玉原高原テレマーク散歩 2005年4月9日-10日 一般旅館利用

4月9日 快晴

谷川
月夜野付近からの谷川岳
早朝の電車で出発して上毛高原駅に着いたのはまだ朝の8時。スキーシーズンの終わった上越新幹線はがらがらで、スキー板は網棚に置いておけた。上毛高原で降りた客は数十人程度。登山や山スキーっぽいいでたちの人もちらりほらりいた。ピッケルを担いだデカいザックの人は谷川岳にでも行くのだろう。
我々はタクシーで玉原高原へ向かう。天気はサイコーで、車中から見える谷川岳が神々しい。くっきりと見える耳にトトロを連想してしまった。玉原へは新しくできたという道を通って40分ほどで、10,000円でお釣りがきた。

9:44 スキーパーク発(高度計:1250m, 温度計:13.7℃)

スキー場
武尊の見える玉原スキーパーク
スキー場の更衣室で着替えなどの準備を済ませ、相棒がスキーにシールを貼り終えたときには9:30を過ぎていた(ちなみに、かつりんはこの日は最後までシールを使わないですんだ)。それにしてもスノーボードの多いスキー場だ。客の8割くらいはボードなんじゃなかろうか。みな一様にだぶだぶの服でうろうろしているのが気色悪い。
武尊山の見えるスキー場の最下部を横切ってキッズコーナーに入る。その小さな斜面を登りつめるとそこはもうブナの林。希望どおりのなだらかな明るい林に、早くもルンルン気分になってしまった。

ブナの林

ブナ林
キッズコーナー上部からすぐにブナ林が
スキーコースと並行するように北東に進路をとる。あまりにもなだらかで、あまりにもだだっ広くて、きちんとコンパスを確認しないと方向がわからなくなる感じだ。上半身はTシャツ・ウールシャツ・カッパという格好だったが、早くも暑くなってカッパを脱いだ。
雪はザラメでとてもよい状態だ。木も適度にばらけて樹間が広く、歩きやすい。

台地で休憩

林
沢の源頭に挟まれた緩やかな台地
30分もしないうちに、林の奥に建物が見えてくると、それがレストハウスだった。スキー場のコースに出ないように裏手を進むと林道を横切る。そして堰堤が見え、沢の地形に入り込む。沢を下らないように、対岸のちょっと急な斜面を頑張ってトラバースして回り込むと、地図のとおりの台地状の地形に出た。ここでちょっと休憩をとった。

10:44 尾根(1310m, 13.6℃)

林
尾根に出ると木々の向こうに谷川が見える(肉眼では)
次の谷もトラバースで回りこんで、1323mのピークを目指す。しかし、トラバースしすぎて結局銅金沢の源頭に入り込んでしまった。しかたないのでそのまま沢を詰め、尾根に到着。ピークには行かずにブナ平へ下ることにした。相棒はここでシールをはがした。
ブナ平の次は尾根通しに歩いて玉原湿原に降りるつもりでいたが、ここまでの行程ですでにブナの林をじゅうぶん楽しんだし、ツアー気分も味わえたので、往路をそのまま戻ることに決めた。

11:14 ブナ平(1285m, 18.1℃)

林
ブナ平を行く
林
ブナ平の立派なブナの林
ブナ平は上部の方が立派な木が多く、下るにつれて若い木が目立つようになった。さまざまな木の形や、雪に投影された影を眺めていると全然飽きない。

12:01 レストハウス(1310m, 17.6℃)

レストハウス
レストハウス
ブナの林をふたたび引き返す。雪は深く、春はまだまだといった感じだった。
トレースは自分たちのつけたものしかなかった。入山している人は誰もいないようだ。そのトレースよりも意識して上を歩いたら、思ったよりもどんどん上に行ってしまったようで、レストハウス裏の堰堤よりもかなり上のスキー場コースに出てしまった。リフトの下をくぐるようにコースに入り(幸い「コース外立入禁止」のロープが張られていない区間だった)、50mほど滑降してレストハウス前に出てから、こっそり裏にまわった。
裏に入り、行きにも渡った林道を横断すると、遠く西の方に2人の人影が見えた。動きからするとスノーシューのようだ。この日初めて見た登山者だった。

