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No.105 中山峠
八ヶ岳周辺は未だ梅雨があけておらず、天気予報は雨又は曇りの予報でしたが、久しぶりにしばらくのんびり過ごせるので、天気予報が外れるのを期待して出かけました。しかし、残念、予報どおりの雨になり、雨の中の山行になりました。

日時 2008年(平成20年)7月7日(月)〜8日(火)
天候 7月7日 曇
    7月8日 雨
同行 なし

7月7日 所要時間
みどり池入口バス停(10.20) ←55分→ (11.15)昼食(11.40) ←1時間5分→ (12.45)そらびそ小屋
7月8日 所要時間
しらびそ小屋(6.30) ←1時間25分→ (7.55)中山峠(8.00) ←10分→ (8.10)黒百合平(8.15) ←5分→ (8.20)中山峠(8.20) ←1時間10分→ (9.30)しらびそ小屋(10.00) ←1時間10分→ (11.10)みどり池入口バス停(11.10) ←10分→ (11.20)稲子湯

山行概要

7月7日
八ヶ岳はこれまで何回か登りましたが、佐久側から登ったことは未だ一度もありません。今回は佐久側から登ってみることにしました。出かける前は、稲子湯から登って、しらびそ小屋に泊まり、翌日ニュウ経由で渋の湯へ下るルート考えていましたが、前回の八ヶ岳の山行と同じく、今回も峠まで登って帰ってくることになりました。
みどり池としらびそ小屋
みどり池としらびそ小屋
いろんな種類の鳥の鳴き声が聞こえる。小屋の餌場にはウソが頻繁に来て餌をついばんでいた。
我家を早朝出発して佐久平まで長野新幹線を利用すると、JRの小海駅に午前9時15分に着くことができます。10分の待ち合わせで、町営のバスがあり、これに乗って稲子湯に向かいました。小海駅から稲子湯まで、延べ10名ほどの乗客の乗降りがありましたが、途中の八峰の湯(ヤッホーの湯)で皆降りてしまい、以後稲子湯まで乗客は私一人でした。終点の稲子湯でバスを降り、登山カードを提出して歩き出そうとすると、バスの運転手に声をかけられました。一つ隣の停留所(みどり池入口)が登山口になるので、そこまで乗せてくれるとのことです。お礼を言って乗せてもらいました。
バス停の脇にある導標の示す方向を見ると、林道入口のゲートがあります。ゲートをくぐるとすぐ橋があり、その向こうに導標が立っています。この導標に従って林道をそれ、少し歩くと再び林道が現れました。この後もう1回林道をショートカットして、再び林道を歩くとみどり池方向を示す導標が現れますので、導標に従いここで林道を左折して、沢沿いに歩きます。このあともしばらく車が通れる広い道を歩くと、またみどり池方向を示す導標が現れ、導標に従って左折すると、やっと登山道らしい道に変わります。道は緩やかな登りで歩くのがはかどります。気持ちよく歩いていると、道の様子が変わりました。ふみ跡はありますが、両側から下草が迫ってきて、獣道のような感じになり、更に進むと左手の沢床に下りてしまい、その先で道がなくなりました。道をどこかで間違えたようです。持参したGPSで最も近いウェイポイントを見てみると100mほどしか離れていませんが、方向は自分の考えとずれています。気を取り直し、少し後戻りして、沢へ下るのとは逆に上へ登るふみ跡を少し辿ると、登山道に出ることが出来ました。やれやれです。
登山道に出て少し歩き、使われなくなったトロッコのレールが道に現れ始めたところで昼食にしました。いつもなら、湯を沸かすのですが、今回はその気にならず、東京駅で買ったおにぎりをほおばり、水で流し込みました。あたりはダケカンバとカラマツの透き通るようなみどりが目を楽しませてくれます。7月に入りましたが、まだ新緑のみずみずしさが失われていません。少し前までうるさかった沢音が聞こえなくなり、代わって鳥のさえずりが耳に入ってきます。
昼食の一休みが終り、再びトロッコのレールが残る道を歩き始めました。しばらく歩くと小さな広場が現れました。広場の脇の立木にかけられた標識に、”ここはこまどり沢、みどり池 はっても30分”、と表示されています。ここで登山道はトロッコ道を一時外れ、急になります。一汗かいたところで、目の前に”しらびそ小屋2分”と表示した標識が現れ、平坦なトロッコ道に合流しました。標識どおり、平坦な道を2分も歩くとしらびそ小屋が現れました。
小屋に着いて受付を済ませ、一息入れていると、昨晩この小屋に泊まり、東天狗岳に登って下ってきたという夫婦連れのパーティーが休憩に立ち寄ったので、少し雑談をして時を過ごしました。夕食は午後6時とのことですので、この後しばらく小屋番に教えてもらった小屋の周りで花の写真を写し、自分の寝場所でウトウトしていると夕食になりました。夕食後小屋の主と少し雑談をして、7時ごろ自分の居場所に戻り、荷物を整理して眠りにつきました。この日の泊り客は私一人でした。

