山梨花見ハイキング 2004年4月10日 日帰り

4月10日 快晴

始発列車に乗り、大月・甲府と乗り継いで日野春へ。バスで真原の近くまで行くつもりだったが、30分待つことになりそうだ。天気はどっピーカンで人も多そうだ。混雑する前に行動を開始するため、タクシーで行くことにした(幸いタクシーは駅に数台待っていた)。料金は3000円弱だった。

真原の桜並木

真原桜並木
武川村・真原の桜並木
ここの山岳景観は出色である。単なる桜並木なのだが、バックに甲斐駒・鳳凰・八ヶ岳を控えており、山好きなら誰しも一発で気に入るスポットであろう。特に、直線の並木から左右に肋骨のように伸びる農道から眺める甲斐駒の姿は実に美しい。また、ここは昨年放送されたドラマ「僕の生きる道」のロケ地でもある。第7話で、中村先生(スマップ草なぎ)とみどり先生(矢田亜希子)が甲斐駒をバックに記念写真を撮ったところだ。帰りには手をつないで歩いていた。ドラマでは冬で、もちろん花などなく、周囲には雪が積もっていたが。
この日の桜は7分から8分咲きといったところであった。並木に車が入り込めるのがちょっと興醒めであるが、生活道路であるのでやむをえないであろう。車で訪れる人の方が無粋なのだ。
気が付くと9時を過ぎていた。1時間ほどいたことになる。だんだん車が多くなってきたので退散。

実相寺

神代桜
実相寺の神代桜
山高へだらだらと下る。歩きで登ってくる人が結構多い。途中わき道に入り、すもも畑からの甲斐駒を眺め、車の少ないその道を行くといつの間にか実相寺に着いてしまった。観光バスまで来ていて、ものすごい人出である。
神代じんだい桜は、幹内に水を入り込ませないために屋根まで着けられていて、瀕死の状態。樹勢も周囲の桜たちに気圧され気味といったところか。三大桜ではあるが、三春や根尾と同じような、枝ぶりの良い見事な巨桜を期待するとがっかりすることになる。

日野春駅へ

南アルプスのながめ
ポケットパークより南アルプスの眺め
日野春へは歩いて1時間ほどだろうか。2mきざみに路面に標高が書いてある道を緩く下り、国道20号線を越える。大きな釜無川橋を渡るとポケットパークなる広場があり、川越しに甲斐駒・鳳凰が並んで見えた。真原から2時間、ずっと歩きどおしだったことに気付き、腰を下ろして行動食を食べた。
そして駅まで標高差100mの急登を、排気ガスにまみれながら15分ほど登るとようやく駅に着く。ちょうど昼で腹が減ったが、付近の食堂は閉まっているようだったので、またしても行動食のクッキーやらを食べた。

穴山駅から歩く

桃の道
桃に囲まれた道
1駅だけ電車に乗って無人の穴山駅で降り、新府まで歩く。JR東日本が「桃の花見ハイキングコース」としてキャンペーンを展開しているところで、標識もあり道に迷う心配はない。
最初はなんということもない田舎の道であったが、津島神社を過ぎると桃畑の真っ只中に突入する。花の広がりは素晴らしいが、ちょうど南アルプスとの間に高圧線が走っているのが残念だ。しかし東にはそんな障害物もなく、茅ヶ岳の眺めがすばらしかった。時折富士山も顔を見せる。

新府共選場

中央線と甲斐駒
中央本線・桃・甲斐駒
鳳凰山
菜の花・桃・鳳凰山
掘割のようなJR線を越えると、すぐに新府共選場に着く。JRキャンペーンの中心地だ。共選場にはジュースの自販機もあるので休憩には最適だ(もちろん、作業日でないことが条件だが)。
このあたりで甲斐駒は姿を消し、代わって八ヶ岳が登場する。

新府城跡

新府城跡
新府城跡の石段
ごく緩く登り、ごく緩く下ると城跡の入口に。城とは言っても中世の山城なので、天守閣などはもちろんなく、代わりに249段の石段があった。本日最大の難所である(笑)。
山頂には武田神社と多くの桜があった。八ヶ岳と桃畑の眺めが見事であった。
下りは石段が怖そうだったので、すぐ脇にジグザグにつけられた「乙女坂」を下りた。本日初の土の道であったが、スニーカーでは滑るので辟易した。

韮崎へ

富士山の道
富士山を眺めながら下っていく、ゴールは間近
城跡を過ぎると新府駅までは東南の斜面についた道になり、富士山の眺めがよくなる。
標識にしたがってずっと行くと、いつの間にか駅から離れていく。あれれ、と思ったら、JRのキャンペーンのゴール「ゆ〜ぷるにらさき」という施設に導かれるようになっていたのであった。アブネー。
新府からまたまた1駅だけ乗って韮崎へ。わに塚の桜が目的だ。時刻は14:30。駅から歩いていくつもりだったが、偶然15:05に「市民バス」があったので乗ることにした。シャリバテ気味だったので、バスを待つ30分の間に駅前のヨーカドーの地下で冷やし中華を食べた(4月なのに・・・)。

