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   人物編Ⅱ 大田南畝(四方赤良・蜀山人)の詩・狂歌〔人物編Ⅱ〕   大田南畝関係
      (神話・伝説・故事・歴史上の人物)
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人名詞書・詩歌出典巻・頁年月日
かいたいしん
解大紳
「戯れに庭上の七樹を詠じて解学士の「七鳥虫詩」に傚ふ
 松竹桜楓桃杏梅 香雲埋樹雪埋苔 渉園陶令盤桓撫 寄宅王猷取次栽
 霜葉風翻看錦砕 霊源犬吠識人来 欲逢壇上漁夫語 恰有江南駅使回」

「附録 解大紳「七鳥虫」
 鵲蜂燕雁蝶鴬蝉 採蜜尋芳色更鮮 早出茂林声噪々 晩帰画閣舞翩々 喜伝蘇武胡中信 悶解荘周夢裏眠
 緑楊枝上曾啼暁 一声鳴破暮秋天」
南畝集16
漢詩番号3113
⑤86文化4年
1807/11/
かきのもと の
ひとまろ
柿本 人麻呂
「柿本神祠に題す 千載遺編有国風 長将詞筆代天工 古祠秋色丹青落 猶自園林柿葉紅
 又 暁霧纔分赤石流 柿公祠上望悠々 当時風色長如此 万古空悲蔵壑舟」
南畝集1
漢詩番号0044-5
杏園詩集
③17
⑥27
明和9年
1772/03/18
「人丸 島がくれゆく舟形のほのぼのと遠目のきゝし人丸のうた」六々集②223文化12年
1815/01/
「柿本人丸 あし引の山鳥のおのしたりがほ人丸ばかり歌よみでなし」
 本歌 あしびきの山鳥の尾のしたり尾の長々し夜をひとりかも寝む
狂歌百人一首①327天保14年
1843/08/
かくしぎ
郭子儀 (唐)
「郭汾陽弄孫図に題す
 黄髪皤々一老人 児孫羅列日相親 二十四孝中書今 天下安危在此身」
〈唐・郭子儀。安史の乱を平定。武人から最後は中書令に昇進〉
南畝集13
漢詩番号2129
④216享和2年
1802/05/
「蔡伯喈、郭有道の碑本を観る
 蔡邕無慙有道碑 先生明哲有誰知 何唯百世伝芳烈 浩々汪々不可期」

〈後漢・蔡邕曰く、碑銘を多作したが「郭泰碑」だけは「恥じるところなし」と〉
南畝集20
漢詩番号4512
⑤494文政2年
1819/11/
かすがのつぼね
春日の局 (鱗祥院)
「秋日、麟祥院大夫人の像に謁し奉る
 開国祥雲羽翼新 仰攀天上指麒麟 誰知二八功臣外 遺像儼然有婦人」
南畝集9
漢詩番号1800
④109寛政4年
1792/07/
かてき
貨狄 (中国)
「あぶかしい一葉にのれる蜘蛛をみて舟をつくりし無分別もの」
〈『万紫千紅』①268は画賛「柳の葉に蜘蛛の乗りたる絵に」〉
蜀山百首
清好帖
①313
⑳384
文化15年
1818/01/
かとう
賈島 (唐)
「隠者を尋ねて逢はず 閑雲時出岫 未見主人帰 植杖青苔径 題詩白板扉」南畝集7
漢詩番号1487
③511天明8年
1778/10/
「僧敲月下門 終年不出住山中 月出空山影亦空 唯有一僧来剥啄 柴門長鎖虎渓東」
〈「李凝の幽居に題す」〉
南畝集8
漢詩番号1680
④65寛政2年
1790/08/
「三月尽、賈島の韻を次ぐ 閏余気候入初夏 他日鴬花馴此身 不惜今宵三月尽 風光已是属残春」南畝集9
漢詩番号1786
④105寛政4年
1792/03/30
かまくら の うだじん
鎌倉右大臣
「鎌倉右大臣 波かぜの常にかはれば渚こぐあまの小舟の船人かなしも」
 本歌 世の中はつねにもがもな渚こぐあまの小舟の綱手かなしも
狂歌百人一首①338天保14年刊
1843/08/
かめづるひめ
亀鶴姫 (沼津)
「黄瀬川。亀鶴墓有り 伝聞黄瀬岸 中有美人塋 不見煙花色 徒伝亀鶴名」南畝集14
漢詩番号2481
④323文化1年
1804/07/26
かわず またの
河津 股野
「河津、股野 すけ殿もまさこも角力見物は赤沢山の棒柱の外」放歌集②183文化9年
1812/03/
かわら の さだいじん
河原左大臣 (源融)
「河原左大臣 陸奥のしのぶもぢ/\わがことを我ならなくになどとまぎらす
 本歌 陸奥のしのぶもぢ摺り誰ゆゑに乱れ初めにし我ならなくに」
狂歌百人一首①328天保14年刊
1843/08/
かんそこうぼう
漢楚興亡
「詠史
 虎狼一失鹿 群雄已力争 戍卒何為者 白梃撻利兵 其志雖不遂 天地称先鳴
 項籍万人敵 書剣学不成 一挙僇守通 三月火秦城 指揮白日動 叱咤悲風生
 若何蓋世気 反背関中盟 若何抜山力 不守垓下営 大哉漢高徳 赤幟樹風声
 手提三尺剣 幷呑諸侯兵 転輪任蕭曹 籌策仗良平 起自一布衣 永為天下貞
南畝集1
漢詩番号0128
杏園詩集
③43
⑥29
明和9年
1772/09/
かんゆ
韓愈 (唐)
「燈花を詠ず
 独夜寒燈結作花 蘭膏火斉両相誇 三珠樹向風前麗 七綵装臨席上斜
 已似仙盤擎露掌 還疑載勝剪瑶華 心中有喜誰能識 剔却佳人白玉釵」
南畝集1
漢詩番号0131
③44明和9年
1772/09/
かんこう
韓翃 (唐)
「七月九日、長静斎を訪ふ。席上、唐の韓翃の「同じく仙台観に題す」の詩を観て、其の韻を歩す
 咋雨蕭々乞巧楼 陰雲連日未全収 天辺積霧開晴色 郭北幽栖訪早秋
 風送蝉声千樹静 露余蓮子半池幽 酢来試把唐詩読 疑是飄颻放一丘」
南畝集9
漢詩番号1853
④126寛政5年
1793/07/09