日本最高所の高層湿原・草紅葉の鬼怒沼湿原 2001年11月2日 - 3日 一般旅館利用

11月2日 曇

女夫淵めおとぶち

まずは鬼怒川温泉駅からバスで女夫淵温泉に向かう。平日ということもあってかバスの席には少々余裕があった。紅葉で有名な龍王峡や五十里湖がちょうど見頃を迎えていて、バスが通過すると乗客から歓声があがった。2時間の長丁場なので途中観光物産センターで休憩。屋台で鴨の串焼きなどを売っていた。このあたりが紅葉のきれいな最後の地点であっただろうか。これより標高が上がると、ときおり見える落葉松の黄金色以外は彩りはなくなった。
終点の女夫淵温泉から先は一般車も進入禁止。奥鬼怒四湯は加仁湯と八丁の湯の2軒がバスでの送迎を行っており、日光沢温泉・手白沢温泉は山道を2時間弱歩くことになる。紅葉がきれいだったら歩いていこうと思っていたが、周囲の木々は枝だけになっていたので車に乗った。(←軟弱モード)

加仁湯

宿には4種類の露天風呂(混浴3、女性用1)と男女の内湯がある。相棒のKによれば女性用の露天風呂は結構広く快適とのこと。混浴3種は大風呂、切り株や文字通りの湯「船」に入る「ハラハラ風呂」、二人入るといっぱいになる小さな浴槽が4つある「ロマンス風呂」(カップルにおすすめ)とそれぞれ違った趣向で、源泉も5種類くらいということでいろいろ楽しめた。客層は中高年層のみならず、家族連れや若いカップルも多く幅広い。しかし茶髪+パンプスの若い女の子なんかを見ると山奥の秘湯という雰囲気はふっとんでしまう。後で知ったことだが、八丁の湯の洗い場にはシャワーはないが加仁湯にはあり、そういったあたりも一般受けするのだろうか。
夕食は山菜料理中心。特別料理に熊の刺身と鹿のしゃぶしゃぶを注文した。熊の刺身はほとんど脂身であった。・・・うえっぷ・・・明日の山行に響かなければよいが・・・

11月3日 曇

8:12 加仁湯発(高度計:1295m, 温度計:27.5℃)

加仁湯
加仁湯の外観
宿の朝食は7:30から。食べ終えてからゆうゆうと出発。まずは沢沿いの林道を日光沢温泉に向けて歩く。

8:23 日光沢温泉に到着(1315m, 19.9℃)

日光沢温泉
日光沢温泉の渡り廊下をくぐる
鬼怒沼へは渡り廊下の下(写真で自販機が見えるところ)をくぐってゆく。するとすぐ階段があり、立派な橋で沢を左岸に渡る。

8:39 丸沼分岐(1380m, 18.7℃)

ノシ滝
ノシ滝
崖をトラバースする道が続き、ノシ滝が見えるとそのすぐ側が丸沼分岐だ。分岐付近は丸沼方面にかける橋の工事中であった。
進路を右に変え、斜面を登る。深い樹林の急坂が始まる。

9:07 オロオソロシの滝展望台(1545m, 14.4℃)

オロオソロシの滝
オロオソロシの滝
30分ほども登るとオロオソロシの滝展望台に到着。ベンチとテーブル、そしてステージ状の台があり、文字通り展望台の様相。谷をはさんで対岸はるかに細い滝が見えるが、遠く、また周囲の彩りもないのであまりぱっとしない印象であった。雨が降ったら滝を見て帰ろうと思っていたが、ここが最終地点じゃちょっと不完全燃焼、納得がいかない。
このあたりは地図上ではずいぶん等高線が込んでいるが、道はうまくジグザグを切ってつけてあり、ほとんど苦にせずにぐんぐんと登れる。それともこの軽やかさは久しぶりに履いたザンバラン・フジヤマの軽さのせいだろうか?いずれにしても気味悪いくらい快調に進んでいく。

9:41 ベンチのある地点に到着(1720m, 13.8℃)

登山道
歩きやすい登山道
ここで少しだけ展望が開け、日光白根山のごつごつした頭が見えた。しかし木の枝が遮って写真撮影はむずかしい。
滝展望台から30分程度しか歩いていないので、トレッカーズ・ハイをキープしつつ、休憩をとらず歩を進める。
このベンチから道は急に平らになり、さらにスピードがあがる。

10:20 鬼怒沼湿原着(1930m, 13.1℃)

鬼怒沼山
鬼怒沼山
金沼と日光白根山
金沼と日光白根山
ベンチからの樹林歩きに少し飽きてきた頃、目の前がぱっと開け、鬼怒沼湿原に着いた。入り口にあった説明によると、250もの池塘があるという。山上の楽園という言葉がぴったりだ。
曇ってはいるが日光白根山や燧が岳も見え大満足であった。(ぐるぐる写真その1その2
寒くなってきたのでカッパを着込み、帽子を耳当て付きのものに替え、ネックウォーマーまでつけた。

11:34 下山開始(1950m, 15.8℃)

燧が岳と平が岳
燧が岳と平が岳
日光白根山と木道
日光白根山に向かってのびる木道
木道のところどころ、合計3箇所にベンチがあった。木道・ベンチともにずいぶん傷んでいて、木道は新しく付け替えられているところもあった。大人数のパーティは避難小屋で休んでいるようだった。われわれはベンチで景色を眺めながらゆっくりとお茶を飲んで休んだ。
鬼怒沼山は展望がないというのでここを最後に下山開始。同じ道を引き返す。

12:18 ベンチ(1770m, 19.0℃)

このあたりから少し日が出てきて、暑くなってきた。

12:46 オロオソロシの滝展望台(1595m, 18.9℃)

13:10 丸沼分岐着(1410m, 17.1℃)

だいぶ時間があるのでヒナタオソロシの滝を見に行くことにした。

13:23 ヒナタオソロシの滝展望台(1490m, 15.1℃)

ヒナタオソロシの滝
ヒナタオソロシの滝
分岐から工事中の沢を渡り、落ち葉の堆積した道を行く。ジグザグを切りながら斜面を登り、尾根にとりついたと思ったらすぐにヒナタオソロシの滝展望台に着いた。ベンチ・テーブルと、柵の着いたテラスがある。テラスは底が抜けていた。
オロオソロシの滝に比べて、滝との距離が近いせいかこちらのほうが迫力があった。
分岐からこの展望台までは落ち葉が登山道を埋め尽くし、一部道が不明瞭な場所もあった。しかし目を上に向けるとほどよい間隔に道標があり、注意すれば迷う心配はない。

13:58 加仁湯着(1300m, 16.6℃)

帰りは沢沿いの工事車両用の道を歩いて帰ってきた。土曜午後ということで本日の作業はもう終わったようだ。
加仁湯は前日宿泊者は翌日も無料で風呂に入れてもらえる。またふたりでロマンスの湯につかって汗を流した。土曜日なのでやはり今日から宿泊という人が多いらしく、どんどん宿泊客がやってきた。宿では麺類中心の昼食を出しているが、食堂営業時間は12時から13時半と短い。われわれが帰着した時間にはもう営業は終了していたので行動食で食いつないだが、前日夕方までに注文すれば翌朝おにぎりを作ってもらえるので、不安に思ったらそうするとよい。
宿の送迎バスで昨日の道を辿り、女夫淵温泉から鬼怒川温泉行きのバスに乗ると、走り出したとたんに雨が降ってきた。しだいに強くなる雨の中、この短い旅の最後の楽しみとなっていた観光物産センターの屋台の鴨串焼きを堪能した。
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