッコミばかりで内容に対する感想がない(大笑)こんな感じのコメント集になります。ご注意下さい。(しっかしなんでまたビデオも発売してない「鍵師」からやねん)←それはお気に入り作品だから〜ご容赦下さい。

2001/10/21 脱稿

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