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   画賛編 大田南畝(四方赤良・蜀山人)の詩・狂歌 〔画賛編〕   大田南畝関係
  【き】※実際に揮毫したかは問わない。◯は欠字、◎は表示不能文字
画題画賛出典巻・頁年月日
ききょう
芋の葉に桔梗
「芋の葉かげに桔梗の画 秋ちかく花さきそむる恋風にかぶりをふれるいもはあらじな」あやめ草②90文政4年
1821/08/
きく
「菊を画く 手采東籬菊 南山入眼来 南山不改色 晋室已蒿莱」
〈陶淵明「飲酒二十首」「采菊東籬下 悠然見南山」〉
南畝集17
漢詩番号3336
⑤153文化7年
1810/02/
「菊の画に 七百の慈童もありときくの花高野六十那智はものかは」千紅万紫①252文化9年
1812/12/
「菊の花いけを持来たる女 十二月画 九月
 おやしきのやの字にむすぶ帯のたけ長々月の菊の口上」
六々集②250文化12/02/
「菊を画く 此物有佳色 看来生隠心 何人三径裏 分得一叢金」
〈三径とは松・菊・竹のある隠者の庭〉
南畝集19
漢詩番号4065
⑤365文化12年
1815/07/
「竹に菊の画に くれ竹のよはひも長き菊慈童七百歳や千とせへぬらん」七々集②298文化13年
1816/02/
「菊を画く 何処多佳色 柴桑処士家 寧辞五斗米 不負一叢花」南畝集19
漢詩番号4500
⑤491文政2年
1819/09/
「鍬に菊 淵明帰故郷 土百姓田園 彭沢代官殿 把鋤掘菊根」巴人集拾遺②497文政2年
1819/
きくざけ
菊酒
「菊の絵かきたる盃に 酒のめばいつも慈童の心にて七百歳もいきんとぞおもふ」放歌集
千紅万紫
②165
①246
文化8年
1811/09/
「十二月の画賛 九月 菊に琴に酒壷 淵明がつくらぬ菊に糸のなきことたるものは一盃の酒」七々集②264文化12年
1815/10/
きくじどう
菊児童図
「慈童菊を見るの図に題す
 記得太平記 謬悠玄恵文 蓮経滴露写 菊葉兼花芬 彭祖顔長駐 周王寵不群
 僻書何所載 浅見未曾聞」
南畝集14
漢詩番号2593
④355文化1年
1804/11/
「菊慈童画賛 健叟太平記 慈童七百齢 応将墨菊事 附会法華経」巴人集拾遺②498文政3年
1820/
きくにいぬ
菊に犬
「小田原の宿のあるじ、うつし絵に歌かきてよとこふ。そのゑは菊に犬なり
 やま人の菊の下梅雨うちはらふ手がひの犬や雲に吠えへけん」
〈主人の名、三四郎。⑨79〉
小春紀行附録⑨101文化2年
1805/11/16
きじ
雉子
「雉に桜のゑに きゞすなくけんけんけんをけんとして桜色なる色にかへめや」放歌集②200文化9年
1812/08/
「雉子のゑに 春の野にあさるきゞすのけんけんを色にはかへぬ妻恋の声」紅梅集②311文化14年
1817/09/
きつね
「狐、藻をかづく画に うつくしき女とみほし狐こそ人の思ひをやきねづみなれ」をみなへし②3不明
「狐、藻をかづく画に 浜村の大夫さんには藻をかつぐ狐もかなやせん女なるべし」あやめ草
千紅万紫
②77
①237
文化7年
1810/07/
きつねけん
狐拳
「狐拳のかたを融川法師のかける三幅対の絵に詩歌せよと、秋田の大守の求によりて
 左 狐  をぎつねにめぎつねまじり拳酒もきはまる時はらん菊の園
 中 名主 名主組頭年寄交 門前高札守如教 常々急度能申付 在々何人放鉄砲
 右 鉄砲 てつぽうの玉の盃そこぬけにうつや一けん二けん三けん」
放歌集②190文化9年
1812/05/
きのこ
「十六さゝげとなすび、はつたけかきたる扇に
 年はまだ十六さゝげおはぐろをつけなすこともけふが初たけ」
巴人集②429
②449
天明4年
1784閏01/
「初茸の画に 秋の田のかりほの庵の歌がるた手もとにありてしれぬ茸狩」
〈『蜀山百首』①310『清好帖』⑳367〉
七々集
巴人集拾遺
②251
②478
文化12年
1815/08/
き の つらゆき
紀 貫之
「紀貫之の馬に騎りて蛾通神嗣を過ぐるの図に題す 風雨馬難前 叢祠深自鎖 蟻通九曲珠 人点一燈火」南畝集7
漢詩番号1460
③503天明8年
1788/05/
きょうかひゃくしゅ
狂歌百首
「百首狂歌画の巻首に題す
 予嘗て狂歌百首を書して家に刻す。福屋穣樹子見て之を喜び、乃ち太玄斎素川翁をして其の意を画かしめ以て巻と為す。絵事の妙、気韵生動、筆の至る所意亦た至る。古云ふ詩は声有る画、画は声無き詩と。豈に啻に詩のみならんや。狂歌亦然り。文政庚辰孟春七十二翁蜀山人書于杏花園」
紅梅集②384文政3年
1820/01/
ぎょおう
漁翁
「竹党紀 寧 の画に題す 孤蓬短棹任西東 転入千糸撩乱中 何処柳陰当下網 満天風雨一漁翁」南畝集12
漢詩番号2096
④200享和2年
1802/02/
ぎょほ
漁夫図
「漁父図に題す 漁人結網下風湍 岸上松杉白日寒 二十年来羈宦客 悵然徒作羨魚看」南畝集8
漢詩番号1511
④8寛政1年
1789/02?
「漁父図に題す 乍出緑楊間 偏随碧水湾 酒銭無与有 唯在得魚還」南畝集14
漢詩番号2592
④355文化1年
1804/10/
「漁父の図に題す 漁翁酒銭外 此生何所求 飄々岸上柳 一葉飛為舟」南畝集17
漢詩番号3390
⑤166文化7年
1810/07/
「漁父の図に題す 寧為自物者 不為自我者 鷹揚牧野天 舎子其誰也」南畝集18
漢詩番号3519
⑤209文化8年
1811/05/
きょゆう
許由
「蘭叟許由の画に 耳あらふ人こそなけれ今時は富貴に牛のよだれして」紅梅集②364文政2年
1819/04/
金竜山(浅草寺)「金竜山の図に題す 誰道金竜此地蟠 晴山凝黛墨河干 双身自有天王在 幾客来供歓喜団」南畝集17
漢詩番号3301
⑤142文化6年
1809/12/