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   名物編 大田南畝(四方赤良・蜀山人)の詩・狂歌〔名物編〕   大田南畝関係
     (動物・植物・食物・器物・鉱物等)
  【せ】※◯は欠字、◎は表示不能文字
名物詞書・詩歌出典巻・頁年月日
せつげっか
雪月花
「食肴飲酒曲肱而枕之。楽亦在其中矣 てる月の鏡をぬいて樽枕雪もこんこん花もさけさけ
 てる月の鏡をぬいて樽まくら雪もこんこん花もさけさけ〈文化15年〉
 箱根山の芦の湯にこの狂歌の石碑建立(『調布日記』附録 文化6年4月3日記事)
 三囲社への奉納狂歌額に 照る月の鏡をぬいて樽枕雪もこんこん花もさけさけ 奉納(「年譜」天明6年2月)
をみなへし
蜀山百首
調布日記附録
年譜
②18
①321
天明6年
1886/02/
「年譜」より
「庚午の春の雪は盈尺の瑞をあらはし、辛未の秋の月は五夜の清光あり
 去年は雪今年は月の大あたり思ひやらるゝ来年の花」
放歌集
千紅万紫
②160
①242
文化8年
1811/07/15
「月雪花 花はさかりに月はくまなきをのみ見るものかはと、ならびが岡のすめものはいへれど、花は立春より七十五日、月は三五夜中の新月、後の月もまためでたし。雪は豊年の貢物とはいへど、つめたく跡くさらかしもうるさしと、明阿弥陀仏のふみにもかけり。げにふるとても、若菜の価たかうならぬほどこそ、門田もる犬もよろこぶべけれ」あやめ草
千紅万紫
②65
①232
文化7年
1810/03/
せっこく
石斛
「此比京摂の間に石斛といへる草をめづる事さかりにして、一もとのあたえ、こがね七つ八ひらにいたるときゝて
 浪花江の藻にうづもれぬ岩木賊すりみがきたる玉柏より
 千代八千代ふるとしきけばさゞれ石のいはとくすりをとらん(杜蘭)とぞ思ふ
 石斛一名は杜蘭、いはとくさ又いはとくすりと云」
紅梅集②383文政3年
1820/01/
ぜにざいく
銭細工
「叡麓の稲神祠に銭を畳ねて仮狐を造る。奇功の極なり。観る者麇至す。戯れに賦す
 綏々曾聞阿紫名 如何枉屈孔方兄 肉肥狐臭疑銅臭 蝶化蘭英雑菊英 都下喧伝無足走 閨中妖媚探珠行
 祠前第一揺銭樹 欲与神威較重軽」

〈「四月朔日より、下谷正法院稲荷明神開帳(神田平永町小柳町より、大きさ九尺計りなる銭にて造りし狐の額と鍵の額とを納む。細工人舟月の門人舟水なり)」『武江年表』〉
南畝集18
漢詩番号3899
⑤316文化11年
1814/06/
せんそうじ
浅草寺
「浅草寺のうちをしばしあゆみて、あなうらに豆といふものふみ出しければ
 浅草のみてらの庭にふみいだす弘誓の海のふかき底まめ」
紅梅集②373文政二年
1819/02/
せんちゃ
煎茶
「雪水、茶を煎ず 呼童聊対鼎 煎雪試煮茶 借問中冷水 何如六出花」南畝集6
漢詩番号1240
③427天明5年
1785/02/
「雪に茶を煎ず 竹外茶煙颺且軽 朝煎積素与心清 匡牀細聴松風響 頻和窓前砕玉声」南畝集16
漢詩番号2862
⑤10文化3年
1806/01/06
せんとう
銭湯
「山手と同じく肥前座の操を見侍りし帰るさ、新和泉町の銭湯に入りしに、浴室新らしく清げなれば
 ひぜんなら薬湯へこそ入るべきに是はきれいな新いづみ町」
をみなへし②17天明元年?
1781/?
「本町がしの銭湯にてゆあみ侍んと、衣をぬぎて戸棚にいれんとするに、あまたの戸棚の番づけの七にあたれるもいまはしければ せんとうの戸だなは外になつ衣七といふ字が気にかかる錠」巴人集②406天明3年
1783/05/
せんべい
煎餅
「煎餅 こんとんの形に似たる煎餅の見はてぬ夢の寐覚にぞ喰ふ」巴人集拾遺②474未詳
せんだいじょうるり
仙台浄瑠璃
「奥州の詞(コトバ)  大瘤(オオコブ)
 座頭の茱萸(グミ)茶椀の盃(サカヅキ) 飲まんと欲して三線(サミセン)夢中に催す
 酔ふて仙台を唱ふ君笑ふこと莫(ナカ)れ 古来の音曲幾(イクバク)人か哀しむ」
通詩選諺解①481天明7年刊
1787/01/
せんりきょう
千里鏡
「少年の千里鏡を窺ふを見て戯れに賦す 小楼臨岸美人家 終日婆裟不績麻 且与少年窺遠鏡 遠山眉黛霧中花」南畝集15
漢詩番号2694
④387
文化2年
1805/06/