戦闘妖精・雪風<改>

<改>ってなんだ? と思いつつ購入し、読んでみた。その鮮やかな情景に驚いた。「雪風」ってこんなに色彩豊かに描写されていたっけ? と不安になった 。あとがきの作者の「ほとんど変えていない」は信じ難かった。
「雪風」の印象は金属とシリコン、そして血の赤だったのだが、この「雪風」は惑星フェアリィの豊かで凶暴な自然が生き々々と表現されているのだ。
10年以上の歳月で自分の読み方が変わったせいかも知れないし、記憶などいかようにも変容するものだから。そう思うとなんとも神林長平の世界らしい
機会があれば読み直そう。
今思えば雪風は機械が人間を見限り、去っていく過程を描いた物語なので、そのままではグッドラックには繋がりづらい。今回の改稿で繋がりやすくなったのだ。

書名:戦闘妖精・雪風<改>
著者:神林長平(あとがき:雪風<改>によせて)
解説:石堂 藍(人間的/非人間的)/冬樹 蛉(ジャムはそこにいる)
カバーイラスト:長谷川正治
カバーデザイン:ハヤカワ・デザイン
発行所:早川書房
印刷:中央精版印刷株式会社
製本:株式会社明光社
初版発行:2001年12月25日
ISBN4-15-030683-4 C0197
形態:文庫(4882 JA683 カ-3-26)
定価:860円+税