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大賀ハス事始 1ページ

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[容器]
レンコンがとぐろを巻きやすいように円形で平たい形状が蓮に適しているようです。
その他、古い火鉢、使わなくなった風呂桶や衣装ケース、タルなどナド。
素焼きの容器はハス栽培に適した形状があり、風情もありますが重いのと高価という欠点があります。
春先の植替えの時に、容器を逆さまにして内容物を出すのであれば右手前の白い容器や下の写真のグリーンの容器が便利です。
素焼きの容器は重いのでこのような作業は難しくなります。
写真の火鉢は35センチ〜55センチ、深さ28〜40センチです。
(火鉢の大と中は近くの古道具屋さんで購入しました)

周辺部の幅が広い火鉢では蓮の若芽がそこに迷い込み蓮の容器としては不適当です。
容器の穴は「耐熱耐寒の自動車用接着剤」を使って処理しました。
接着剤は建物や水回りの防水用シリコンなど、日曜大工のお店に行くと色々な商品があります。




最近はメダカの容器として使用している「舟」と同じ材質のグリーンの容器を使用しています。
リス興業(株)の「ねり樽50」という商品で50リッターです。
耐候性があり平たい円形の形状が蓮の生長に適しています。
写真の容器は直径55センチ、深さが約30センチです。

順調な開花のために、容器はほぼ一日中日の当たる場所に置く必要があります。
日照は重要ですが水温の上昇も同じくらい重要です。
(容器をどこに置くかは他の多くのことよりも重要な要件です)

 

容器の大きさですが、種から(大賀ハス・実生)始める場合(1年目)、目安は直径30センチです。
(出来れば初めから大きめの容器が成長が良い。)
蓮根から始まる2年目以降は、直径40〜60センチの容器が必要です。
2年目以降の土の深さは最低でも20センチは無いと、強風で根ごと倒れてしまいます。
通常、土の部分が30センチ、水の部分が10センチ、合計40センチ必要です。

ハスを育てる場合、土の深さよりも広さが重要です。
泥中で若芽が横方向に伸びますので、深皿のようなやや平たい形状が向いています。
写真は町田市の大賀藕絲館にあった素焼きの鉢で、直径が60センチ、深さが35センチです。
(頑丈で厚みがあります)


容器の中には強度を保つため、上端部周辺を内側に巻き込むフランジになっているモノがあります。
このタイプは伸びてくる若芽がフランジの溝へ迷い込こみ、出られなくなります。
(蓮の若芽は放射状に周辺に向けて伸びるため)
実は写真の茶色の箱形容器が問題のフランジ持ちで40センチ角です。
若芽が溝に迷い込んでいないか、常時注意していなければなりません。
右の写真はフランジの溝を発泡スチロールで塞いであるのに、隙間に入り込む若芽です。
同様に周辺部の幅が広い大きめの火鉢は蓮の容器としては不適当です。
全体が発泡スチロールの容器も、伸びる若芽が外へ突き抜けるので使えません。
 


[肥料・石灰]
蓮を育てるための肥料 の成分としては窒素(N)、燐酸(P)、カリ(K)、石灰(CA)、苦土(Mg)、イオウ(S)が必要です。
かなりおおざっぱな話ですが、これらの成分の比率はほぼ横並びで同じです。
但し、花蓮を育てる場合は燐酸(P)をやや多くします。
ハスは弱アルカリ性の用土を好むため、肥料には石灰(CA)も必ず混入させます。

鉢栽培が前提なので用土が50リットルの容器の元肥と追肥の一例です。(40*40センチに換算)
製品の袋に記載されているデータなどから必要な量を混合します。

色々なタイプの肥料を試行錯誤しましたが適切な成分の配合が確認できません。
しかし、ハスの根が水中であるため肥料の「効き具合」が緩やかである種類が良いようです。
化成肥料は施肥した量が同じでもその時の天候に(水温)より肥料の「効き具合」が大きく変化し問題がありそうです。
昔から良いと言われている魚粉は「成分」「効き具合」が良いようで、これを中心にいくつかの成分を加えています。
(肥料計画や施肥量については諸説あります。)

