瑠璃山 電脳室

施餓鬼棚

      せがき法要にて修法する住職
薬林寺のおせがきは毎年7月20日厳修されます。施餓鬼の由来は、昔、釈尊の弟子阿難尊者(あなんそんじや)が静かに修行しておりますと、そこへ焔口餓鬼(えんくがき)という食べようとすれば、それが焔(ほのお)となって食べることが出来ない餓鬼があらわれていわくに「阿難尊者よ、あなたの寿命はあと三日しかない、そしてあなたは死して餓鬼道におちるでしょう」と。これを聞いた阿難尊者は驚いて早速釈尊にその由を伝え救いを求められたのです。釈尊は阿難尊者に告げて「心配はいらない。阿難よ、ここに自分が昔如来から伝えられた施餓鬼法というありがたい法がある。汝は多数の餓鬼に一斛(大型の四角い枡(マス))づつの飯を施与することは不可能であろうが、この法によれば一粒の米が何斛にもまして、すべての餓鬼に施すことが出来る」とおしえ尊者にこの法を伝授しました。尊者はこの施餓鬼法を修法して寿命をながらえ餓鬼道におちることから脱れることが出来ました。という由来にもとづいて、先祖や万霊回向のために施餓鬼会がつとめられるのであります。当日は午後1時より御詠歌奉詠、2時より総本山特派布教師による法話、3時より大勢の僧侶による大施餓鬼法要、4時より薬林寺会館にて檀信徒の集いという日程です。
おせがき法話 総本山特派布教師 小山てんゆう先生

帰命頂礼釈迦如来 阿難尊者のおん慈悲に
こたえて説かる施餓鬼法 この世はみたまかずかずの 
いまだに迷う業の世や
救いの道はただひとつ 心施物施の布施の行
南無や大悲の観世音 十方諸佛十方法
十方僧に供養せん
神咒お加持の功徳力 この土を清くやすらかに
慳む心を捨てさりて 発菩提心この世界
全てのねがい叶うなり
南無や五如来その利益 むさぼるこころ除かれて
福徳智慧を円満し 身心共に晴れやかに
受ける施食も恐れなし
有縁無縁のへだてなく その悦びのしあわせは
行う人の身にやどり わざわいの雲打ち拂い
世々長寿受くるらん
天下法界 同利益