「監督特集:ラージカプール」 (Raj Kapoop)
ボビー  BOBBY  (Bobby)

[1949年制作]

監督・・・Raj Kapoor

出演・・・Rishi Kapoor
    Dimple Kapadia
     Pran
     Premnath
     Durga Khote

 リシはね、努力したんだと思うのよ。それはわかるの。
幼少期に大きくなった脂肪はね、落ちにくいのよ。最近では脂肪の数も増えるっていうじゃない?こわいわよねぇ。でもねやっぱり努力するなら前夫人に「芸能人としての自分の商品価値を考えなさい」といわれて努力した
ジュリーぐらいは頑張んないとね。これが沖○也氏(注)ならとっくに涅槃で待ってるところよ。その革パンツはやめなさい、革パンツは。
カプールなら良いの?
そしてなぜ人はこれを
インド版ロミオとジュリエットと呼ぶのか?"家の猛反対にあいながらも愛を貫きまくる”というあたりがその理由とおもわれるけど、これがロミ・ジュリならばオリビア・ハッセーが布施明と離婚することも、レオ(ナルド・ディカプリオ)がM・ストリープに食われちゃうことも無かったのではとすら思うの。だってラストが凄いんだもの。あぁ言いたい…けど言わないね。
あの人とあの人達があんな・・・・・
ラカー!(「ガンジス・・」でのプレームナートの役名)それでいいのぉー!?
まだまだ解らないことが多すぎます。
 じゃあ
これが駄作かって?とんでもない!間違いなく傑作です、これ!こんな面白い映画作ろうと思っても、そう出来るもんじゃありませんよ。個人的に今回のNo.1ヒットです。
 どんな国でも
若さは暴走するものだということをBOBBYは身を持って教えてくれます。皆さんも気を付けましょうね。でも気が付かない方が幸せなことも・・・ありますね。

 呪われそうに赤いクチビルのラージャー(リシ・カプール)が歌う”MAIN SHAIR TO NAHIN”を聴いてしまったあなたはもう戻れません。きっと。

かんこ    

注)「沖雅也」という俳優がとても好きでした。彼にはあんな死に方をして欲しくはなかったけど、そう日影さん。もういいんですよね・・・
 ←その後のリシ

私はピエロ  MERA NAAM JOKER (I'm a Clown)

[1970年制作]

監督・・・Raj Kapoor

出演・・・Raj Kapoor
     Rishi Kapoor
     Simi Garewal
     Ksiena Rabiankina
     Padomini

・・・・・悲しいけれど・・・泣けない物語

ラージュー(ラージ・カプール)の愛は傷を残さない。
彼が恐れるものは?
彼の愛が足枷となること?それとも自分が傷つくこと・・・・

傍にいて欲しいとただその一言がいつも言えない。
君には君の可能性があるから、此処に留まることで、僕と一緒にいることでその芽を摘んでしまうことはないと。君の幸せをいつも願っている、幸せにおなり。僕は大丈夫だから。そうして彼は女達を送り出す。そしてそれは綺麗な思い出に、そこに傷痕があったことすら忘れてしまえる「温かさ」を伴う、でもただそれだけの、「特別な」という称号を戴き彼女たちの中に存在しつづける。
彼はその時の全てをかけて女達を愛しているように見える。しかし彼女たちがその瞳の中に自分を映すことを止めた時彼は、その愛をあまりにも容易に解き放つ。彼は果たしてそれを愛と信じているのだろうか?相手を気遣うことに包み隠しながらも実は自分自身を守っているだけなのではないか?なによりも大切であると、他の全てを無くしたとしてもあなたを失う以上の悲しみは無いと、伝えることの重みを背負うことから逃れているだけではないのだろうか。

それをやさしさと言うなら、その優しさは意味を持たない幻想でしかない。

自己防衛を自己犠牲故の愛と思い込んでしまった男の、悲しいけれど、だから、泣けない物語。

Kanko    

雨季  BARSAAT  (Rain)

[1949年制作]

監督・・・Raj Kapoor

出演・・・Raj Kapoor
     Nargis
     Premnath
     Nimmi
     K.N.Singh

雨季画像 
 完璧に美しいラージ・カプールと気品あふれる美しさのナルギスが奏でる愛のセレナーデ(照)。(ストーリー展開の多少の強引さには目をつぶり)悲劇的なラストをものみこんで、「誠実な愛のみが成就する」といったラージ・カプールの信念というか怨念すら感じさせる切ない恋の物語。このナルギスの美しさに(ちょっと前田美波里?)すっかりやられてしまった男性ファン(特におじさま)も多いようです。ラージ・カプール自身この映画での彼女とのワンシーンをカプールフィルムのロゴにしてしまうほどお気に入りのようです。田舎娘ぶりを表現しているらしいナルギスの鼻すすりという名シーンもあります。多くを語るよりその目で見てカプール映画の世界を味わって欲しい作品です。白黒ながらも鮮やかな色を感じさせるシーンが目白押しです。

 それにしてもこんなに非の打ち所が無いほどに美しかったラージ・カプールが晩年にあれほどまでに膨れ上がるとはこの時いったい誰が想像できたでしょうか?近頃の岡田○澄氏と彼の姿がだぶって見えるのは私だけでしょうか?ああっ、それにしても惜しいことを・・・

 音楽はクラシックを巧みに取り入れた名曲多し。です。

ラジニ   

火 AAG  (Fire)

[1948年制作]

監督・・・Raj Kapoor

出演・・・Raj Kapoor
     Nargis
     Kamini Kaushal
     Premnath
     Shasi Kapoor

もう一本「灼彗我無羅さん」の提供でお送りします。(プロフィールは「黒いダイヤ」参照)

 

 幼なじみのニンミーを思い続けるあまり、自分の恋人をニンミーと呼び続け、是が非でも演劇をやらせようとする、演劇おたくのストーカーが主人公。思えば迷惑なはなしである。三人目のニンミーの時、自分の親友までそのニンミーを好きになってしまって、親友にニンミーを譲るために火で顔を焼いてしまう。案の定、ニンミーは親友に乗り換える。三代目のニンミーも問題だが、主人公のナルシストぶりもたいしたもんだ。しかも、代々のニンミーに「ごめんなさい」されると「いいんだ、幸せにおなり、ニンミー。僕は君の幸せをいのっている。」などと、呪いのようなきめセリフをのたまう・・・。
 こんな迷惑な主人公が、親の勧める結婚で本物の幼なじみのニンミーと結婚してしまうなんてっ。やっぱりラージ・カプールは監督デビューから天才だ。

灼彗我無羅