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大賀ハス事始 2ページ
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[植替え]
植替後、2.5ヶ月です。(5月末)
写真左のレンコンを3株植えましたが成長がこんなに違います。
レンコンのどの部分を植えるか難しいところです。
赤丸の対応する数字が植えた部分です。


一番立派なAのレンコンを使いたくなりますが開花が少ない事が分かりました。
結果からするとBのレンコンが最も開花が多かったのですが@とどこが違うのかはかは良く分かりません。
翌年の植替の時に4個の容器のレンコンを観察しましたが最も太いレンコンしか分かりませんでした。



花芽は立派な葉になりそうな太い茎のそばに出ます。(写真左の赤丸)
花芽の成長は速く1日に10センチくらい伸び、気温にもよりますが2〜3週間で開花します。


花芽が5センチくらいで成長を停止し色が黒ずんで
腐ってしまう場合が時々あります。
順調に花芽が出て開花が続いているさなかにも発生します。
原因ははっきりしませんが花芽の数が少ないときには
ショックです。




この花芽は30センチ以上に成長した後腐ってしまいました。
通常は10センチまで成長しないうちにダメになるのですが珍しいです。







蕾が半開きに開花する日、開花する日、散る日とわずか3日間の命です。
ちゃんと開花しているのは朝方です。


8月末、開花が終わった状態です。
この後、緑色の葉が元気なうちは追肥を続けます。
植替の時に容器のどの部分のレンコンを使用するかがポイントです。




このページのレンコンの写真はそれぞれ別の個体です。
上の写真はグリーンの丸い容器、下は四角い容器です。
これで見てもハス栽培は円形の容器を使用するべきですね。
下記は植替の様子です。


秋になると葉は枯れてきますが、泥中に蓮根が成長しています。
これをそのままメダカとともに越冬させます。
水深は5〜センチを保ち、蓮根が凍結しないように状況に応じて管理します。

翌年は3月中頃〜4月末までに植替えします。
ハスの蓮根は一般に3月頃、冬眠状態から目覚めて成長を始めます。
通常、植替えの時に伸びすぎた蓮根の一部カットしたりします。
そこから細菌が入るためか、植替えと目覚めまでの間に時間が有りすぎたり、
この間に凍結すると腐ることがあるそうです。
それとは別に、蓮根を掘り出した後、植え付けないまま数週間も水に入れて置くと腐ってしまいます。

4月になると蓮根の成長が始まっていて若芽がかなり伸びています。
この場合、掘り出すときに若芽を折らないようにします。
写真上は春に容器から取り出した1年目の蓮根で、ご覧のように3株あります。

蓮根 この様な状態のばあい周辺部の太い大きな部分よりも、内側にある伸び盛りの先端部分3節くらいを使うのが良いそうです。
この年の開花の結果ではその通りでした。
しかし周辺部の太い部分以外のどのレンコンを使用すればよいのかはっきり分かりませんでした。
場所など可能であれば容器を2個使い2番目と3番目の大きさのレンコンを植えれば多くの開花が期待できそうです。


春に容器の蓮根を掘り起こす時は、うっかり指で触れて泥中のもろい若芽の先端を,欠いてしまわないように注意します。
いくつか方法が有ります。


(1)容器を横にしてホースで、勢いよく水をかけると土だけを流し出せます。
   この場合、確実でよいのですが大量の泥水が発生します。

(2)手で容器の泥を取りだす方法は大変そうですが、場所が無いときは確実です。
   

(3)場所が有れば、ビニールシートなどを敷いた上に容器を逆さまにします。
   こうすると容器の底にとぐろを巻いている蓮根が一番上になって現れます。
   この方法が最も適しています。

植替え時には古い泥土がかなり出ます。
蓮は毎年の植え替えが望ましいので、アパートやマンションにお住まいの方は、工夫しないと無理かもしれません。

若い芽を傷つけないよう注意しながら良く水洗いし、写真のように先端部の3〜4節ほどを切り離します。
開花のためには植替の時、蓮根の間引きと有機石灰や腐葉土の混入は省略できません。

