南極に「道」ができ、なかから見たこともない戦闘兵器が侵攻してきた。人類はそれらをジャムと命名し、連合軍を組織、それに対抗。退け追撃した先は密林の惑星フェアリィ。戦線を戻さないためにフェアリィ空軍が創設され、20年が過ぎ去った……。
戦闘妖精・雪風の続編。
一貫して異質な存在とのコミュニケーションを描いてきた神林だけに一筋縄ではない。
道具に過ぎなかったはずの戦闘知性体がその存続のために人間を利用する。この関係は前作でも出ていたが、もっと暗喩的だったし、最後にはそれを捨てているかのような表現となっていた。同じような関係では「今宵銀河を杯にして」の方が印象に残っている。本作ではそれがもっと直接的に表現されているように思う。
前作を読まなくとも、とは解説に書かれているが、背景ある設定などが見えないので、読むのがつらいだろう。<改>も出たので一読することをお勧めする。
フォス大尉の台詞で一つだけ個人的には納得がいかないというか、神林らしくない、と思ったものがあった。キャラクターの性格づけなどから、そのようにしか表現できなかったのだろうが、違和感を覚えた。