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   絵師編 大田南畝(四方赤良・蜀山人)の詩・狂歌 〔絵師編〕   大田南畝関係
  【す】※実際に揮毫したかは問わない。◯は欠字、◎は表示不能文字
絵師詞書・詩歌出典巻・頁年月日
すうじゅ
森 嵩樹
「森嵩樹が画賛 峯村漁翁(南畝)
夕立に馬士明俵をかぶりて行 いたゞくも菩薩をこめの明俵ぬれ仏にまさる夕立
 薪おへる山人ほとゝぎすをきく きのふまで花にな薪をおろせしがけふ肩かへて山郭公
 ふじの山に紅葉あり 蜀紅の錦にまさる紅葉々をふじの高ねにつけてこそみれ
 蜂房が遊客の画に あゝまゝのかたはれ時にたちいでゝ帰りはいつもおそのたはれお
 芸者のゑ ねがはくは身をもち菓子の一包三線箱の中かくれん」
玉川砂利⑨297文化6年
1809/02/05
すうしょう
嵩松
「嵩松が朱買臣の画に題す
 鉈子(ナタ)一丁一把の薪 傍らに開く一巻更に人無し
 知んぬ君が能く盆中の水を覆して 墨画に画き成す朱買臣」
壇那山人
藝舎集
①465天明4年刊
1784/03/
「もくあみ初会の日、算木有政が扇にあみひく所のかたかきたるの狂歌せよといへば
 これやこのあこぎがうらでは網をひくすきやがしでは木あみをひく」
〈元木阿弥(嵩松)の狂歌会〉
巴人集②429天明4年
1784閏01/03
すずき ふよう
鈴木 芙蓉
「木芙蓉の美人図に題す 二八佳人玉作容 徘徊故傍木芙蓉 朝雲忽散陽台雨 更見新花帯露濃」南畝集7
漢詩番号1342
③464天明7年
1787/02/
「芙蓉翁の寿星の画に題す (詩なし)南畝集16
漢詩番号3101
⑤82文化4年
1807/10/
すずき りんしょう
鈴木 隣松
「隣松子の席画を見侍りて 毛氈の花の赤らをたべ過てとなりの松の前もはづかし」巴人集②396天明3年
1783/03/
「桜のもとに三猿あり。一ッの白猿口をとぢて両の手にて二ッの猿の耳と目をふたぎたるは、 見ざるきかざるいはざるの心なるべし。隣松の筆なり
 面白い事をも見ざるきかざるは桜を花といはざるの知恵」
あやめ草②70文化7年
1810/03/
「隣松のかける鰹に卯花 面白し雪を隣の松の魚大根おろしにあらぬ卯花」をみなへし②52文政5年
1822/11/
すけのぶ にしかわ
西川 祐信
春の色 【西川祐信全文】 山頭春やぶれてと、もろこし人もつくれば、やはらぐ国のやまの露を思ひやる空もうき/\と、もゝちの鳥のさえづり、げにや星に似たる白梅の姿、是ぞ十五六の若衆じまん、男のつぼみともいはめ。(以下略)」
夏の旦 夏はよるこそと清女の物づき、した心は恋をもたせたるをしらずや。花紫のかきつばた、ねすりの衣色やさめなんと、男をまへにをき女のかこつも十七八の秋の風、ふり袖も久しくきぬ世とはなりぬ。(以下略)」
秋の題 入日花やかに、秋のこずゑはもみぢせし、たつたひめといふも目に見へねと、ふうのよいにはきはまつたり。露も見るほどの草ぐさ、是ぞぬれのさかり、月も有明のころ、廿五六の男は女にうれしがらする事をよくおぼへて(以下略)」
冬の品 神な月たがまことよりふうふの中のちわごと、是ぞたのしみの至極、釈迦も鼻をひらるべし。たうとい事は外にあらしのあした、をち葉の夕ぐれ、雪見酒のかんきをしのぐといへど、ならべ枕のひとつよぎのあたゝかさ(以下略)」
「右節録西川氏風流長枕四季詞以為跋尾耳 蜀山人」
紅梅集②335文化15年
1818/04/