Homestead
High Schoolについて
Homestead High Schoolはサンフランシスコの南、クパティノ市に位置する4年制の高校です。カリフォルニアの青い空の下、学校全体が明るい印象を受けます。クパティノと言えば、アップルコンピュータやヒューレット・パッカード社、インテルなどコンピュータ関係の会社の本社がある都市としても有名です。さらに、アップル社の創始者は、何とHomestead
High Schoolの卒業生。彼に物理を教えたよという先生にもお会いできました。
授業をいくつか見せてもらいました。生徒たちは、服装はもちろん、授業中の飲食も比較的自由、など日本の学校とはずいぶん違っています。ただ、授業中の飲食については、先生によってずいぶん扱いが違うようです。
授業中の生徒は概して熱心で、生徒のプレゼンテーションに対する質問も結構出ます。Dara先生のApplied
Placement Biology(応用生物)での生徒のプレゼンテーションはかなり高度なもので、日本の大学並みの内容だそうです。
また、アメリカには英語を母国語としない生徒が多くいるので、そういう生徒のための授業が準備されています。生物に関しては、内容に違いはないそうですが、進度がすこしゆっくりめなのだそうです。授業に使用したビデオにも英語のキャプションがついていました。東洋系の生徒も多いので、視覚的にはまるで日本の教室のようです。
授業は1日7時間の2学期制で、生徒も先生も毎日同じ時間割です。1時間目が7時30分から始まるのには驚いてしまいました。日本でいうところの0限目ですね。1日7時間のうち、多くの生徒は6時間しかとっていないそうです。授業1時間を1年間履修すると10単位を取得したことになります。もちろん、半期のみの認定もありえます。毎日6時間分の単位を年間を通して取得すると、年間60単位を取得したことになります。
卒業に必要な単位は220単位。短大、大学など、進学先によって、さらに単位を取得することが必要となります。
毎年4月には、カリフォルニア全土で生徒の学習到達度を測る共通テストを受けなければなりません。その成績によって、州から学校に下りる予算が決まるのだそうです。ということは、成績がよければ予算がふんだんに使えるのでますます学校がよい方向へ、悪ければその逆、という構図が出来上がってしまうような気がして・・・これも実力主義のアメリカならではなのでしょうか。
実力主義といえばもうひとつ。校内の授業棟への立ち入りは、授業時間以外生徒は禁止されているのですが、スコアがAだった生徒だけはその立ち入りを許可されているらしく、学校の電話を使ったり、自習をしたり、という姿を見かけました。うーん、お勉強のできる生徒は特別扱いしてもらえるわけです。日本とアメリカでは教育制度がまったく違うので、是非は決めがたいものがありますが、やっぱりこれも、アメリカの特色なのでしょう。
教科書も随分日本と違います。アメリカの教科書はぶ厚くて、まるで百科事典です。値段も、1冊が1万円前後するのだそうですが、違いは州が教科書代を負担してくれること。しかも、生徒の家に1冊、重いので持ち運ばなくてもよいように教室にも1冊。恵まれていますよね。もちろん、日本と違って、休憩時間に教室を移動するのは生徒たちのほうです。先生は自分の教室を持っていて、そこでも授業の準備ができますが、準備室の机はさらにコンパートメントで仕切られています。ノート型パソコンも先生一人1台ずつ支給。これは先端技術を誇るシリコンバレーにある学校だからなのでしょうか・・・。