トップページへもどる トップページへもどる
大賀蓮のカビ
No Framesの方は矢印でページを移動してください。 蓮事始へ戻る

画像をクリックすると大きく表示されます。 (30KB前後)  戻る時はブラウザの戻るボタンをご使用ください。


[カビ再現]

2001年4月始めの発芽時にカビを発生した種を回収し、6月に確認のため再度発芽させました。
(このカビ?が正しくは何であるのか確認していません)
今までに何度も種を発芽させましたが、今回のようにカビが大発生したのは初めてです。
専門家のお話では「カビが発生した種と容器は全て破棄する」と、誠に簡単明瞭な答えでした。
最終的に確認の取れていない「カビの様なモノ」がどのような振る舞いをするかご覧ください。

下の写真は6月になっての発芽実験をしたので、気温や日照の影響で蓮の若芽がここまで成長し、その後でカビに覆われたタメ育たなくなりました。
この白い綿毛の様に見えるモノと、写真では分かりにくいですが薄いゼラチン状のぬめりが苗を覆っています。
発芽時の種には正常でも多少ぬめりがありますが、それとは違うようです。
(6月の写真はカビがわかりやすく写っているので冒頭に掲載しました)




この写真は400倍です。
青い色はメチレンブルーですが、カビは殆ど染料に染まっていません。
クリックで拡大してご覧ください。
透明の繊維の様なモノが沢山はい回っていますが、カビのようなモノの本体です。


[発芽 4月]

カビが発生した場合、通常は下記の写真の様になってしまいます。
(カビが発生した種と容器は全て破棄します)

4月始めに発芽処理をし、この写真は1ヶ月後で、普通なら丸い浮葉が出ている頃です。
ご覧のように成長の速い若芽がまったく成長しないで、柔らかい部分から溶けて欠落し、6月の場合とは様子が違います。
この時期の気温や日照では蓮の成長が遅く、種から若芽が顔を出した頃に全体が半透明のカビのぬめりに覆われてしまいます。
その結果、おそらく酸素が欠乏して成長が止まり、写真のようになるのではないかと思います。

下のの写真はカビがハッキリとは見えませんが、ダメージの様子をご覧ください。
右下の写真はカビだけでなく赤虫に種の内容物を食い荒らされています。





[オーソサイド水和剤で救出]

左の写真は5月初めで、カビの影響が比較的少なかった個体です。
カビははっきり見えませんが、やはりカビのために欠落し黒っぽくなっている部分が見えます。
右はオーソサイド水和剤の1000倍液に24時間浸した写真です。

[オーソサイド水和剤 1月後]

約1月後の姿です。
薄いゼラチン状のぬめりや、白い綿毛のようなカビの姿が無くなりました。
全く影響なしとは言えませんが、どうにか成長が始まりました。
通常、カビが発生した苗を薬品で消毒し、育てるような強引なことはしないそうですが、これでオーソサイド水和剤が、間違いなくカビに効果があることが分かりました。


写真はオーソサイド水和剤と
三共ボルドーです。


[実験]

5月から7月にかけて、薬品を使い条件を変えて多数の種の発芽実験をしました。
薬品やカビの影響、成長の具合等を観察しました。
春先にカビが発生したグループの種が残り少なかった事、実験の時と気温や日差しが違う事、 実験の個体数がそれ程多くない事などから、精密な結果ではアリマセン。

6月後半

6月の発芽処理

オーソサイド処理
種カットで24時間

オーソサイド処理
種カットで1時間と
カット無しで24時間

「種カット」については 「大賀蓮事始」の[種・発芽]の項をご覧ください。


[オーソサイド水和剤]
オーソサイド水和剤で1000倍液で処理した種の発芽です。
種の両端をカットし24時間浸しました。
この写真では分かりませんが、発芽後しばらくの間、成長がとても悪く問題がありそうです。
両端カット種の24時間は長すぎるようです。
([実験]の項の3枚目の写真)

