Top浮世絵文献資料館浮世絵師総覧
 
名所編大田南畝(四方赤良・蜀山人)の詩・狂歌 〔名所編〕大田南畝関係
(江戸・長崎・大坂・東海道・木曾街道等の名所)
【ち】※◯は欠字、◎は表示不能文字
名所詞書・詩歌出典巻・頁年月日
ちょうじゃのとう
長者塔
「初夏、郊行 三層孤塔湧林中 遺像猶余媼与翁 長者黄金如胠篋 葳蕤花発午時風」
【塔は中野宝仙寺の東に在り】
南畝集18
漢詩番号3772
⑤282文化10年
1813/04/
ちょうせん
朝鮮
「朝鮮国に天満宮あり。ある人奉納の額にうたをこひければ
 あまみつる神のめぐみは日のもともこまもろこしもへだてあらじな」
放歌集②198文化9年
1812/07/
ちょうふ
長府(長州)
「早に長府を発す
 赤間関東長府城 南臨蒼海北榛荆 白砂黄葉長松下 更向山陽道上行
 むら時雨日影をまつの木の間よりもりくる露の光さしそふ」
小春紀行附録
南畝集15
漢詩番号2781
⑨87
④415
文化2年
1805/10/17
ちょきぶね
猪牙船
「(隅田川船遊山)新造の猪牙船を見て
 新造のあしかにあらでこぐ船のふすゐの牙に似るはいかにぞ」
〈新造船と吉原の新造とを掛けた狂歌。吉原の新造はよく居眠りをするので「あしか」の異名がある〉
巴人集②407天明3年
1783/05/
ちんざん
椿山
「七夕、諸子と同じく水月庵に集ふ。既に夜なり。月下に郊行す。六首 其の二
 蟹水清流浅 椿山片月孤 石苔随意歩 墅火入看無 橋断臨青壁 人稀度緑蕪
 浮遊皆率爾 不必哭窮途」
南畝集3
漢詩番号
0377
杏園詩集一
③132
⑥38
安永4年
1775/07/07
「初冬の郊行
 駒冢橋頭猪水干 憑夷宮下望林巒 一丘紅葉交黄葉 百尺清○落碧○ 山静霊椿思太古 雪飛芦荻送初寒
 田間野老終収穫 総作当年沮溺看
 【山を椿山と曰ふ。白馬台の西に在り】」
南畝集20
漢詩番号4567
⑤510文政3年
1820/09/
ちんりゅうけん
枕流軒(津和野)
「遥かに津和野の大夫の枕流軒に題す
 聞道名園倚一丘 大夫幽意好誰儔 枕流漱石同孫楚 乗興回舟似子猷 妹嶺斜迎明月出 松城半入城雲浮
 唯慙遠寄将遙想 謾擬登高作賦遊」
〈孫楚「漱石枕流」の故事〉
南畝集5
漢詩番号0965
③331天明1年
1781/閏5
ちんりゅうてい
枕流亭(是政村)
「三月念五、是政村舎に次(ヤド)る。庭に枕流亭有り
 一枕清白玉河 何人牽犢夢中過 覚来亭無塵雑 躑躅残紅蔭緑柯
 ながき日に親のいさめのうたゝねも老らくの身のさもあらばあれ」

〈枕流亭は是政村の農家、安左衛門宅にあり〉
「枕流亭に二夜ねて 玉川のながれに二夜まくらして左右の耳をあらひぬる哉
 雨中枕流亭眺望  玉水分沙礫 村烟緑樹疎 笠蓑春雨裡 独釣白鰷魚」
調布日記⑨274文化6年
1809/03/25・26
ちんりゅうてい
枕流亭
(周防厚狭)
「遙かに枕流亭に題す。亭、周防の厚狭市にあり
 一従孫楚洗其耳 韻士至今称枕流 奉使曾過厚狭市 塵中記得此亭幽」
南畝集20
漢詩番号4353
⑤449文化15年
1818/03/