7月8日
セットした携帯電話の目覚し音で午前5時に目が覚めました。小屋の窓から外を見ると雲ってはいますが、天狗岳の稜線に雲はかかっていません。昨晩小屋の主が言っていたように、天気が良くなることを期待して、出発の準備を始めました。ところがこれはつかの間のぬか喜びで、この後どんどん雲が沸きだし、6時の朝食を始めた時は、みどり池のすぐ上まで雲が下りてきて、しかも雨がパラパラ降り出しました。外の景色を気にしながら食事をしましたが、結局食事中に雨は本降りになってしまいました。
ルートマップこんな天気の中を歩く気にはなれません。そうかといって、このまま下山するのも、少々残念です。いずれ雪のある時期に来るかもしれないことを考え、中山峠まで行ってみることにして、ザックを小屋に預け、空身で雨の中を歩き出しました。こんな雨の中を歩くのは3年前の悪沢岳以来です。
小屋を出るとすぐ本沢温泉への分岐があり、ここを過ぎるとまもなく中山峠を示す導標が現れます。中山峠へは導標の示す右方向に道を取りますが、トロッコ道はここを真っ直ぐ更に森の奥へ伸びていました。この導標を過ぎると、やがてダケカンバが目立つようになります。大きなダケカンバの林をを越え、再び針葉樹林へ入ると雨霧の合間に上の稜線が見えたように思えたので、もう峠かと思いましたがこれは間違いで、針葉樹林の中の道はしばらく続きました。

やがて、きつい登りが始まり、ひとしきり登ると前方に小さな草地が現れ、登山道は一度この中に入り、スイッチバックのように再び林の中に戻ります。すると固定鎖が現れ、これを越えるとまた固定鎖が現れ、その上が中山峠でした。雨は小降りになりましたが冷たい風が少し吹いています。この風が火照った体になんともいえない心地よさを感じさせます。視界も少し開けて、天狗の鼻も見えるようになりました。折角なので、黒百合平まで行ってみましたが、撤収中のテントが2張りあるだけで、特にこれといったものはありませんでした。
一瞥の後もと来た道を引き返し、しらびそ小屋でコーヒーを頼んで一休みして、下山の途につきました。途中、昨日道を間違えた場所を確認し、ほぼ予定した時間に稲子湯に着き、風呂に入って出てきたら小海行きのバスが待っていました。運転手は昨日と同じ運転手だったので、少し雑談をして小海に向かいました。


山中で会った登山者は、初日がしらびそ小屋周辺で7〜8人、2日目が中山峠へ登る途中、峠の方から下ってきた男性のソロ1人だけでした。稲子湯からしらびそ小屋までが標高差約500m、しらびそ小屋から中山峠までが標高差約400mですが、多くをトロッコの軌道跡を歩くので、歩きやすい道が続きます。また、鳥のさえずりを多く聞けるコースでもあります。
「山の花」に写真を収録した花:ハコネウツギクリンソウマイヅルソウノビネチドリ

