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No.55 檜岳
丹沢では、比較的登る人が少ない檜岳に登りました。今回は、寄大橋に車を止め、雨山峠から檜岳(1167m)に登り、伊勢沢ノ頭(1177m)を通って秦野峠に下り、秦野峠林道を歩いて寄大橋に戻る周回コースを取りました。行きは良い良い帰りは怖い。そんな感じの山歩きでした。

日時 2005年(平成17年)1月7日(金)
天候 晴
同行 飼い犬

所要時間
寄大橋(7.10) ←1時間50分→ (9.00)寄コシバ沢(9.00) ←50分→ (9.50)雨山峠(10.05) ←55分→ (11.00)雨山(11.10) ←45分→ (11.45)檜岳(11.50) ←40分→ (12.30)伊勢沢の頭(12.35) ←45分→ (13.20)秦野峠(14.10) ←30分→ (14.40)秦野峠林道(14.45) ←1時間→ (15.45)寄大橋

山行概要
雨山峠から見た富士山
雨山峠から見た富士山
平日のためか、寄大橋の駐車場に着いた時、車は1台も止まっていませんでした。外気温は2℃で、冬としては暖かい朝でしたが、じっとしていると寒くなるので、バタバタ支度して歩き出しました。駐車場から後戻りして、寄大橋を渡った所にある”雨山峠4.2Km”の導標に従い、目の前のゲートをくぐります。

ゲートをくぐると、しばらく寄沢の左岸沿いに、広い道が続きます。”雨山峠3.2Km”の導標が立っているところで、この広い道が終わり、登山道が始まります。登山道へ入るとすぐ寄沢の右岸へ渡り、このあと何回か寄沢を渡渉します。やがて道は寄沢の左岸を高巻くようになり、大きな沢を1つ渡ってクサリ場を越え、暗い樹林帯の中で高度を稼ぐと、鍋割峠へ通じている寄コシバ沢が目の前に現れました。

寄コシバ沢を過ぎ、明るい山腹を巻くような道を少し歩くと、雨山峠に通じている寄沢の川床に入ります。このあたりから、雪を踏んで歩くようになりましたが、気温があまり低くないせいか、川床の道は殆ど凍っておらず、アイゼンをつけなくても、不安は感じません。しばらく川床を歩き、寄沢の源頭に設置されている鉄製の階段を上ると、そのすぐ上が雨山峠です。峠にある休憩用のベンチにザックを下ろし、一息入れました。雨山峠は、登ってきた寄沢の反対側、つまりユーシン側が開けており、この日は雪を付けた富士山がよく見えました。

雨山峠から雨山へは、最初やせ尾根の上を歩きます。今はブナなどの落葉樹が葉を落としているので、木の枝を通して雪を付けた鍋割山の丸っこい山頂や塔ノ岳から檜洞丸までの丹沢の主だったピークがよく見えます。痩せ尾根を過ぎるといかにも丹沢らしい急な階段の登りが始まり、雪が多くなりました。この登りは、そう長くは続かず、やがてブナ林の中の緩やかな登りが雨山の頂上まで続きます。雪で真っ白だった辺りに黒い地肌が見え出したら、雨山の頂上でした。雨山の頂上は海側が開けており、眼下の寄の集落の先に相模湾が広がっています。逆光で全体が黒くなってしまっているのが少々残念です。


雨山の頂上は風も無く、日向ぼっこをして時間を過ごすのには調度良い場所です。しかし、ここまで予定よりだいぶ余計に時間がかかっているので、長居をせずに次の目標の檜岳に向いました。雨山から檜岳へは一度下ってまた登ります。登りは思ったより長く感じられました。檜岳の頂上には休憩用のベンチが幾つかありますが、周りが針葉樹で覆われているためか、見晴が無く、薄暗い感じがしてゆっくり休む気になりません。すぐ次のピークの伊勢沢ノ頭に向いました。

檜岳の頂上を出ると明るい雑木林の中を歩くようになり、右手にある鹿の防護柵の向こう側には不動ノ峰や蛭ヶ岳、檜洞丸といった丹沢核心部のピークが手に取るように眺められます。更に歩いて伊勢沢ノ頭が目の前に見えるようになると、その右側に富士山も顔を出しました。伊勢沢の頭には、周りの景色に気を取られているうちに着いてしまった、というような感じでした。


出かける前は、ここで昼食の予定だったのですが、伊勢沢ノ頭も見晴が無く導標が立っているだけだったので、写真を何枚か写して通過しました。ところが、このコースはここから先が良くありません。伊勢沢ノ頭を過ぎると、丹沢湖と富士山が一瞬眺められますが、その先の1086mのピークを越えると、自分の背丈を越えるカヤトの中や鹿の防護柵沿いの急坂が続き、休憩どころではなくなります。結局秦野峠まで下りました。幸い秦野峠には、日当たりの良い小さな広場があったので、ここで昼食にしました。

