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No.58 十二ヶ岳
今年になってからずっと丹沢の山行が続いたので、少し目先を変えて御坂山塊の十二ヶ岳に登ってみました。文化洞トンネルまで車で行き、毛無山経由で十二ヶ岳に登りました。終日好天で、毛無山と十二ヶ岳の山頂では素晴らしい眺望に恵まれました。しかし、雪が付いた十二ヶ岳の最後の登りは、だいぶ緊張しました。

日時 2005年(平成17年)2月14日(月)
天候 晴
同行 なし

所要時間
文化堂トンネル(7.50) ←2時間5分→ (9.55)毛無山(10.10) ←2時間40分→ (12.50)十二ヶ岳(13.00) ←30分→ (13.30)昼食(14.20) ←1時間→ (15.20)文化洞トンネル分岐(15.20) ←40分→ (16.00)文化洞トンネル

山行概要

毛無山頂上から見た富士山
毛無山頂上から見た富士山
十二ヶ岳頂上から見た富士山
十二ヶ岳頂上から見た富士山と西湖
文化洞トンネルの手前の駐車場に車を止めたとき、外気温は−2℃でしたが、車外へ出てもそう寒いとは感じませんでした。この駐車場には導標がありませんので、雪の上に残っている登山靴の跡に従って歩き出しました。トンネルの上を横切り、5分ほど歩くと尾根道に出て、毛無山方向を示す導標が現れます。

樹林帯の中をきつからず、緩からずといった感じの道が続き、路上の雪は出たり消えたりを繰返します。やがて周りに松の木が多くなり、時折視界が開けました。西湖の向こうに天子山塊の毛無山がよく見え、振り返るといつのまにか富士山が頭を出していました。

小さなピークを1つ越え少し歩くと長浜への分岐が現れ、雪も多くなりました。ここで一息入れ、簡易アイゼンを付けました。しばらく歩くと樹林が切れ、目の上に毛無山の頂上が見えるようになり、ジグザグを何回か繰返すと頂上に着きました。毛無山の頂上は南から西側にかけて開けており、富士山を始め、箱根、御坂、丹沢の山々が眺められます。山中湖が目の前の河口湖より随分高い所にあるように見えました。

頂上で写真を写し、一息入れて十二ヶ岳へ向いました。歩き始めるとすぐ、これから向う十二ヶ岳とその右の方に節刀ヶ岳が眺められ、更にその先で一ヶ岳と表示した白い標識が現れました。雪が多くなり、斜面もきつくなってきたので、一ヶ岳を下った所で、簡易アイゼンから普通のアイゼンに履き替えました。しばらく、小さなピークのアップダウンが続き、時折固定ロープのある斜面が出てきます。二ヶ岳、三ヶ岳と白い標識の数を数えながら九ヶ岳までは、特にこれと言うことも無く、歩けました。

九ヶ岳まで来ると、道は一度稜線を外れて左に少し下った所で稜線を乗り越え、割合大きなピークの前に着きます。目の前に、結構長い固定ロープが雪の急斜面の上に露出しています。ロープを使って急斜面を登り、その後しばらく上り続けると、登りが緩やかになります。十ヶ岳まで随分長いなと思っていると、目の目に十二ヶ岳の大きなピークが現れ、その前に十一ヶ岳と表示した、白い標識が立っていました。十ヶ岳の標識を見落としたようです。緩やかな部分の道をあともどりして、十ヶ岳の標識を探してみましたが、見当たりませんでした。十一ヶ岳を過ぎると固定ロープが設置された急斜面が待っていました。上から見ると斜面は左のほうに曲がっていて、一番下は見えません。長い急斜面で、昔練習した懸垂下降のことなどを思い出しながら、ロープにぶら下がるような感じで下りました。下りきると、吊橋がかかっており、つり橋を渡ると、いよいよ十二ヶ岳の急斜面の登りが始まります。

最初は雪が殆ど無いクサリ場で、急傾斜ですがクサリを使って難なく登ることができます。これを越えると、雪が多い急斜面が始まります。要所にはクサリやロープが設置されていますが、クサリやロープが無く、次のステップへ足を掛けようとしても、そこまで足を上げるのに苦労する所や、適当なフォールドが無く、前傾姿勢を十分取れないまま、越えなければならないような段差も出てきます。アイゼンが確実に効いていることを確認しながら慎重に登りました。吊橋から、斜面が緩くなる所まで、予想よりかなり時間がかかり、ほぼ登り終えて斜面が緩くなった時はさすがにホッとした気分になりました。

斜面が緩やかになり、樹林に入るとすぐ西湖への分岐が現れ、そこからほんの僅か歩くと、十二ヶ岳の頂上に着きました。頂上はあまり広くはありませんが、私以外に誰も居ませんので、自由に歩き回ることができます。目の前には富士山が広がり、後を振り返ると、南アルプスや奥秩父、また真っ白な八ヶ岳が木の間越しに眺められます。山行前の計画では、午前中に十二ヶ岳の頂上に着いて、昼食の予定だったのですが、少し遅れていたのと下山路の状況も気になりましたので、昼食は少し遅らせることにして、下山の途に着きました。

