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[容器] レンコンがとぐろを巻きやすいように円形で平たい形状が蓮に適しているようです。 その他、古い火鉢、使わなくなった風呂桶や衣装ケース、タルなどナド。 素焼きの容器はハス栽培に適した形状があり、風情もありますが重いのと高価という欠点があります。 春先の植替えの時に、容器を逆さまにして内容物を出すのであれば右手前の白い容器や下の写真のグリーンの容器が便利です。 素焼きの容器は重いのでこのような作業は難しくなります。 写真の火鉢は35センチ〜55センチ、深さ28〜40センチです。 (火鉢の大と中は近くの古道具屋さんで購入しました)
周辺部の幅が広い火鉢では蓮の若芽がそこに迷い込み蓮の容器としては不適当です。
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容器の大きさですが、種から(大賀ハス・実生)始める場合(1年目)、目安は直径30センチです。
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容器の中には強度を保つため、上端部周辺を内側に巻き込むフランジになっているモノがあります。 このタイプは伸びてくる若芽がフランジの溝へ迷い込こみ、出られなくなります。 (蓮の若芽は放射状に周辺に向けて伸びるため) 実は写真の茶色の箱形容器が問題のフランジ持ちで40センチ角です。 若芽が溝に迷い込んでいないか、常時注意していなければなりません。 右の写真はフランジの溝を発泡スチロールで塞いであるのに、隙間に入り込む若芽です。 同様に周辺部の幅が広い大きめの火鉢は蓮の容器としては不適当です。 全体が発泡スチロールの容器も、伸びる若芽が外へ突き抜けるので使えません。 |
鉢栽培が前提なので用土が50リットルの容器の元肥と追肥の一例です。(40*40センチに換算)
製品の袋に記載されているデータなどから必要な量を混合します。
色々なタイプの肥料を試行錯誤しましたが適切な成分の配合が確認できません。
しかし、ハスの根が水中であるため肥料の「効き具合」が緩やかである種類が良いようです。
化成肥料は施肥した量が同じでもその時の天候に(水温)より肥料の「効き具合」が大きく変化し問題がありそうです。
昔から良いと言われている魚粉は「成分」「効き具合」が良いようで、これを中心にいくつかの成分を加えています。
(肥料計画や施肥量については諸説あります。)
[1 年 目 の 肥 料] 1年目は追 肥のみ10回分作ります。 十分な日照が得られる場合は確実で成功しやすい肥料計画です。 肥料の分量は用土50リットルに対し追肥1回分の量です。 品 名 説 明 分量
発酵油粕粉末 油粕、骨粉、魚粉、米糠等が含まれています。 10グラム 他の肥料と混合しますので粉末タイプが便利でしょう。 多少でも苦土(Mg)を含む商品が入手できればベターです。 (有機配合肥料) 魚粉 発酵油粕とよく似ていますが、魚粉は必須です。 10グラム リンカリ肥料 「東商」というメーカーの製品には窒素(N)、 4グラム 燐酸(P)、カリ(K)、苦土(Mg)が 0 ・ 25 ・ 11 ・ 3 の割合で含まれています。 有機石灰 必ず有機石灰を使用します。 5グラム 備 考 (追 肥) 肥料が粉末と粒などと大きさが違う場合、良く混ざりません。 それぞれの必要な量を量り、1回分ずつ布のようなモノに包んで 10回分程度を作っておきます。 台所のコーナーで使う水切り袋(不織布)を袋状にした中へ入れておきます。 分包でなくまとめて作りたいところですが、施肥の時に成分が偏ってしまいます。 量については、値は大まかなモノとお考えください。 製品により違いがありますので、袋に記載されているデータを参考にしてください。 容器の大きさは様々ですから、使用量は適宜換算してください。 生育期に月数回、一回は〜30グラム前後を施肥します。 有機石灰も5グラム程度も加えます。 種から(大賀ハス・実生)の1年目は追肥だけです。用土を敷き混むときの元肥は不要です。 [施肥]の項参照