わに塚の桜(韮崎)

わに塚
わに塚の全景
バスに乗ったのは10分ちょっと、武田八幡入口というバス停で下車。帰りのバスの時刻をチェックすると15:55。桜はたっぷり堪能できそうだ。もし間に合わなかったら歩いて帰ればいい。
ここの桜は田んぼの中に1本だけ立っていて、遠くからもよくわかる。人影はまばらで、思ったほど混雑していなかった。ちょっと散り始めといったところか。すぐ脇の鉄塔が邪魔だ。山をバックに、というよりは、桜の樹を単体で撮った方がきれいに映るようだ。実にいい形をした木だと思う。特に、南から見た姿がいい。今まで見た桜の中でもベスト3に入るくらいのお気に入りとなった。
なお、朝の真原に続いて、ここも「僕の生きる道」のロケ地である。みどり先生がこの巨木を見上げて「すごいですね〜」と言っていた。

勝沼ぶどうの丘

せっかく山梨まで来たので、久しぶりに勝沼に寄ってワインでも楽しもうということになった。
勝沼ぶどう郷で電車を降りて、ぶどうの丘に着いたのは17時過ぎで、たっぷり試飲ができるカーヴはすでに営業終了であった。残念であったが、本当の目的はレストランでの食事である。早速3階に向かった。

前菜

前菜
アスパラガスと生ハムの半熟卵とフランス産チーズ添え
「勝沼」コースを注文。とりあえず食前酒にかつりんは勝沼ビール、相棒はミモザをとる。
早速前菜がきた。アスパラガスと生ハムの半熟卵とフランス産チーズ添え。アスパラガスとは言ってもホワイト。しかも巨大で驚いた。しゃっきりとした歯ごたえがいい。生ハムは大好きなプロシュート。半熟卵はポーチド・エッグで、ピンク・ペッパーが彩りを添える。ホワイトソースも美味しいし、ふりかけてあるオリーブオイルがかなりイイもののようだ。
こんな美味しい料理にビールなんてもったいない。速攻で飲み干して、白ワインに突入。ここはグラスワインがたくさんあるので面白い。ワインをたくさん楽しみたいので、ゆーーーっくりと食す。
前菜だけで、2人で4杯の白を飲んだが、中でも「鳥居平とりいびら甲州」のまろやか味が好みであった。まるでシャルドネを飲んでいるかのようだった。

魚料理

魚料理
お宝鮮魚『桜マス』の五香粉風味焼き 大菩薩峠の珍味『岩茸』添え
ワイン
シャトー・ホンジョー・オールド 樽(左)とアジロンダック
続いて魚料理にはいる。お宝鮮魚『桜マス』の五香粉風味焼き 大菩薩峠の珍味『岩茸』添え。脂がのったしっかりとした味で、岩茸の不思議な食感がおもしろかった。
赤ワインが合いそうなので、赤に移行。とりあえず軽そうなものからいってみよう。まず「アジロンダック」という銘柄を注文。どういう意味だろうと思っていたら、ぶどうの品種名ということだった。フルーティで飲みやすく、ナイヤガラとかのワインみたいだった。

サンセット

夕陽
鳳凰三山の右に夕陽が沈む
お宝鮮魚(笑)を食べていると、ちょうど夕陽が沈むところであった。鳳凰三山と甲斐駒の間に沈んでゆく。白根三山のシルエットが美しい。
ふと店内を見回すと、結構な盛況ぶりであった。

肉料理

肉料理
"食通好み"『仔牛のすね肉』ぶどうの葉包み オッソブーコ風
肉料理は"食通好み"『仔牛のすね肉』ぶどうの葉包みオッソブーコ風。付け合せのクレソンはぶどうの絞りかすで育てたもので、普通のものより辛めなんだとか。肉は、ぶどうの葉がいまいちわからなかったが、美味しいオッソブーコという感じ。
この料理にはシャトー・ジュンの「りぼん」というカベルネ・メルローがよく合った。ボトルにリボンが巻いてあるのでこの名である。横綱武蔵丸が気に入って、ケースで買っていったとかいう話だ。

デザート

デザート
桃のムース
デザートは桃のムース。桃の花見に来て桃のムースで締めくくれるとは、素晴らしい。
ワインも2人で10種類楽しめた。19時を過ぎていたが、まだ満席だった(ラストオーダーは19:30)。全席禁煙なのがとても嬉しかった。
土産にショップで「りぼん」を1本買った。

帰宅

夜景
ぶどうの丘から甲府の夜景を眺める
ぶどうの丘を後にして駅に向かうと、道中は真っ暗である。街灯がほとんどないのだ。そんなわけであやうく道に迷いそうになったがなんとか駅に着くことができた。来た電車は幸い東京行きで、八王子まで乗り換えずに行くことができた。家に着いたのは22:30であった。
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