12:16 スキーパーク帰着(1250m, 16.9℃)

林
ブナ林の緩斜面を滑り降りる
林の中の緩斜面を楽しく滑っていくとあっという間にスタート地点に戻ってしまった。斜面が緩やかすぎてスキーがあまり滑らないところもあった。ウロコのせいかもしれない。
結局出発してからここまで、バックカントリーではスノーシューの1パーティを見かけただけだった。スキー場が賑わっていたので、この静けさが嬉しかった。
ずうっと立ちっぱなしだったので、スキー場のベンチに座って休憩した。このとき初めて気付いたのだが、スキー場の正面には噴煙をあげる浅間山が見えたのだった。

12:58 スキーパーク発(1250m, 19.6℃)

林
東の林
午後は武尊山の展望を目指して東の林を登る。スキーを担いで第二駐車場までほんの数分車道を歩き、駐車場の脇の雪で埋まった沢から山に入る。入口にはスノーシューらしき踏み跡がたくさんあった。ちなみにこの時期は第二駐車場は空っぽで、トイレなども閉鎖されていた。
だいたい夏道と同じ感じで、東を目指して崖につきあたってから北東に進んだ。ときおりスノーシューの大群の踏み跡と交錯したので、こちらの方が午前中に歩いたブナ平よりも入山者が多いと思われた。木が低いのか、枝が疎らなのか、こちらの方が明るく感じられた。午前と同程度の緩い斜度だったが、午後になって雪がだいぶ腐ってきた。登り一辺倒なので相棒はシールをつけていたのだが、おかげで水を吸って重くなり、足取りはかなり遅くなった。

13:56 スキーコースとの合流点(1350m, 15.7℃)

武尊山
樹の間から武尊山
結局、武尊山がくっきり見える地点がわからないままだらだらと1時間も登ったらスキーのコースにぶつかってしまった。この先は斜度が急になるので諦めて、比較的木がまばらになっていて山がなんとか見えるところで良しとした。
ブナの根っこの雪のくぼみに腰を下ろしてマグヌードルを食べてゆっくりと休憩した。少し風が出てきて寒くなったのでカッパを着た。

14:36 下山開始(1340m, 11.2℃)

林
トレースに沿って林を下る
登りでつけたトレースに沿ってそのまま下る。雪は重く、スキーがなかなか滑らなかった。
下り始めてようやく気付いたのだが、この玉原高原にはまっすぐきれいに伸びている木が多い。去年、尾瀬で多く見かけたような変形樹がほとんど見当たらないのだ。やはり尾瀬の方が厳しいのだろうか。そんな中で隣のブナに食いつくブナを見つけたのは収穫だった。

14:55 入山口帰着(1255m, 17.0℃)

1時間ほどかけて登った道を20分で下った。
誰の仕業か知らないが、入山口の近くにある大きな木の太い枝に、ブランコのようにベンチがぶらさがっていたので、そこに座ってまったりとした。20分ほどもおしゃべりをしてからスキーパークの目の前にある宿に向かった。

宿

ワイン
キャンティ・クラシコ・リセルヴァ'97
宿はバン・デ・ルージュというペンションで、グルメ&ワインプランという宿泊コースを選択した。ボトル1本とチーズの盛り合わせがつく。メイン料理は他の客と同じだが、前菜は違うもののようだった。ワインはキャンティ・クラシコ・リセルヴァ'97を選んだ。群馬の山奥で'97のトスカナに出会えるとは思っていなかった。しかしメイン料理が豚肉のソテーのトマトソースだったので、せっかくの美味しいワインだったがちょっと重すぎた。しかしその分チーズにはばっちりだった。

4月10日 晴れ

10日は予定通り、スキー場から宅配で板を自宅に送り、ペンションの車で迦葉山かしょうざんバス停まで送ってもらい、バス - JRと乗り継いで帰った。15時頃には帰宅してしまった。
東京や横浜の桜はちょうど満開で見頃を迎えていた。
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