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   名物編 大田南畝(四方赤良・蜀山人)の詩・狂歌〔名物編〕   大田南畝関係
     (動物・植物・食物・器物・鉱物等)
  【ち】※◯は欠字、◎は表示不能文字
名物詞書・詩歌出典巻・頁年月日
ちどり
千鳥
「千鳥 塩の山ひかぬもめでたさよ千鳥いつもさし出のいそいそとして」めでた百首夷歌①79天明3年刊
1783/01/
「空と海ひつたりつきの中川のばらばら松にたつ千鳥かな」蜀山百首
清好帖
①311
⑳372
文化15年刊
1818/01/
ちびきのたび
千曳の滝
「源氏にやり水のめいぼくあり。伊勢物語に滝おとし水はしらせし物ずきあり。そのいせの海のなぎさにひろふ貝坂のわたりに、玉川の水をせきいれて、前栽の池のに落くるを千曳の滝と名づくめるは、夏引の千曳の糸によるものならし
 夏引の千曳きの糸の滝壺につらぬきとめし玉川の水
 なるは滝の糸の千びきの長々とたえずふたり玉川の水」
六々集②218文化11年
1814/11/
ちゃ
「雪水、茶を煎ず 呼童聊対鼎 煎雪試烹茶 借問中冷水 何如六出花」南畝集6
漢詩番号1240
③427天明5年
1785/02/
「茶 人無不喫茶 喫去互相誇 誰是能知味 竟陵唯一家」
〈竟陵は『茶経』を著し茶聖と呼ばれた唐の陸羽〉
南畝集20
漢詩番号4567
⑤510文政3年
1820/09/
ちゃや
茶屋(出合茶屋)
「茶屋逢恋【五月十二日、孫彦会】 夕日かげさして人目にもるゝともよしやよしずの茶屋の色事」巴人集②405天明3年
1783/05/12
「叡麓八景 茶舗の夕照
 客を留む茶釜蔓自(オノズカ)ら長し 一盃汲んで出す煮花の香(カ)
 夕陽斜めに下る葦簾(ヨシズ)の外 遍く照す近辺名代の娘」
壇那山人
藝舎集
①459天明4年刊
1784/
ちょうせん
つうしんしせつ
朝鮮通信使節
「下官の唐人、朝鮮に還るを送る
 豕(ブタ)吼え鶏鳴く門跡(モンアト)の辺  今朝喰ひ散らして科川(シナガワ)に赴く
 氈(セン)は紅(アカ)し棧敷(サンジキ)花の三月  色は黒し往来路(ミチ)二年
 皆道(イ)ふ唐人好く物を書くと  誰か知らん悪筆銭に成らざることを
 富山(フジサン)美(ホ)められて還(カヘ)つて迷惑  少し計りの餞(ハナムケ)御目に懸け難し
寐惚先生文集①351明和4年刊
1767/09/
ちょうめいがん
長命丸
「長命主人の壁に題す  長馬
 世人交わりを結ぶに四目を須(モチ)ゆ 四目塗らざれば悦深からず
 縦令ひ洗濯して共に相穢すとも 真に是悠々たる快美の心
 長命丸元祖、明応年中にはじめて長崎へわたり、寛永年中御当地にて売はじむと、
 両国米沢町四目屋が招牌(カンバン)にみへたり。危檣(ホバシラ)丸は至て近世のものなり」
通詩選諺解①495天明7年刊
1787/01/
ちょきぶね
猪牙船
「(隅田川船遊山)新造の猪牙船を見て
 新造のあしかにあらでこぐ船のふすゐの牙に似るはいかにぞ」
〈新造船と吉原の新造とを掛けた狂歌。吉原の新造はよく居眠りをするので「あしか」の異名がある〉
巴人集②407天明3年
1783/05/
ちろり「雑二十首 世の中はさてもせはしき酒のかんちろりはかまきたりぬいだり」
〈天明五年刊『三十六人狂歌撰』①54・同七年刊『狂歌才蔵集』①46所収〉
蜀山百首
清好帖
①313
⑳383
文化15年
1818/01/
ちん
「狆に菓子をあづけたるかたかきて 加茂川の水双六の賽よりかちんが心にまかせざる菓子」放歌集②186文化9年
1812/04/
「払林狗のゑに 朝夕の手がひのちんが心にもまかせものはあづけたる菓子」万紫千紅
七々集
①287
②250
文化12年
1815/08/
「けいせい、払林狗をいだく画に
 君が手にいだかれてみんおいらんがふらんすこくのいぬとなりても」
紅梅集②330文化15年
1818/03/