ヘンリー コウエル レッドウッド州立公園は、ハイウェイ9号から1マイルも離れていない所に位置し、またサンタクルーズという海岸沿いの観光地に近い場所でありながら、樹齢1000年を超すレッドウッドを含む自然林が保存されています。この地域には、かつて1870年代後半に生石灰の工場が造られ、できた生石灰は漆喰の材料として、近くのサンンタクルーズからサンフランシスコに向けて船積みされていました。その当時石灰岩から石灰を作るための炉の燃料として、あるいはできあがった石灰を入れる樽の材料として多くのレッドウッドが切られました。このため、はじめからこの地域に生えていて生き残っている樹木は、この公園の樹木の内の3パーセントになっています。
 それでもレッドウッドの生えている他の場所の州立公園や国立公園と違い、交通の便がよいこと、自転車や馬で回れるコースなど様々なハイキングコースが用意されていることなどから、万人向けの公園になっています。特に駐車場に近い1キロメートルあまりの見学コースは、ここに生えているもっとも古く大きな木々を巡り、また平坦で車いすの利用も可能な設計になっています。
 セコイアと呼ばれる木々の内、レッドウッド(コーストレッドウッド)が真のセコイア(Sequoia sempervirens)で、海岸沿いの標高600メートル付近までの地域に分布するのに対し、ジャイアントセコイア(シエラレッドウッド)(Sequoiadendron giganteumu)はシエラネバダの標高1350メートルから2400メートルにわたる地域に断続的に分布します。ヘンリー コウエル レッドウッド州立公園に生えているのはコーストレッドウッドで、その分布域の南限ちかくにあたります。
 
                                                   
       
公園へのアプローチ、写真右側はやや湿地のようになっています。   馬で回ることのできるコースもあります。 「マウンテンライオン」  でるんだそうです。
 
園路は歩きやすく、大きな木々の間を巡ります。
    林床にワスレナグサとビンカが咲いていました。ビンカはヨーロッパ原産の帰化植物のようです。
       
  レッドウッドの幹肌。杉に似て、ささくれだった感じにはがれる。    

ダグラスファーの幹肌。松のように、厚い皮に割れ目が入るのが特徴。

 
     
                           

レッドウッド(左)とジャイアントセコイア(右)の葉と実。 イラストはWillis Linn Jepson(1934)                      「TREES, SHRUBS AND FLOWERS OF THE REDWOOD REGION」から引用

     
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