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私は、旅行先で仮面、マスクを買うことが多かったのです。今では結構たまってしまいました。それらを我家の壁に飾って悦に入っています。最初に買ったのは、中学生の時で、奈良で般若面を買いました。海外で買ったものは、エスニックなものが多っかたのですが、それもおいおい紹介したいと思います。ここでは、修善寺で買った木彫りの「小面」を紹介します。木彫りですから、その分温かみが感じられ、大変気に入っています。また、水尾比呂志の文章を引用し、能面の由来を記したいと思います。
「能は仮面をつけて演じられる。武家の式楽となったことは、能面の性格にも、それにふさわしい気品と強い表現を要求して、多くの面打の名手を生み出した。室町中期までの面打には、日光、弥勒、赤鶴、越智、竜右衛門、夜叉、文三、小牛、徳若、石王兵衛、千種などがいたらしく、義満の同期衆増阿弥も名人の一人だった。奈良豆比古神社のべし見面、天川社の老人面、正福寺海神社男面、丹生神社の面、栃木輪王寺の女面などの室町初期の面は、以後、中将、若男、小面、曲見などと呼ばれる面の原型となったものである。能面は、室町中期から後期にかけて形式が整い、近世に受継がれた。能装束も能面もみごとな造形美を有する日本独自の所産であって、能の美しさはこれと切離して考えることはできない。武器を除いてはさして大きな創造をなし得なかった中世武家が、みずからの手で育て上げた造型として、それは誇るに足る文化遺産であった。」

 

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