クレギオン1

ヴェイスの盲点

ミリガン運送は社長のロイド・ミリガンと社員でパイロットのマージ・ニコルズの小さな運送会社。麻薬の原料と思しき物の輸送を請け負った際に偽物を渡して辺境のヴェイスへ逃げ込んだ。
惑星ヴェイスは軍事工場惑星だったが260年前の大戦時に機雷により封鎖された惑星で、今も封鎖されたままだった。地上のドーム型都市には人が住んでおり物資の補給のために機雷原をつっきって降下しなければならない。ロイドは金儲けになると思い、降下することにしたのだが……。

野尻抱介のデビュー作の新装版。
初期のクレギオンには、主に費用の面で無理があり、参加していなかったので、小説版クレギオン(富士見ファンタジア文庫版)には興味がなかったのでした。ようやく新装版として復刊したので読んでみたしだい。
ゲームの基本設定は80年代後半にできていたのだろうから、シャトルを使ったりと、今の野尻抱介とは異なる部分があるのは仕方がない。それよりも後の作品に繋がる描写力や、公開暗号鍵方式のことを書いたりしている点をみるべきではないだろうか。

書名:クレギオン1 ヴェイスの盲点
著者:野尻抱介(あとがき)
解説:堺 三保(「俊英ハードSF作家の原点」)
カバーイラスト:撫荒武吉
カバーデザイン:ハヤカワ・デザイン
発行所:早川書房
印刷:星野製版印刷株式会社
製本:株式会社川島製本所
初版発行:2003年11月30日(富士見ファンタジア文庫版1992年6月)
ISBN4-15-030742-3 C0193
形態:文庫(5267 JA742 ノ-3-1)
定価:本体600円+税