ライン川下り(7月10日)

リューデスハイムには、 「ライン川下り」 の観光船の桟橋があり、この時期には毎日5便就航しています。

終点はコブレンツ
(Coblenz) まで約4時間ですが、古城がもっとも多く見える、リューデスハイムからザンクトゴアルスハウゼン (St.Gofarshausen) までのおよそ2時間の区間に人気があり、日本の観光客もとても多く利用しています。

このライン川は中世の
800年間を通じて、帝国領域の中央を流れ、ヨーロッパの南北を結びつける重要な交易路でした。そのため川の通行税という利権を狙って、近隣の諸侯はこぞってこのライン川流域に進出し、数々の城を建てたそうです。

    今回我々はここからサンクトゴアまでライン川を下ります。

 

    観光船と案内表示       

リューデスハイム対岸の町、ビンゲン

 ビンゲンのクロック城(Burg Klopp)

  

ビンゲンのねずみ塔(Mäuseturm)

リューデスハイムを出航するとまもなく、中州に13世紀の通行税をとるための関所だったネズミの塔Mauseturmが現れる。

マインツ選侯帝が通行税を取るために13世紀に建てた塔ですが、1689年にフランス軍によって焼かれ、1855年に信号塔として再建されたそうです。

ねずみ塔というこの名は、重税で農民や通行人を苦しめたマインツの大司教が、ここでネズミに食い殺されたという伝説に由来するものです。この中州に税関を設置した大司教は特に強欲だったようで、通る船から必ず通行税を取り、住民には高い税金をかけ、贅沢三昧をしていました。

だが、ある年大飢饉となり、飢えて困った住民達は食べ物を分けてくれるよう、この大司教に直訴しますが、大司教は承諾するふりをして、住民を納屋に集め、火をつけさせ、納屋ごと燃やしてしまったそうです。

ところが、燃え尽きた灰の中から何千何万というねずみが現れ、危険を感じて「ねずみの塔」に逃れ隠れた悪い大司教を追いつめ、ついには食い殺してしまったというお話が残っています。

 ラインシュタイン城(Burg Rheinstein)

ネズミの塔を通過するとまもなく左手にそそり立つ岸壁の上に900年頃建てられたラインシュタイン城が見える。

この城も税関として建てられたものです。1000年頃に建てられ、マインツ大司教管轄の裁判所として使われていたが、1572年以降使われなくなっていたものを、1825年に復元。現在博物館として貴重な芸術品、宝物を見ることが出来る
そうです。

ライヒェンシュタイン城(Burg Reichenstein)

11世紀に建てられた城で現在はホテルになっていますが、昔は川を渡る舟をおそう盗賊騎士の根城だったそうだす。

そのために
13世紀にライン都市同盟により破壊されるが、その盗賊騎士退治の基地として使われたのが前出のラインシュタイン城でした。

ゾォーネック城(Burg Sooneck)

11世紀に建てられた。1689年にフランス軍によって爆破されたが1843年に再建された。




























ニーダーハイムバッハ
(Niederheimbach)の町とハイムブルク城(1305年建造)(Burg Heimburg)


バッハラッハ

やがて舟は中世建築の残るバッハラッハでお客さんを乗せます。このバッハラッハは千年以上の歴史をもつ町で、木材やワインの販売、そしてライン川を通る舟からの通行税によって、財政豊かな町でした。


フェルステンベルク城

 アスマンスハウゼンとバッハラッハの間にあるフェルステンベルク城。

 湖畔にある町並みが美しい。





















シュターレック城

木組みの美しい家々が湖畔に立ち並ぶバッハラッハを超えるとシュターレック城が見えてくる。

ホーエンシュタウフェン王家の居城だった城で、
12世紀に建てられ、30年戦争の時に破壊、その後修復されたが、17世紀にフランス軍に再び破壊され廃墟となってしまう。現在は修復され、ユースホステルとして利用されています。

城の下側に見えるのはブドウ畑。このライン川沿いの山の斜面では白ワインの原料となるブドウの栽培が盛ん。ブドウの生産ができるギリギリの緯度なため、赤ワイン用のブドウの生産はできないらしい。


プファルツ城

中州に建つのはプファルツ伯の砦、略して「プファルツ」と呼ばれる、川の通行税をとるための税関だった所。

14世紀に築かれた頃は、真ん中の五角形の塔だけしかなかったが、後に舟のような形の外側部分が補強された。まるで船の舳先のようになっていたが、工事中でごらんのようにカバーがかかっていました。

 グーテンフェルツ城

  このパファルツの向こうの丘の上に見えるのがグーテンフェルツ城で肉眼では白いHOTE  Lの5文字が見えた。

             


















オーバーヴェーゼル

息を呑むような美しい風景を楽しむことも、中世の面影をそのまま残したお城や塔などを楽しむこともできるオーバーヴェーゼルは、多くの旅行者を魅了し続けており、現在ではドイツ鉄道ライン川左岸線が走って、鉄道マニアにも人気のスポットです。

この町は紀元前
50年にケルト人によって建てられ、紀元後400年にはフランク王国の中枢都市となりました。さらに、中央ライン地域の中で最も大規模なワイン畑が広がるこの町は‘ワインと塔の街’として有名です。

シェーンブルク城

このオーバーヴェーゼルには優美なシェーンブルクの城がある。

この辺は世界遺産になっており、次から次へと古城が見えてくる。

ここは古城ホテルとして使用されているが、ライン川沿いのホテルの中でもグレートが高い。

12世紀に築城され、ローレライ伝説の舞台となった城です。

ここから川幅は狭くなり、前方右手に有名なローレライの岩山が現れる。

ローレライの岩山

斜めに走る岩盤の美しさをローレライという黄金色の髪の乙女に例えたもので、由来はこの辺は川幅が急激に狭まる上に、岩礁が多く、たくさんの船舶が座礁したことによる(乙女に気を取られて沈没したという伝説から)。

カッツ(ねこ)城

このローレライの難所を過ぎると、ザンクトゴアハウゼンの丘の上に猫(カッツ)城が見えます。

1393年、カッツエンエルボーゲン伯爵によって建設、フランス革命軍に破壊された後1898年に再建されています。

カッツとはドイツ語の猫のことで、城主の名から「ねこ城」と呼ばれています。この後マウス
(ねずみ)城と古城が続きますが我々はここサンクトゴアで下船です。


楽しかったライン川古城めぐりも終わりです。サンクトゴアで下船しました。



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