植替 1〜2月等の早期の植替には蓮根の消毒も実行した方がよいようです。
腐敗予防のため、取り出した蓮根を良く水洗いし、50倍の石灰乳に30分ほど浸してから 植え付けます。(消石灰(有機石灰にアラズ) 1 に対し 水 50)

または、オーソサイド水和剤を用土50リットルあたり1グラムほど、用土に散布します。
オーソサイドは簡単でよいのですが、水産動物に強い影響があり
同居の「メダカが死ぬ」可能性があります。


写真は植え付ける時の模型的な図です。
位置関係を示していますので、容器と蓮根の大きさの関係は無視してください。
蓮根本体は上部が余り水面近くにならないよう、下部が底近くにならないよう角度を調整します。
用土が50リットルの容器の場合、成長の良い蓮根を一つだけ植えます
複数の蓮根を植えますと花が咲きにくくなります。

一年目の植替えは必ずしも必要ありません。
しかし、植替えすれば蓮根の成長が確認でき、新しい用土のセットをする事が出来ます。
蓮根が親指の太さ以上に成長していれば問題アリマセンが、成長の悪い場合もあります。
極端に細い蓮根は使用しないで再度、種から(大賀ハス・実生)発芽させます。

花を咲かせるタメの容器栽培では、2年目以降毎年の植替えをする事で多くの開花が期待できます。
増えた蓮根を間引きし(50リットル程度の容器栽培ではレンコンは1つ)、用土を新しくして元肥や有機石灰、腐葉土の混入します。

[用土]の項参照

容器を使用せず、池などに植える時は3.3平方メートルに2〜3株植えます。
たくさんの蓮根を植え付けますと、夏になって葉の数だけは沢山になりますが花が咲きません。

植替

[用土]
用土として黒土4と腐葉土1が必要です。
この用土50リットルに対し有機石灰約50〜100グラムを混合します。
容器に用土を敷き混む時は黒土と腐葉土、有機石灰を混ぜてしまえば良いわけです。 

1年目と2年目以降では、肥料の施し方は違います。

1年目の[種・発芽]の項にある苗を植え付ける場合です。
左の図には肥料が描かれていますが、苗植え付け時、
元肥を含め肥料は一切必要ありません。
容器に用土を必要量入れて(深さ30センチ)、苗が浮き上がらないように
かなり深く植え付けてから水を入れます。(レンコンの図は2年目以降の状態です)
水深10センチとすると、さらに土中に10センチ、種の位置は水面から20センチほどの
深さでしょうか。
深めの植え付けの理由は、
根の浮き上がり、赤虫対策、幼葉が水上に出る、
初期の浮葉が立葉になる、等の対策のためです。
(水の上に出た幼葉や、立ち上がった浮葉(丸葉)は枯れます)
この茎は50センチ以上になり、容器が小さい場合は工夫しないと水の外へ出てしまいます。

下記は2年目の蓮根植え付け時の手順です。

1)用土を入れる前の容器の底や周辺部に元肥を施肥します。
2)その後にサンドイッチ状に(または混合済み)の用土を数センチ入れます。
   (蓮根と肥料が接触しないため用土を少し入れます)
3)蓮根の上下を確認し(間違えやすい)図のように斜めにセットし、一つだけ植えます。
  この図では蓮根の上部が水面近くになっていますが、
  初期の浮葉の浮き上がり防止のためあまり浅くならないよう、
  下部は深くなりすぎないように蓮根の位置を調整してください。
  4)用土を予定の量入れます。(深さ30センチ)
5)水を入れます。

腐葉土が下から浮いてきますので、赤虫やボウフラ対策にメダカを同居させる場合は
上部に赤玉土(細粒)などの重い土を2センチほど敷き混むとゴミの浮き上がりを防げます。