伊勢沢ノ頭の方から下ってくると、秦野峠ではT字路に突き当たるような形になります。右側はジタンゴ山との表示がありますが、左側には表示がありません。表示の無い左側の道は、私の持っているガイドマップに、”旧経路荒廃”とありますので、ジタンゴ山の方の道をとり、ここまで来れば秦野峠林道まではあと僅かと思って歩き出しました。道は緩やかに下り、左手にある沢の源頭部のようなところを横切り、急斜面を登ります。急斜面を登りきった所が稜線で、道が左右に通っています。導標はありませんでしたが、右はブッツエ平方向と思い、左方向に進みました。

稜線に出てから少し登った後、下りが始まります。やれやれこれでもうすぐ秦野峠林道かと思ったら、突然目の前に左方向、ジタンゴ山、手前方向秦野峠と記した導標が現れました。ところが左方向は笹が密生しているヤブで道はありません。道は前の方へ延びているのですが、この方向には何も表示がありません。導標の前後をしばらくウロウロしたのですが、結局前へ進むしかないので、そのまま先へ進みました。そのうち右手だけにあった鹿の防護柵が左からも迫ってきて、幅が1mぐらいになりました。冬にもかかわらず、ブッシュが足や体に引っかかります


檜岳ルートマップガイドマップでは、秦野峠から秦野峠林道までの所要時間が15分とあり、その倍近くの時間を歩いても秦野峠林道に出ないので、そろそろ引き返そうかと思い始めたとき、アスファルトの路面が左手下方に見えました。これが秦野峠林道でした。もし、もう少し早く引き返していたら、ブッツエ平の方へ足を踏み入れていたか或いは秦野峠から旧道へ入っていたかも知れません。そうなったら泥沼に陥ったかもしれません。今振り返ると、そんな気がしています。秦野峠林道へ出てから寄大橋まで、結構急いだつもりですが、ガイドマップのコースタイムどおりでした。足が衰えたのか、ガイドマップのコースタイムが辛かったのか?

寄大橋から雨山峠までは、陰気でかなり荒れた道を歩くと勝手に想像していたのですが、ごく普通の山道で、丹沢特有の急な階段も無く、どちらかというと歩き易いと思いました。また、雨山峠から伊勢沢ノ頭までは、程よい積雪があり、雪山歩きも楽しめました。しかし、今回歩いたルートで魅力を感じたのは、伊勢沢ノ頭までで、そこから先は、ウーンという感じです。特に夏の秦野峠林道〜伊勢沢ノ頭間は、ヤブ漕ぎが大変だろうと思いました。なお、山中では、久しぶりに誰とも行き交うことがありませんでした。

寄大橋駐車場 寄大橋の駐車場
舗装はされていないが、車5〜6台は止められる
手前が寄大橋で駐車場の先はゲート
朝は1台も止っていなかったが、下山してみると数台の車が止められていた
寄沢のクサリ場 寄沢のクサリ場
寄コシバ沢の1つ手前の沢を越えた所にある
クサリ場の上には木製の桟道が設置されている
寄大橋〜雨山峠の間で、クサリ場らしいクサリ場はここだけ
寄沢源頭部 寄沢源頭部
この写真では分り難いが、写真のほぼ中央に右斜め上に登る鉄製の階段が設置されている
この階段を上ると雨山峠はそのすぐ先である
雨山峠 雨山峠
導標と休憩用のベンチが設けられている
写真の手前側が開けていて見晴があり、休憩に調度良い場所である
雨山の登り 雨山の登り
雨山峠から急坂を越えると緩やかな斜面がしばらく続く
この時期は明るく気持ちが良い
雨山頂上 雨山頂上
日当たりがよく、のんびりしたくなる雰囲気がある
雨山頂上の眺め 雨山頂上からの眺め
眼下の寄の集落の向こうに相模湾が広がっている
雨山峠〜秦野峠の間で、眺望が得られるピークはここだけ
檜岳頂上 檜岳頂上
休憩用のベンチが数台設置されている
何となく薄暗いのが、自分の好みに合わなかった
伊勢沢ノ頭 檜岳〜伊勢沢ノ頭の間は、明るく気持ちの良い道が続く
中央のピークは伊勢沢ノ頭
伊勢沢の頭頂上 伊勢沢ノ頭
導標が1本たっているだけで、見晴はない
導標には秦野峠方向と雨山峠方向の表示はあるが、山神峠方向を示す表示は無い
山神峠への分岐はここより少し檜岳側にある
富士山と丹沢湖 富士山と丹沢湖
伊勢沢ノ頭から、秦野峠側へ少し下った所にある、鹿の防護柵越しに眺められる
丹沢湖の向こうの整った形の富士山が素晴らしい
秦野峠 秦野峠
導標が1本立っている
写真向こう側が伊勢沢ノ頭方向、左側がジタンゴ山方向、右側が旧道
秦野峠林道 秦野峠林道檜山登山口
檜岳、雨山と記した導標が立っている
登山口は林道をはさんでこの導標の反対側にある

同行した飼い犬 同行した飼い犬
寄沢を徒渉する際2回ほど抱き上げたのと、寄コシバ沢の手前のクサリ場の上部で尻を押して補助した以外は、すべて自力で歩きとおした
さすがに疲れたようで、翌日は自分の寝床で殆ど寝ていた

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