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   画賛編 大田南畝(四方赤良・蜀山人)の詩・狂歌 〔画賛編〕   大田南畝関係
  【く】※実際に揮毫したかは問わない。◯は欠字、◎は表示不能文字
画題画賛出典巻・頁年月日
くぐつし
傀儡師
「白拍子おちよが求に応じて扇の画にたゝえごとし侍りし中に、くゞつつかふものゝかきたるに
 人形をつかふおもてのしろゞろと見ゆる黒このうちぞゆかしき」
巴人集②412天明3年
1783/06/
「傀儡師の図
 西の宮の名代傀儡師(クハイライシ) 一曲の機関(ノゾキ)小児を騙す
 廻向院前慎て過ること莫れ 大人亦山猫の欺きを被る」
壇那山人
藝舎集
①465天明4年刊
1784/03/
くさずりびき
草摺引
「題白壁の画に題す
 一曲の三絃大薩摩 二人の勇力孰れか尤も多き 汝は曽我五郎時致 吾は是れ小林の朝比那
 右草摺引」
壇那山人
藝舎集
①464天明4年刊
1784/03/
くじら
「鯨潮吹く図に題す
 背は小山の若(ゴト)く髭は林の若し 猟師目鯢(メクジラ)立て相尋ぬ
 今朝見届る潮を吹く処 七里の繁盛第一の森」
壇那山人
藝舎集
①461天明4年刊
1784/
くすだま
薬玉
「十二月画賛 五月 長命のいとゝしきけば薬玉はあやめの酒の百薬の長」七々集②263文化12年
1815/10/
くすのき まさしげ
楠 正成
「淵珠堂に楠廷尉の図を観る。詩仏、転落二句を題す。予、起承二句を題して五絶を為す
 日月沈芳野 風雲散葛城 覃 古今第一士 空負忠臣名 天民」
南畝集17
漢詩番号3322
⑤148文化7年
1810/01/
ぐそくし
具足師
「紺屋町一丸の屏風に職人尽の絵あり
 具足師 太平の御代にうまれてむし干のかざりの具足おどす目出たさ」
万紫千紅①272文化11年
1814/
くも
蜘蛛
「やれたる壁に蛛のゐのかゝれる画に わがせこがよしや来るとも此やどは何もくはせぬ蛛の振舞」放歌集②195文化9年
1812/05/
「柳の葉に蜘蛛の乗りたる絵に あぶかしい一葉にのれるくもをみて舟をつくりし無分別もの
〈黄帝の臣・貨狄、一葉に乗る蜘蛛を見て舟を考案した人。『蜀山百首』『清好帖』所収〉
万紫千紅①268文化15年刊
1818/01/
くめせんにん
久米仙人
「久米仙人の図に題す 素足誰家女 浣紗春水浜 頓令天上客 長作謫仙人」南畝集8
漢詩番号1711
④75寛政1年
1790/10/
「久米仙人の画に たをやめのあらふ衣の塵ひぢやつもりてなれる恋の山人」をみなへし②23文化
「二幅対の画賛 物あらふ女 物あらふ女の脛をみてしよりおこす心慾垢ぞうき
「久米仙人 仙人も通といふものうしなはゞ野暮天にこそすむべかりけれ」
紅梅集②349文政1年
1818/07/
くらべうま
競馬
「競馬の画 かちまけの二葉あらそふあふち草車も人ものりくらべ馬」紅梅集②343文政1年
1818/06/
くり
「画栗に題す 盤中此栗種何辺 桃栗三年柿八年 如是丹波爺打栗 曾参亦復返車旋」壇那山人藝舎集①463天明4年刊
1784/03/
「十二月の画賛 十月 柿栗 神無月神のお留守にうみ柿のいつみつ栗とゑみさけてまつ」七々集②264文化12年
1815/10/
くるまひき
車引き
「尾張のみたちにつかふまつれる岡田氏のもとよりかずの絵をかヽせて、これにたゝえごとをそへてよとてこされしうち(中略)車引、牛車の上に仰ざまにふしてひかれ行かたかきたる
 小車の牛の角文字ゆがみもじ大の字なりにいびきかくなり」
をみなへし②14天明1年?
くろきうり
黒木売り(大原女)
「黒木うり、紅葉をかざす絵に 小原女が黒木に紅葉をりそへて竜田高尾と色やくらべん」六々集②250文化12年
1810/02/
「十二月の景物に女の風俗ゑがけるに
 四月 黒木売の女房 一声を人に忍の黒木うりやせや小原の山ほとゝぎす」
七々集②285文化12/12/