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   人物編Ⅱ 大田南畝(四方赤良・蜀山人)の詩・狂歌〔人物編Ⅱ〕   大田南畝関係
      (神話・伝説・故事・歴史上の人物)
  【い】◯は欠字、◎は表示不能文字
人名詞書・詩歌出典巻・頁年月日
いいん
伊尹
「伊尹は俎板を背たらおひて成湯に目みへし、山かげの中納言は口腹のために無味をわする、十能のひとつかぞへて一座の興をたすく、それゆるがせにすべけんや
 客をみてなぎなたならぬあしらひは料理に上もなきり包丁
 これは尾張のみたちにつかふなる調理をこのめる人にかきおくれるなり」
をみなへし②5未詳
いしかわ じょうざん
石川 丈山
「石川丈山先生の百五十年忌
 三河名士石徴君 功業能兼武与文 堂掲詩仙伝後世 城収首級冠前車
 自甘棲逸台山下 不渡鴨煙花水濆 百尺芙蓉千古雪 長懸白扇掃塵氛」
南畝集20
漢詩番号4578
⑤513文政3年
1820/12?
いずみ しきぶ
泉 式部
「和泉式部 あらざらん未来のためのくりことに今一たびの逢こともがな」
 本歌 あらざらむこの世のほかの思ひ出にいまひとたびのあふこともがな
狂歌百人一首①334天保14年
1843/08/
いせ
伊勢
「伊勢 なにはがたみじかき芦を伊せならばたゞ浜荻とよみそうなもの」
 本歌 難波潟短き芦のふしの間も逢はでこの世を過ぐしてよとや
狂歌百人一首①329天保14年
1843/08/
いせのたいふ
伊勢 大輔
「伊勢大輔 いにしへのならのみやこの八重桜さくらさくらとうたはれにけり」
 本歌 いにしへの奈良の都の八重桜けふ九重ににほひぬるかな<
狂歌百人一首①329天保14年
1843/08/
いせい
夷斉 (伯夷・叔斉)
「将に崎陽に之かんとして口号す
 五十余年任拙工 行蔵共比信天翁 自今縦酌貧泉水 不変夷斉百世風」
〈「滔々たる欲海」(書簡108・⑲155)、長崎への出張が決まって、清廉潔白を期す南畝〉 
南畝集14
漢詩番号2469
④320文化1年
1804/06/18
いっきゅう
一休
「一休和尚のゑがける烏扇のかたをうつして歌よめといひければ
 扇面になかぬ烏の画をみれば生れぬ前の大徳寺なり」
〈天明5年刊『狂言鶯蛙集』の「雑歌」に所収〉
巴人集②452天明5年
1785/01/
いとう じんさい
伊藤 仁斎
「歳暮、茅野天神祠に梅を看る。祠上、仁斎の北野の詩を題す。因つて其の韻を次ぐ
 茅野疎枝横白雪 縁山精舎布黄金 清香不尽菅祠下 残蝋偸春歩淡陰」
南畝集15
漢詩番号2852
⑤5文化2年
1805/12/
いばらきどうじ
茨木童子
「白壁の画に題す
 渡辺の源五功名有り 片腕誰か憑(タノ)まん茨木の情
 鬼の目にも亦応に涙の雨を含むべし 羅城門外黒雲生ず

  右茨木童子の腕を失て涕泣する図」
〈草摺引・芳町少年の図とともに三幅対か〉
壇那山人
藝舎集
①464天明4年刊
1784/03/
いながき はくがん
稲垣 白巌
「冬日、白山妙清寺に過りて白巌稲垣先生の墓に謁す
 白山長駐白巌名 白日冥冥長夜情 不見生芻余一束 聊将残菊奉墳壁」
南畝集9
漢詩番号1879
④135寛政3年
1791/10/
いんちゅうはっせん
飲中八仙
「飲中八仙
 知章  井戸ばたの茶碗酒にて馬の耳風ふきおくる猪の牙の舟
 沙(ママ)陽 酒の香の匂ひくるまのかうじ町十三丁やよだれたらさん
 左相  聖人のたのしみ酒もはかりなく日には十貫文の入用(ニフヨウ)
 宗之  盃のひかりもさすが男へしくねりまはらず皎としてたつ
 蘇晋  さけをのむ長斎坊主めでたしと布袋一ふく床にかけ物
 李白  勅諚といつても一斗詩百ぺん百ぺんよべどしら川夜舟
 張旭  柳髪すゞりの池にひたしつつむかふ旭のからす羽の文字
 焦遂  五斗/\とどもるどもりも銭ごまのはだしで逃るぐたをまき舌」
千紅万紫①259天明5年
1785/01/
いんぶもんいん の
たいふ
殷富門院大輔
「殷富門院大輔 あと先の紀伊も讃岐も袖ぬれて殷富門院矢張同談」
 本歌 見せばやな雄島のあまの袖だにもぬれにぞぬれし色は変はらず
狂歌百人一首①337天保14年
1843/08/