[施肥]
「用土50リットル(40*40センチ)あたり約***グラム」と表現してありますが、
当ホームページは容器栽培のみであるのと、池などであっても蓮は浅く広く生育するので、
施肥する場合の用土の深さによる、この値の影響は考えていません。
1年目の施肥
種から(大賀ハス・実生)スタートの場合は追肥のみです。
容器に用土を敷き混む時でなく、葉が水上に立ち上がった頃に初めて施します。
(最初の頃の施肥は半分にします) 「ハスの肥料」で作った肥料を、用土50リットルあたり15グラムくらいです。
(表の右端の薄いグリーンの欄「追肥」から)
葉や茎に触れないように水中に入れます。
(頻繁な水やりで毎回大量に溢れると肥料不足の可能性があります)
この後は葉の様子を見て追肥を施します。
元肥

2年目以降で、蓮根からスタートの場合は元肥が必要です。

「ハスの肥料」で作った肥料を元肥として、用土50リットルあたり約200グラムと有機石灰を50〜100グラム。
(表の薄いブルーの欄「2年目以降の元肥」から)

用土を入れる前の容器の底や周辺部に施肥します。
(蓮根と肥料が直接接触しないように注意します)

追肥

1年目、2年目とも追肥が必要です。

生育期や花後には用土50リットルあたり30グラムくらいの量を様子を見て与えます。(月に数回)
この時に有機石灰も5グラム程度与えます。
1年目も2年目も、立ち葉が数本出た頃に最初の追肥を与えます。(この頃は通常の追肥の半分の量)
その後は、本来は落ち着いた緑色の葉がやや黄色くなったり、(苦土(Mg)等の不足で葉緑素が減少)
葉の周囲が上に丸まるなどの肥料不足の様子があれば、適宜追肥をします。
逆に追肥が多すぎたり、肥料が根に近すぎて根ぐされを起こすと、
葉が黒くなる、中心部分が枯れる、葉の周囲に黄色っぽい斑点が出来たり雨傘のように下にたれるなどの現象が置きます。
最近のように夏場、猛暑が続くと肥料の分解が速く進み、肥料多すぎ状態になります。
魚粉などを中心とした肥料の場合は効果が緩やかなのでこの点では比較的安心です。
ただし、このタイプの肥料の追肥は効果が出るまでに少し時間がかかりますから「月に数回」のペースでコンスタントに施肥しておいたほうが無難です。
追肥の場合も肥料がハス本体に直接触れないように注意して水中に沈めます。
(土の中に埋めたくなりますが、泥中全体にハスの根が這っています)
しかし頻繁な水やりで毎回大量に水が溢れると肥料不足になる場合もあります。
毎日ハスの観察をしていて肥料不足の気配がしたら、倍くらいのペースで追肥をします。
この追肥の加減は今年だけでなく、来年の開花にも影響し非常に重要です。

備考

それぞれの肥料の状態が違うために、混ざりにくい事があります。
分包でなく1つの容器に沢山作り置きをして、後日そこから小分けしましたが上手くいきません。
元肥もそうですが、特に一回30グラムの追肥は、1回分づつ作っておいた
ほうが良いかもしれません。
メダカが魚粉などを食べてしまわないように、実際に追肥を与えるときは
そのまま水に撒かないで、1回分を布のようなモノに包んで水中に入れます。
当メダカの学校では、台所のコーナーで使う水切り袋(不織布)袋状にした中へ 肥料を入れ水中に沈めます。
追肥の時には一回5グラム程の有機石灰を加えて施肥します。