[2 年 目 以 降 の 肥 料] 肥料の分量は用土50リットルに対する元肥の量です。 品 名 説 明 分量
発酵油粕粉末 油粕、骨粉、魚粉、米糠等が含まれています。 50グラム 他の肥料と混合しますので粉末タイプが便利でしょう。 多少でも苦土(Mg)を含む商品が入手できればベターです。 (有機配合肥料) 魚粉 発酵油粕とよく似ていますが、魚粉は必須です。 50グラム リンカリ肥料 「東商」というメーカーの製品には窒素(N)、 20グラム 燐酸(P)、カリ(K)、苦土(Mg)が 0 ・ 25 ・ 11 ・ 3 の割合で含まれています。 マグアンプK 窒素(N)、燐酸(P)、カリ(K)、苦土(Mg)がバランス良く含まれています。 緩効性の肥料なので元肥として使用します。 マグアンプが必要なのは蓮根からスタートの 2年目以降の元肥用だけです。 中粒を80グラム 有機石灰 必ず有機石灰を使用します。 50〜100グラム 備 考 (元肥) 2年目以降用土50リットルの元肥は合計約 200グラムと有機石灰を50〜100グラム。 「50リットルあたり**グラム」と記載しましたが、量については、値は大まかなモノとお考えください。 製品により違いがありますので、袋に記載されているデータを参考に、自分の状況に当てはめてください。 容器の大きさは様々ですから、使用量は適宜換算してください。 [施肥]の項参照
2年目以降の追肥
上記とほぼ同じ割合でマグアンプを除いたモノを作ります。 下記が数字が1回分です。 発酵油粕 10グラム 魚粉 10グラム リンカリ肥料 4グラム 有機石灰 5グラム (1年目の肥料とまったく同じです) 1回分を、台所のコーナーで使う水切り袋(不織布)を袋状にした中へ入れておきます。 追肥などは分包でなくまとめて作りたいところですが、施肥の時に成分が偏ってしまいます。 生育期と花後に月に数回、一回は〜30グラム前後を施肥します。 有機石灰を5グラム程度も加えます。 [施肥]の項参照
[用 土] 用土50リットルの内訳です。 品 名 説 明
黒土と腐葉土 大賀蓮を栽培するためには、用土として黒土4と腐葉土1が必要です。 (深さ30センチ) 有機石灰 苦土石灰、石灰等、色々ありますが必ず有機石灰を使用します。 専門家のお話では蓮栽培に適したphは6.4〜6.8だそうです。 phメーターで測定すると使用する用土により混入後のphが違います。 量については幅を持たせて考えてください。 50〜100グラムを上記の用土に混合します。 [用土]の項参照
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肥料の量について |
肥料のタイプにより効果が現れる速さに大きな違いがあり、種類によっては速さの差が10倍にもなるそうです。 化成肥料にはゆっくり型、通常型、速効型があり、油粕や魚粉、配合肥料などはゆっくり型です。 (正確には製造メーカーに確認しなければ分かりません) 温度にも大きく影響を受け、猛暑の時は非常に速く効果が現れ、その結果肥料が多すぎる状態になります。 植替え後の成長期に(4〜6月)日当たりが悪い場合、根の発達の遅れと容器の水温があまり上がらないため肥料の種類によっては十分な量を施肥してあるのに肥料不足状態になります。 いくつかの鉢で実験しましたが、日当たりの差と肥料の違いなど、状況によりこの時期の成長に大きな差がありました。 (植替え後から初夏まで成長の良かった個体が開花しました) このホームページで記載した量は、記載してある肥料の平均的な量なので、夏場は葉の様子を常に観察して肥料過多状態にならないよう注意します。 もしそのような兆候があったら、何度か水を交換し肥料の濃度を下げ、猛暑の間は追肥の量を通常の半分くらいにします。 逆に毎日の水やりが多いと容器から溢れるため肥料分が流出しますので、通常の量では肥料不足の状態になります。 (蓮のためには毎日溢れる程の水やりが良いとされています) 結局どのように追肥をしたらよいのか判断に迷うことになります。 毎日ハスの観察をしていて肥料不足の気配がしたら、倍くらいのペースで追肥をします。 この追肥の加減は今年だけでなく、来年の開花にも影響し非常に重要です。 しかし、自然の中のハスは理想的とは言えないような色々な状況や環境で咲いています。 日照が十分でない城の堀や気温の低い地方でもハスは咲きます。 どのような肥料が開花しやすく、一般的で扱いやすいかを現在調査中ですが、当ホームページでは魚粉を中心とした有機系のタイプが良い結果が出つつあります。 (この記載は[施肥]の項と重複) |
