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日本文化の代表として能と茶道があげられます。確かに純粋の日本文化とは何かと考えた場合に、まず思いつくのはこの二つでしょう。その他の日本文化は、ほとんど日本化したとはいっても、仏教を初めとして大陸、遠く中東、近代では西欧の影響を強く受けていますね。その点、室町時代の侘び、寂びは、大変日本的なものです。後は、鎖国を続けた江戸時代までありませんかね。
日本美術史を造型という観点から描いた水尾比呂志の「日本美術史」には次の通り能が説明されています。
「室町将軍は、民衆の神事芸能であった猿楽を保護して、これを武家の式楽とした。貴族の式楽であった雅楽に対して、武家が武楽を持つことを望んだのは当然である。観阿弥世阿弥は、抜擢して保護してくれた義満の要望に応えて、猿楽能を洗練し完成させた。」
さて、この写真の能舞台は国立能楽堂のものですが、600年前の木、柱は400年前の木を使用してあるそうです。そして、日本人らしく能舞台を神聖なものと考え、能舞台には絶対に土足では上がりません。ただ、舞台に上がる場合に、白足袋を履きますが、白は有ってないこと、無を意味していますので、履いていないのと同一とみなします。緊張感に満ちた張り詰めた能の雰囲気は、このような強い精神性をもとに出てくるものと思われます。


囃子は、笛、鼓、小鼓、太鼓から構成されますが、特に鼓の張り詰めた音をここにご紹介しておきます。

 

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 (能面)