上の実験とは別の条件でオーソサイド水和剤1000倍液で処理した種の発芽です。

定規の左は種の両端をカットして1時間浸しました。
定規の右は種の両端をカットしないで24時間浸しました。
どちらも殆ど差が無く、成長も順調でした。

成長は順調ですが、カビに対する効果の点では、コチラが良いと限りません。
([実験]の項の4枚目の写真)


[その他]
定規の代わりに置いた電池の上はオーソサイド水和剤で1000倍液で同様の処理したため、生育の遅くなった苗です。

下が三共ボルドーの1000倍液で処理してあり、種の両端をカットし24時間浸しました。
生育は順調ですが、カビに効果があるか確認できていません。

(撮影の時に定規が見あたらなかったので電池で代用しました)

100度に沸騰したお湯に両端をカットしないそのままの種を5秒間浸しました。
生育は順調ですが、カビに効果があるか確認できていません。


[少し分かった事]

カビが発生した苗をオーソサイド水和剤の1000倍溶液に24時間浸すと、カビに効果が有るのを確認できましたが、その後の成長が悪くなります。
種の場合、オーソサイド水和剤の1000倍溶液に、種の両端をカットして24時間浸すと、発芽後の生育が悪くなります。

オーソサイド水和剤は作用が強いけれど副作用も有り、発芽処理前に種をカットしないで24時間浸すなど、予防的に使うのが良さそうです。

三共ボルドーや熱湯消毒は成長に影響はアリマセンが、カビに効果があるか確認できませんでした。

カビが種の発芽処理と同時に繁殖する日数は、
(4月は15日間、6月は10日間)
蓮の若芽もそれぞれの時期に対応して成長し、その後に繁殖したカビのダメージを受け始めます。
通常の蓮の発芽処理をする4月頃は、若芽が小さいウチにカビが繁殖し、成長が止まると同時に柔らかな部分から溶けて欠落します。
この時期の発芽にカビが発生した場合は種や容器を破棄して新規にやり直すしか方法がアリマセン。
(これが通常のケースです)

6月の若芽も少し成長した後でカビの繁殖に追いつかれ成長が止まります。
溶けて欠落するのは4月の苗ほどではアリマセンが成長の先端部が欠落すると大きなダメージになります。
これが冒頭のカビの発生した蓮の写真で4月と6月は違う姿になる原因です。

夏が近づき気温が高くなると、頻繁な水の交換だけでもカビのダメージが軽減し、蓮は生長を続けるようです。 カビについて「たいした害は無い」、「水交換でカビは無くなる」と言う話を聞きますが、この場合の事と思います。

カビが発生したグループの種でも、個体により発芽後のカビの状態に大きな差がありました。
種によりカビ汚染の差があるのか、発芽処理した場所の気温や日照など、環境の違いなのかは不明です。



[対策]

カビは頻繁に発せいするワケではアリマセンが、下記はカビ発生を視野に入れた発芽処理です。

発芽処理の4月初めは1ヶ月遅らせて5月初めにする。
(カビの件が無ければ4月初めが良い)
発芽処理を始める前に、ノーカットの種をオーソサイド水和剤1000倍液に24時間浸す。

(ここから後は通常と同じです)
容器はポリバケツなど大きめなモノを使い、日当たりの良いところに置く。
毎日、半分以上の水が交換されるように足し水等をする。
丸い浮葉が生え、種本体から白い糸のような根がでる直前に植え付けます。

万が一カビが発生し、成長が止まった時は、その種や容器を破棄し別のグループの種と新しい容器でやり直しです。
このページに記載のことを活用し、カビに挑戦しても良い結果は期待出来ないと思います。
ご覧のように本当に暗中模索、失敗ばかりしています。
記載したことの中にはしっかりした根拠がなく、
見当違いのことも有るかもしれません。
ご意見等御座いましたらメール等でお知らせください。

トップページへ戻る

トップページへ戻る


このページの
先頭に戻る