肥料の量について

肥料過多?
肥料のタイプにより効果が現れる速さに大きな違いがあり、種類によっては速さの差が10倍にもなるそうです。
化成肥料にはゆっくり型、通常型、速効型があり、油粕や魚粉、配合肥料などはゆっくり型です。
(正確には製造メーカーに確認しなければ分かりません)
温度にも大きく影響を受け、猛暑の時は非常に速く効果が現れ、その結果肥料が多すぎる状態になります。
植替え後の成長期に(4〜6月)日当たりが悪い場合、根の発達の遅れと容器の水温があまり上がらないため肥料の種類によっては十分な量を施肥してあるのに肥料不足状態になります。
いくつかの鉢で実験しましたが、日当たりの差と肥料の違いなど、状況によりこの時期の成長に大きな差がありました。
(植替え後から初夏まで成長の良かった個体が開花しました)
このホームページで記載した量は、記載してある肥料の平均的な量なので、夏場は葉の様子を常に観察して肥料過多状態にならないよう注意します。
もしそのような兆候があったら、何度か水を交換し肥料の濃度を下げ、猛暑の間は追肥の量を通常の半分くらいにします。
逆に毎日の水やりが多いと容器から溢れるため肥料分が流出しますので、通常の量では肥料不足の状態になります。
(蓮のためには毎日溢れる程の水やりが良いとされています)

魚粉系の肥料は気温・水温に対する効果が緩やかなので、これらの点では比較的安心です。
このタイプの肥料の追肥は効果が出るまでに少し時間がかかりますから時期には「月に数回」コンスタントに施肥してください。
しかし、自然の中のハスは理想的とは言えないような色々な状況や環境で咲いています。
日照が十分でない城の堀や気温の低い地方でもハスは咲きます。
どのような肥料が開花しやすく、一般的で扱いやすいかを現在調査中ですが、当ホームページでは魚粉を中心とした有機系のタイプが良い結果が出つつあります。


肥料を沢山与えた方が良い種類のハスもあるが大賀ハスは少な目が良いなど施肥の量には諸説あります。
ここに記載した量の「2倍」または逆に「1/2」くらいが良いとする方もいます。
元肥を少な目にして、追肥を何度も与えた方が良いとする方もいます。
(日高市のNさんはこの方法で花を咲かせました。)
当ホームページの施肥は「元肥少な目、追肥を回数多く」の傾向です。
(どのようなタイプの肥料がよいかについては諸説がありますが、昔から良いと言われている魚粉は「成分」「効き具合」が良いようです。)
成長期に入った大賀蓮の葉の状態はいつも注意しています。

植え替え時、古い土は出来るだけ使用せず、新しい用土だけを使用します。
専門家のお話では、泥中の微量成分が無くなっているので、新しい土を使用した方が良いとの事です。

[水やり]
栽培中の蓮の水やりについては、容器に水が十分あっても毎日やります。
葉にも水をかけ、泥中にも酸素が行き届くように泥がまき上がるくらいに勢いよく水をやります。
下記の[日照]の項にもありますが、夏は水の減りが速いので特に注意してください。
蓮は夜間に成長するため、夜間の水温を下げないようになるべく朝やります。
(夕方も水やりの場合はバケツなどに朝から汲み置きして水温を上げておきます)
肥料中の塩分が容器中に蓄積するので容器から少々流れ出すようにあげます。
しかし容器から溢れる水のため肥料分が流出しますので、肥料不足状態にご注意ください。
施肥の間隔、水温、溢れさせる水の量、肥料タイプ、これらのかねあいで水中の肥料状態が変わります。
葉の状態には常に注意します。
[用土のph測定]
写真左の容器中のphを測ります。
試験的に水だけを容器に採取し、phを測ると7.3でした。
泥をカップに採取しましたが、このまま測定するのはデリケートなphメーターの検出部が心配です。
(水中と土中のphは多少違うらしい)
そこでハスの容器の水を加えてかき混ぜ、ドロドロにしてから測定すると6.8でした。(写真右)
今年は石灰も混入していないので、用土もやや酸性に傾いています。

石灰を入れた時はしばらくしてから測定しないと、石灰の水溶液を測っている事になります。
写真のphメーターは大きな熱帯魚屋さんで購入しました。(本来はメダカ用です)