 
[1 年 目 の 肥 料]   1年目は追 肥のみ10回分作ります。 十分な日照が得られる場合は確実で成功しやすい肥料計画です。 肥料の分量は用土50リットルに対し追肥1回分の量です。
品  名         説  明                    分量      
発酵油粕粉末     油粕、骨粉、魚粉、米糠等が含まれています。         10グラム            他の肥料と混合しますので粉末タイプが便利でしょう。            多少でも苦土(Mg)を含む商品が入手できればベターです。            (有機配合肥料) 魚粉         発酵油粕とよく似ていますが、魚粉は必須です。        10グラム リンカリ肥料     「東商」というメーカーの製品には窒素(N)、          4グラム            燐酸(P)、カリ(K)、苦土(Mg)が            0 ・ 25 ・ 11 ・ 3 の割合で含まれています。 有機石灰       必ず有機石灰を使用します。                 5グラム      備 考 (追 肥) 肥料が粉末と粒などと大きさが違う場合、良く混ざりません。 それぞれの必要な量を量り、1回分ずつ布のようなモノに包んで 10回分程度を作っておきます。 台所のコーナーで使う水切り袋(不織布)を袋状にした中へ入れておきます。 分包でなくまとめて作りたいところですが、施肥の時に成分が偏ってしまいます。 量については、値は大まかなモノとお考えください。 製品により違いがありますので、袋に記載されているデータを参考にしてください。 容器の大きさは様々ですから、使用量は適宜換算してください。 生育期に月数回、一回は〜30グラム前後を施肥します。 有機石灰も5グラム程度も加えます。 種から(大賀ハス・実生)の1年目は追肥だけです。用土を敷き混むときの元肥は不要です。 [施肥]の項参照
[2 年 目 以 降 の 肥 料]   肥料の分量は用土50リットルに対する元肥の量です。
品  名         説  明                    分量      
発酵油粕粉末     油粕、骨粉、魚粉、米糠等が含まれています。         50グラム            他の肥料と混合しますので粉末タイプが便利でしょう。            多少でも苦土(Mg)を含む商品が入手できればベターです。            (有機配合肥料) 魚粉         発酵油粕とよく似ていますが、魚粉は必須です。        50グラム リンカリ肥料     「東商」というメーカーの製品には窒素(N)、          20グラム            燐酸(P)、カリ(K)、苦土(Mg)が            0 ・ 25 ・ 11 ・ 3 の割合で含まれています。 マグアンプK    窒素(N)、燐酸(P)、カリ(K)、苦土(Mg)がバランス良く含まれています。           緩効性の肥料なので元肥として使用します。           マグアンプが必要なのは蓮根からスタートの           2年目以降の元肥用だけです。               中粒を80グラム 有機石灰       必ず有機石灰を使用します。               50〜100グラム 備 考 (元肥) 2年目以降用土50リットルの元肥は合計約 200グラムと有機石灰を50〜100グラム。 「50リットルあたり**グラム」と記載しましたが、量については、値は大まかなモノとお考えください。 製品により違いがありますので、袋に記載されているデータを参考に、自分の状況に当てはめてください。 容器の大きさは様々ですから、使用量は適宜換算してください。 [施肥]の項参照
2年目以降の追肥

上記とほぼ同じ割合でマグアンプを除いたモノを作ります。 下記が数字が1回分です。 発酵油粕     10グラム 魚粉       10グラム リンカリ肥料   4グラム 有機石灰     5グラム (1年目の肥料とまったく同じです) 1回分を、台所のコーナーで使う水切り袋(不織布)を袋状にした中へ入れておきます。 追肥などは分包でなくまとめて作りたいところですが、施肥の時に成分が偏ってしまいます。 生育期と花後に月に数回、一回は〜30グラム前後を施肥します。 有機石灰を5グラム程度も加えます。 [施肥]の項参照
[用   土]   用土50リットルの内訳です。
品  名         説  明                      
黒土と腐葉土     大賀蓮を栽培するためには、用土として黒土4と腐葉土1が必要です。               (深さ30センチ)             有機石灰       苦土石灰、石灰等、色々ありますが必ず有機石灰を使用します。            専門家のお話では蓮栽培に適したphは6.4〜6.8だそうです。            phメーターで測定すると使用する用土により混入後のphが違います。            量については幅を持たせて考えてください。             50〜100グラムを上記の用土に混合します。                    [用土]の項参照

