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   人事編 大田南畝(四方赤良・蜀山人)の詩・狂歌 〔人事編〕    大田南畝関係
     (世相・流行・生業・見せ物・飲食等)
  【よ】
事項詞書・詩歌出典巻・頁年月日
よさむ
夜寒
「夜寒 かりがねをつけたる蚊屋のつり手より足ものばさぬ秋の夜寒さ」巴人集②395天明3年
1783/03/
よしちょう
しょうねん
芳町の少年
「白壁の画に題す
 僧は敲(タタ)く月下裏門(ウラモン)の辺  親父橋の東少年多し
 二座の芝居崩れて散と欲す  挑灯の紋所簾前を照(テラ)す

  右芳町少年」
壇那山人藝舎集①464天明4年刊
1784/03/
よたか
夜鷹
「夜鷹小屋に過ぎる
 夜鷹小用を好む 此(ココ)の隅彼処(カシコ)の隅
 妾(ヲンナ)は怪異鳥(カハツタトリ)の如く 君(キヤク)は磔(ハリツケ)場の烏の似たり
寐惚先生文集①352明和4年刊
1767/09/
「夜鷹(ヨタカ)の鼻歌折助(オリスケ)様(サン)に贈る  平原之
 蕎麦(キヤウバク)犢鼻(フンドシ)の虱(シラミ)  本荘(ホンジヤウ)鮫橋(サメガハシ)の鷹
 只原中に来つて臥す  畳の上に向かつて登らず
 夜半寒々として念仏曙(アケ)  面体新に発す楊梅樹
 楊梅昼間撩乱として看る  夜に当り色を発して川端に立つ
 六銭兌(カ)へ得たり裏波の色  女悦(ニヨヱツ)春心長命丸
 三十振袖四十を待ち  還つて島田を将(モ)つて君が歓を尽くす」

〈『唐詩選』所収、衛萬の「呉宮怨」のパロディ〉
通詩選①439天明4年刊
1784
「みやこの惣嫁、あづまの夜鷹てふものは、古へのたち君にちかし。宵のまはゑりあまさるゝたち君の五条わたりの月ひとり見る。とよませ給へるあはれふかし。近比あはれに聞へしは、葛飾の跖婦伝、ちり塚のまつ」
(夜鷹客引きの図に夜鷹のかけ声)
「もし/\たちよらせ給へ」「たちよりていかずかへ」「いざしばしあそび給へ」「今ひとつたべ」
〈鍬形蕙斎画・四方赤良詞。後序「文化ときこゆる年のはじめやよひの比、杏花園書」とある。「跖婦伝」とは泥郎子(山岡浚明)の戯作『跖婦人伝』(寛延2年・1749成立)に登場する夜鷹・お跖のこと。塵塚のお松(「はきだめお松」ともいう〉は宝暦の頃評判をとった三田の私娼〉
職人尽絵詞②531文化1年
1804/03/
「立君の讃 いにしへの名にたち君ときこへしは葛飾の跖(セキ)ちり塚の松
 葛飾のせきは跖婦伝にみえ、はきだめおまつは馬文耕が書し江戸著聞【欄外。武野俗談】にみゆ」
万紫千紅①273文化11年
1814/