専門家のお話では蓮栽培に適したphは6.4〜6.8だそうです。

[日照]
ハス田は理想的な場所で一日中日が当たっています。
容器で栽培する場合も十分な日照と水温の上昇は必須で、「1日中の日照が順調な開花につながります。」
蓮根の生長が始まる4〜6月の日照は特に重要で、この季節に十分な日照と水温の上昇が無い場合は順調な開花が期待できません。


この頃、日照そのものだけでなく、日照による水温の上昇により肥料の分解が促進され、初夏の開花につながります。
(十分な日照のタメ、容器の置き場所は一番重要なポイントになります)
春先から初夏にかけて、日照が十分でなく水温の上昇の少ない場合の元肥と追肥、
盛夏になり水温が高くなってからの追肥(花後)も工夫が必要です。
この頃に、蓮の葉がシミ等できたなくなります。
気温の高さが葉に影響を与えているのか、肥料が早く溶けるため肥料過多状態になるためか、または古い葉と新しい葉が切り替わる時期なのか、それぞれ可能性があります。
一度に施肥する量を少な目にし、葉や蓮根の生育のため窒素分を充分に与えます。

盛夏になり葉が大きく成長しますと、容器栽培では水がとても速く減ります。
メダカを同居させている時は、特に水の補充に注意します。


[害虫・病気・その他]
[種・発芽]の項で無事に成長する確率は0%に近い場合から100%に近い場合までと、大きな差があります。
うまく生育しない場合、同じ用土を使い何度試みても失敗をします。
反対にうまく生育する場合は、何度やってもうまくいきます。
専門家のお話では「泥中に、ハスに有害な何かが存在するのでは」との事です。

種から(大賀ハス・実生)始める場合、気温が高くなると赤虫がハスの容器に発生します。
この虫が発芽成長中の種の開口部から入り込み、柔らかい内容物を食べてしまいます。
以前はスミチオンを薄めて使用しましたが、現在はメダカを同居させることで解決しています。
(スミチオンの場合、しばらくするとまた発生します。
[赤虫]の項)

この様な葉を見かけた場合、必ず犯人が近くにいます。
この場合は青虫が葉の裏側、縁にいました。
探して取り除かないと大切な葉がどんどん食べられてしまいます。


写真の浮葉は青虫や毛虫の食害にあったケースです。
青虫の場合は葉脈がレ−ス状に残り、毛虫は葉脈が残りません。
青虫などを見かけたら、ピンセットなどを使い取り除くか、市販の殺虫剤を使用します。
この他、ハスに付く害虫で多いのは、アブラムシです。
これには、市販のアブラムシ用の殺虫剤が使用できます。
(ディプテレックス乳剤1000〜1500倍を使用)
容器にメダカが同居している場合、薬品は使用せず手で取り除きます。

写真は葉の周辺から灰色になり水分が無くなり枯れてしまいそうです。
(写真中央の上下2まいの葉だけで他は無事です)
専門家のお話では、「土中の菌が原因ではないか」との事でした。
この葉の茎の部分(根の所)に肥料を配置したために発生したというお話しもありました。
当メダカの学校では初めての現象ですが、知り合いの所でも同じような事例があります。
原因が特定できませんので、植替え時の蓮根の消毒や、種の消毒なども実行し、カビが発生した種は 後日余計な心配を抱え込まないよう、使わないようにします。
施肥するときも肥料が根に直接触れないように注意します。

成長したハスは滅多に病気になりませんが、
容器栽培の場合、苦土(Mg)が不足すると「腐敗病」になります。
植替えの時、取り出した蓮根を良く水洗いし、50倍の石灰乳に浸す、
または、オーソサイド水和剤を用土に散布します。
([植替]の項)

まれに、ハス田全体がダメになる「腐敗病」が発生することがあります。
この病気が発生すると対処する方法が無く、そのハス田は全滅だそうです。

[赤虫]
大賀ハスの観察日記の「1998年 大賀ハスのはじまり」にもありますが、
初夏の頃に写真左の赤虫がハスの容器に大発生しました。
この虫が発芽成長中の種の開口部から入り込み、柔らかい内容物を食べてしまいます。
赤虫が問題になるのは、1年目、発芽した苗が泥中に根を張り成長する前のこの時期だけです。