              
 参 考 資 料
肥料の量について 肥料のタイプにより効果が現れる速さに大きな違いがあり、種類によっては速さの差が10倍にもなるそうです。
化成肥料にはゆっくり型、通常型、速効型があり、油粕や魚粉、配合肥料などはゆっくり型です。
(正確には製造メーカーに確認しなければ分かりません)
温度にも大きく影響を受け、猛暑の時は非常に速く効果が現れ、その結果肥料が多すぎる状態になります。
植替え後の成長期に(4〜6月)日当たりが悪い場合、根の発達の遅れと容器の水温があまり上がらないため肥料の種類によっては十分な量を施肥してあるのに肥料不足状態になります。
いくつかの鉢で実験しましたが、日当たりの差と肥料の違いなど、状況によりこの時期の成長に大きな差がありました。
(植替え後から初夏まで成長の良かった個体が開花しました)
このホームページで記載した量は、記載してある肥料の平均的な量なので、夏場は葉の様子を常に観察して肥料過多状態にならないよう注意します。
もしそのような兆候があったら、何度か水を交換し肥料の濃度を下げ、猛暑の間は追肥の量を通常の半分くらいにします。
逆に毎日の水やりが多いと容器から溢れるため肥料分が流出しますので、通常の量では肥料不足の状態になります。
(蓮のためには毎日溢れる程の水やりが良いとされています)
結局どのように追肥をしたらよいのか判断に迷うことになります。
毎日ハスの観察をしていて肥料不足の気配がしたら、倍くらいのペースで追肥をします。
この追肥の加減は今年だけでなく、来年の開花にも影響し非常に重要です。
しかし、自然の中のハスは理想的とは言えないような色々な状況や環境で咲いています。
日照が十分でない城の堀や気温の低い地方でもハスは咲きます。
どのような肥料が開花しやすく、一般的で扱いやすいかを現在調査中ですが、当ホームページでは魚粉を中心とした有機系のタイプが良い結果が出つつあります。
(この記載は[施肥]の項と重複)
苦土石灰 石灰(CA)、苦土(Mg)の補強には一般的な肥料ですが、
強アルカリのため、化成肥料などと一緒に使用することが出来ません。
どうしても苦土石灰を使用するときは単体で施肥してから1週間位
たって、他の肥料を使用します。
蓮根の植え付け時の元肥は2度手間になり、追肥には使いにくいので、
当ホームページでは使用しません。
マグアンプK 窒素(N)、燐酸(P)、カリ(K)、苦土(Mg)がバランス良く含まれています。
肥料そのものに根が到達しないと、吸収できない構造になっているので
使用する場合は元肥として使用します。
4〜6月の成長期に日照が十分でない場合は効果が遅れるようです。
マグアンプは水中では窒素分が解け出しやすいので、大粒(2年用)を
使った方が良いと言う人もいます。
用土1リッターにつきマグアンプ2〜4gです。
硫酸苦土

イオウ(S)、苦土(Mg)が含まれています。
これが入手出来る方はこちらを使ってみてください。
50リッターの用土に対し元肥のマグアンプの替わりに20グラム、追肥は3グラム。

園芸店に無い場合が多いので入手先は下記です。
硫酸苦土(Mg25)   15Kg1袋 ¥1,420
〒286-0211 千葉県印旛郡富里町御料869-2
 株式会社 中央肥料
TEL 0476-92-1108 FAX 0476-92-1109


 

[種・発芽]
種を発芽させるのは4月中旬から6月にかけて可能です。
関東地方の場合は、気温が上がる5月になってからのほうが発芽後の生育が順調です。
種の中身はきわめて丈夫な外皮に守られていて、通常はこのままでは発芽しません。


ハス田では沢山の種が出来、田に落ちますがますが、普通は蓮根で増え、種から(実生)発芽する事は少ないそうです。
しかし、希に自然状態でも種から発芽する事があり、これが他の蓮の花粉を受粉するため遺伝子の乱れを生じさせます。
(種の表面がまだ緑色のうちに田に落ちると容易に発芽するそうです)




種の端は小さな突起が有りやや細くなっている側と、小さな穴が有るように見える丸みを帯びた側があります。
芽は後者、穴が有るように見える丸みを帯びた側から発芽します。

 
 
種の中

発芽させるため、植木ばさみやカッターなどで、写真のように種をカットします。
削るのは丸い端です。(丸い端の中心にはよく見ると小さな穴のようなモノが有ります)
この作業が心配な方は、大きめのヤスリで種を削ると確実です。
この開口部から水が入り、外皮が割れて中の若芽が外へ成長します。
関東地方の5月中旬では1週間以内に発芽します。 カットする位置は写真のように端から2ミリ前後の点で、カット後の開口部は4〜5ミリほどになります。
写真(右端)理想的には外皮がカットされ、中の甘皮を傷つけない状態です。(植木はさみ使用)
写真(中央 左)のように種の中身まで(黄色い部分)見えていますが、削り過ぎです。(ヤスリ使用)
写真(左)と(中央 右)の種は、中を見るため縦にカットしてあります。
横が約20ミリ、縦が約13ミリです。