みどり池入口 みどり池入口バス停みどり池入口バス停
ここが中山峠の登山口で、白駒池、みどり池、夏沢峠方向を示す導標が立っている
小海〜稲子湯の町営バスは、リエックス経由、稲子登山口経由、それと循環と稲子湯まで3つの経路があるが、稲子登山口経由は稲子湯どまりで、このバス停までは来ない
稲子湯からここまで、15分ほどの登りになる
登り口付近の登山道 白駒林道入口ゲート上の写真のバス停のすぐ先に林道(白駒林道)の入口のゲート(写真右)があり、ゲートを越えるとすぐ、林道をショートカットする登山道を示す導標が立っている
登山道 緩やかな登りの登山道がずっと続く
時折現れるダケカンバやカラマツの透き通るような緑が目を楽しませる
林道の白駒池分岐 白駒池分岐の導標みどり池と白駒池方向の分岐
みどり池は、林道をここで左折
林道を真っ直ぐ進む方向は白駒池と導標に表示されている
写真手前の橋は屏風橋
みどり池導標 みどり池導標
上の写真の分岐を過ぎて7〜8分歩くとみどり池方向を示す導標が現れ、ここから道は登山道らしくなる
道を間違えた場所 道を間違えた場所
写真中央の一番手前の木の向こう側に写真右方向に上って行く広い道があり、それが本道
ここを真っ直ぐ進むと(最初はしっかりした良い道)やがて道は細くなり左手の沢床に下り、道がなくなる
ここに導標は立っていない
写真では分かりにくいが右手頭上に青いロープが張ってある
トロッコ軌道 トロッコ軌道
登山道は、時折トロッコ軌道を外れるが、この先みどり池を越え、本沢温泉分岐の先まで、ほとんどトロッコ軌道の上にある
トロッコ軌道は登り、下り共に緩やかで、浮石や岩が少なく歩きやすい
こまどり沢 こまどり沢の標識こまどり沢
写真手前に小さな沢があり、沢を横切るとこの広場がある
ここから、しらびそ小屋の手前まで、トロッコ道を外れて少し急な登りが続く
しらびそ小屋 しらびそ小屋キャタピラ
2棟あり、写真左側の棟は食堂兼休憩室、右側の棟が宿泊用で、収容人員は40人と、八ヶ岳では小さな山小屋の一つ
家族だけで小屋を運営しているとのことで通年営業、荷揚げはキャタピラーを使用している
みどり池と天狗岳
みどり池と天狗岳
しらびそ小屋の前からはみどり池と東天狗岳から根石岳の稜線が眺められる
クリンソウの群落
しらびそ小屋の近くにあったクリンソウの群落
しらびそ小屋の主の話では、最近は鹿の食害で群落が少なくなったとのことである

7月8日
本沢温泉分岐 本沢温泉分岐
これは前日写した写真
中山峠とトロッコ軌道の分岐 トロッコ軌道
ここで、登山道は右に折れてトロッコ軌道と分かれる
トロッコ軌道はこの先真っ直ぐ続いている
ダケカンバの林 ダケカンバの林
晴れていれば爽やかな緑を満喫できそうなところだが、生憎の雨
しらびそ小屋からここまでは、比較的緩やかな登りが続く
針葉樹林の中の登山道 針葉樹林帯の中の登山道
山深い感じのする針葉樹林の中をしばらく歩く
草付き斜面 草付きの斜面
ここまで来ると中山峠まであと僅か
中山峠 中山峠
写真右方向がしらびそ小屋、左方向が黒百合ヒュッテ
ここから黒百合ヒュッテまでは歩いて5分ほどの距離
中山峠から見える天狗の鼻 天狗の鼻
中山峠まで来ると雨は小降りになり天狗の鼻が見えた
黒百合平 黒百合平
小雨の中を2張りのテントが撤収中だった
天気が良ければ咲いている花を探すのだが、今回はこの写真を写してすぐ後戻りした

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