苦土石灰 |
石灰(CA)、苦土(Mg)の補強には一般的な肥料ですが、 強アルカリのため、化成肥料などと一緒に使用することが出来ません。 どうしても苦土石灰を使用するときは単体で施肥してから1週間位 たって、他の肥料を使用します。 蓮根の植え付け時の元肥は2度手間になり、追肥には使いにくいので、 当ホームページでは使用しません。 |
マグアンプK |
窒素(N)、燐酸(P)、カリ(K)、苦土(Mg)がバランス良く含まれています。 肥料そのものに根が到達しないと、吸収できない構造になっているので 使用する場合は元肥として使用します。 4〜6月の成長期に日照が十分でない場合は効果が遅れるようです。 マグアンプは水中では窒素分が解け出しやすいので、大粒(2年用)を 使った方が良いと言う人もいます。 用土1リッターにつきマグアンプ2〜4gです。 |
硫酸苦土
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イオウ(S)、苦土(Mg)が含まれています。 これが入手出来る方はこちらを使ってみてください。 50リッターの用土に対し元肥のマグアンプの替わりに20グラム、追肥は3グラム。
園芸店に無い場合が多いので入手先は下記です。 |
[種・発芽]
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発芽させるため、植木ばさみやカッターなどで、写真のように種をカットします。 種のどちら側をカットして良いのか分かりにくい場合は両側をカットすれば良いでしょう。 |
種から(大賀ハス・実生)始めようという時は、10個ほどの種をカットします。 個体差が有りますので後で選別できるように出来るだけ沢山の種を発芽させます。 (実験してみると種により成長の度合いに大きいばらつきがあります) 種のまますぐに本来の容器(用意した用土)に植え付けても良いのですが、 「発芽した若芽が腐りやすい」ため無事に成長する率が低くなります。 また、成長の良い個体を選別するためにはこの下にある写真程度に育てませんと比較が出来ません。 そこで別容器に水だけをたっぷり入れ、そこで発芽させ、ある程度の大きさに成長させます。 種が多いときは、バケツなど、大きめの容器を使い、毎日足し水をして酸素の補給とします。 (初めの数日は朝晩水を交換すると結果がよいそうです) 通常は水温が上がるように屋外の日当たりの良い場所に容器を置くと5〜10日で発芽します。 (容器は大きい方が結果がよいようです)
場合によっては水中の種に白いカビのようなモノが発生し、若芽にまとわりついて弱い部分が溶けたり(腐る) |
数週間で写真のようになります。 成長の良い個体を選別するためにはこの写真程度に育てると比較しやすいです。 全部が順調に生育するとは限りませんので、特に生育の良い苗を数本選び植え付けます。 今後の生育に大きく影響しますのでこの作業は(沢山の種を発芽させ選別)重要です。 本来の容器に植え付け、日当たりの良い場所に置きます。 種から(大賀ハス・実生)の場合、赤虫対策でメダカを同居させるため、用土は 1〜2週間前にセットし 水を入れて落ち着かせておきます 植え付け時の水の濁りが無くなったらメダカを入れます。
この写真には2本写っていますが右側の苗は種から(大賀ハス・実生)根が出る直前で、左側はすでに根が出ています。
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写真は植え付後に葉が水面から立ち上がりかけており、一度目の肥料を施します。
[施肥]の項参照
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