帰りは西湖の方へ下りました。西湖への分岐を過ぎると急坂が続きます。急坂とはいっても、先ほど通過した十一ヶ岳の下りや十二ヶ岳の登りと比べれば雲泥の差が有ります。しばらく下ると見晴の良い場所に出たので、ここで昼食にしました。ここに着くしばらく前から、登山道の雪は殆どなくなっていたので、ここでアイゼンを外したのですが、昼食後少し下った所で針葉樹林(コメツガ?)の中に入り、雪がまた多くなったので、再度軽アイゼンを付けました。


ルートマップ下りに飽きてきた頃、文化洞トンネルへ向う分岐が現れ、これに従って文化洞トンネルへ向いました。緩やかな下りで、枯れ葉が沢山積もった山腹の巻道をしばらく歩くと、前浜の集落に出ました。ここで文化洞トンネルへの道順を聞き、今日の山行の満足感に浸りながら、前浜の集落をのんびり歩きました。

十一ヶ岳から十二ヶ岳にかけての道は、予想よりだいぶ厳しい道でした。特に十二ヶ岳の登りは、固定ロープやクサリが露出していたこと、雪が硬からず柔らからずでアイゼンがよく効く硬さであったこと、前の通過者のステップがある程度残っていたこと、の3つの幸運があったので登ることができたと思っています。この内一つでも欠けていたら、今の私の技量では登ることはできないでしょう。

私がよく行く近辺の山の難所としては、丹沢の行者ヶ岳のクサリ場が有名ですが、十二ヶ岳は桁違いの感があります。今の季節に十二ヶ岳に登るのであれば、今回下山路に使った西湖からのコースを使うのが安全だと思いました。この日は結局登山者と行き交うことはありませんでした。

文化洞トンネル駐車場 文化洞トンネル駐車場
土木工事用の機材置き場のような感じ
車は数十台止められそうだが、私が着いた時、工事関係者らしい人から、工事用車両が入るので、道路側の隅に車を置くよう依頼された
毛無山へはトンネルの左脇を登り、トンネルの上を通って行く
尾根道 尾根道
毛無山・十二ヶ岳、足和田山(五湖台)の方向を示す導標と、文化洞トンネル駐車場方向を示す標識がある
文化洞トンネルの駐車場から5分ほど歩くとここに出る
天子山塊の毛無山と西湖 天子山塊の毛無山と西湖
植林帯を抜け、松の木が多くなると見えるようになる
雲がかかりやすい山とのことで、十二ヶ岳の頂上で見た時までは、雲がかかっていなかったが、前浜の集落まで下って見た時は、中腹から上が雲に覆われていた
長浜への分岐 長浜分岐
葉を落とした明るい雑木林の中にあった
長浜方向や毛無山方向を示す導標が立っている
この辺りから雪が多くなってきた

毛無山頂上 毛無山頂上
富士山の絶好の展望台
更に眼下には河口湖が、その向こうに道志や丹沢、箱根の山々が広がっている
十二ヶ岳と節刀ヶ岳 十二ヶ岳と節刀ヶ岳
毛無山の頂上を過ぎると、十二ヶ岳とその右の方に節刀ヶ岳が目の前に見えた

毛無山を過ぎて十二ヶ岳に向うと、ちょっとしたピークに、一ヶ岳〜十一ヶ岳と表示した標識が立てられている
毛無山頂上から九ヶ岳までは、鼻歌まじりで歩ける明るく気持ちの良い尾根道だが、九ヶ岳を過ぎると、道は険しくなってくる
十ヶ岳の標識を見落とした、残念!
一ヶ岳 二ヶ岳 三ヶ岳
一ヶ岳 二ヶ岳 三ヶ岳
四ヶ岳 五ヶ岳 六ヶ岳
四ヶ岳 五ヶ岳 六ヶ岳
七ヶ岳 八ヶ岳 九ヶ岳
七ヶ岳 八ヶ岳 九ヶ岳

十一ヶ岳 十一ヶ岳
目の前にこれから登る十二ヶ岳のピークが聳えていた
尖った雪の付いている十二ヶ岳の山容は迫力がある
吊橋 十二ヶ岳の登り口の吊橋
そう長くは無いが、よくゆれる吊橋である
吊橋の両側は氷ができていてツルツル
ここからの登りは、足下が切れ落ちているので、本文中にもあるように、結構緊張感を強いられた
河口湖方面の眺め 十二ヶ岳の頂上近く
登りが緩やかになり、後ろを振り返ったら、毛無山の向こうに、河口湖と富士吉田市街、杓子山、道志の山々等が広がっていた
西湖への分岐 西湖分岐
西湖及び桑留尾浜方向を示す導標が立っている
ここまで来ると十二ヶ岳の頂上はほんのひと歩き
十二ヶ岳頂上 十二ヶ岳頂上
小さな祠が2つ祀られている
石製の祠には最上権現と書かれた立派な金属製の賽銭箱が取り付けられていた
南アルプス 十二ヶ岳頂上から見た南アルプス
十二ヶ岳頂上からは南アルプスが随分近くに見える
写真は右のピークが北岳、左のピークが間ノ岳
文化洞トンネル方向への分岐 文化洞トンネル分岐
西湖方向と文化洞トンネル方向を示す標識がある通学路の導標
ここまで来ると、前浜の集落までは、なだらかな下りが残るだけ
この先で、右のような導標が現れ、一瞬戸惑ったが、上の方の”通学路”を歩いた

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