種のどちら側をカットして良いのか分かりにくい場合は両側をカットすれば良いでしょう。

 
発芽
種から(大賀ハス・実生)始めようという時は、10個ほどの種をカットします。
個体差が有りますので後で選別できるように出来るだけ沢山の種を発芽させます。
(実験してみると種により成長の度合いに大きいばらつきがあります)
種のまますぐに本来の容器(用意した用土)に植え付けても良いのですが、
「発芽した若芽が腐りやすい」ため無事に成長する率が低くなります。
また、成長の良い個体を選別するためにはこの下にある写真程度に育てませんと比較が出来ません。
そこで別容器に水だけをたっぷり入れ、そこで発芽させ、ある程度の大きさに成長させます。
種が多いときは、バケツなど、大きめの容器を使い、毎日足し水をして酸素の補給とします。
(初めの数日は朝晩水を交換すると結果がよいそうです)
通常は水温が上がるように屋外の日当たりの良い場所に容器を置くと5〜10日で発芽します。
(容器は大きい方が結果がよいようです)

場合によっては水中の種に白いカビのようなモノが発生し、若芽にまとわりついて弱い部分が溶けたり(腐る)
成長が鈍くなったりします。
水を交換するなどの課程でいくらか取れますが、無理に取ろうとすると大事な芽まで取れてしまいます。
このような種は実際には少ないのですが、万が一カビが発生したグループの種と、それが保存してあった容器は使用しない方が無難です。
(発芽処理前、種をカットしないでオーソサイド水和剤1000倍溶液に24時間浸す方法もあります。)
カビについてはここをクリックしてください。


左上の写真の尖った形の幼葉は10センチ以上になりますが、水上に出ると枯れてしまいます。
円形の浮き葉が出るまでは幼葉が水上に出ないように注意します。
その後の初期の浮葉(写真左下)も水に浮いているだけでなく、水上に立ち上がると枯れてしまいます。
この茎は細長く30センチ以上になり、相当深く植え付けても水の外へ出たがります。
どちらの葉も毎日注意して観察し、容器が小さい場合は工夫が必要です。
種が酸欠状態にならないように、容器の大きさに応じて水の補充や交換をします。

 

数週間で写真のようになります。
成長の良い個体を選別するためにはこの写真程度に育てると比較しやすいです。

全部が順調に生育するとは限りませんので、特に生育の良い苗を数本選び植え付けます。
今後の生育に大きく影響しますのでこの作業は(沢山の種を発芽させ選別)重要です。

本来の容器に植え付け、日当たりの良い場所に置きます。
種から(大賀ハス・実生)の場合、赤虫対策でメダカを同居させるため、用土は 1〜2週間前にセットし
水を入れて落ち着かせておきます
植え付け時の水の濁りが無くなったらメダカを入れます。

この写真には2本写っていますが右側の苗は種から(大賀ハス・実生)根が出る直前で、左側はすでに根が出ています。
植え付けるタイミングですが、ワイングラスの時期から、写真のように根が出る直前までの間に植え付けます。
用土に植え付ける時期が早いほうが、その後の生育が順調なのですが、赤虫の食害が多かったり選別がしにくかったりします。
根が浮き上がってこないように、また幼葉や初期の丸い浮葉が水上に出ないようかなり深く植えます。
[用土]の項参照

 

写真は植え付後に葉が水面から立ち上がりかけており、一度目の肥料を施します。
量は50リットルの容器で一度に15グラム <--(最初の頃の施肥は半分にします)くらい。
この後は様子を見て月に数回 〜30グラムほどを施肥します。

追肥と同じように葉や茎に触れないように注意して水中に入れます。
葉が黄色くなったり、新しい葉が小さくなったら肥料不足です。

[施肥]の項参照
植え付けた苗が腐敗する場合は、土の中にハスの苗を腐敗させる菌がいます。
何回も腐敗してしまう場合は容器の土をそっくり交換する必要が有ります。


当ホームページでは種から発芽させて育てる「実生」を基本としていました。
実生はレンコンを植え替えるより難しい点もありそれだけ奥深いところがあります。
しかし昨今、実生の場合の交雑による遺伝子の乱れが危惧されています。
このホームページは大賀蓮のページなので遺伝子の乱れは本意ではありません。
今後は交雑の恐れのない「レンコンの植え替え」を基本として進めることにいたします。

遺伝子の乱れについてはここをクリックしてください。

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