ハスの栽培を始めた1年目はスミチオンを薄めた液を使いました。
しかし、一時的に全滅しても、しばらくするとまた大発生です。
そこで翌年からは、容器にメダカを入れたところ、赤虫は殆ど食べられてしまったらしく、滅多に姿を見かけなくなりました。 メダカ様々です。
左の写真は発芽時にカビにやられ成長が止まってしまいましたが、同時に赤虫にも内容物を食い荒らされています。


[メダカ]

メダカを容器で飼育する場合、普通は適当な間隔で容器内の掃除をします。
しかし、ハスの容器内の掃除は出来ませんので、年間を通して足し水だけです。
亜硝酸塩、硝酸塩、ph 等の値を何度も試験紙を使い測りましたが、ホドホドの所に収まっています。
小さな池と同じで、メダカに有害な窒素化合物が微生物に分解されたり、 植物に吸収されているということでしょうか。

用土は あらかじめセットし水を入れておき、苗が生長したら植え付けをします。
([種・発芽]の項参照)
春から夏にかけて、何度か化成肥料や配合肥料を与えましたが、メダカが弱る等の事はありませんでした。
(肥料の影響がありますので、いつもメダカの様子を見ています)
この辺りの事情に詳しい方、おいでになりましたら教えてください。

餌については水槽のメダカと同じように与えています。
メダカは水温が15度以下になると動きが鈍くなり、あまり餌も食べなくなります。
5度以下になると底の枯葉の陰などで冬眠状態でじっとしています。
1度以下になると死んでしまいますが、容器の表面に氷が張ったくらいでは死にません。

自分の住んでいる清瀬市では、「霜が直接あたらない場所に容器を置く」程度の事をしています。
表面に薄氷が貼りますが、枯葉などの物陰でハスとともに越冬します。
清瀬市ではこのようにして冬を生き延びますが、寒い地方では凍結対策が必要かもしれません。




写真左は2000年8月の様子で、 3年目でしたが花は咲きませんでした。
1昨年の植替え時に蓮根を2本植え込み、しかも今年の春は植替えをしていません。
モヤシのように沢山の葉が出ています。
写真右は町田市の大賀藕絲館のハスです。
拡大表示して比較してみてください。


●専門家のお話では、花が咲かなかったのは下記が原因ではないかとの事です。

  ○植替えをしなかったため、蓮根を間引くことが出来ず、蓮根の多すぎ。
    「日照」「肥料」「植替」をほぼ理想的だったのに「間引きを」しなかったため
     開花しなかった例が複数有ります。
  ○植替えをしなかったため、用土が2年目で微量成分が不足。
  ○植替えをしなかったため元肥として苦土(Mg)、イオウ(S)、有機石灰等を混入させなかった。
  ○春から初夏の日照時間が大きく影響しているらしい。
     容器の水温の状態が泥中の肥料の分解に大きく影響しているようです。


容器栽培でなく、ハス田の場合も植替えをした方が結果がよいそうです。
蓮の茎には葉から泥中の蓮根に通ずる空気穴があり、普通の植物のように
植替えをしなくても、酸欠にはなりにくいそうです。
また、ハス田では植替えをしない年も、肥料と石灰は施します。
それでも植替えをした方が結果が良いのは、蓮根を間引きするからではないかとの事です。
容器栽培の場合、「植替」と「間引き」は必須です。


4年目の夏、やっと花を咲かせることが出来ました。
(真性な大賀蓮は雑草に弱く、普通の蓮より開花しにくいそうです)
ここには自分の体験と、先輩や専門家のお話を整理して記載しました。
大賀藕絲館の梅原さん、色々と教えてくれた皆さん
アリガトウございました。

基本的には「独断と偏見」で書いております。
記載してある事でお気づきの事が有りましたら御一報ください。

ご協力いただきました方々に感謝!

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