佳境、辛酸に入る-第9章-

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トリュフとは、茸の一種で芳香がある。フランス料理には欠くことのできないものである。
これは山に生えているのであるが人間ではなかなか見付からない。そこで、豚が好んでこれを食べることから、豚に、地面の臭いを嗅せて、トリュフを捜させるのである。豚が捜し当てたところで、豚を取り押えて、横取りするのである。
何百瓩もある雌豚をトラックにのせ、山に連れて行き、トリュフを捜すのであるが、豚を運ぶだけでも大変な仕事である。
最近では、犬にこの仕事をさせるようになったとか。

一般の人は、トリュフを取って、自分たちで食べるのではなく、レストランに出荷してしまうのである。従って、一般庶民にはなかなか口に入らないそうである。
トリュフを取ってきた日は、これを夕べの食卓に並べ、その香りを楽しむのだそうである。トリュフとは犬の鼻という意味だそうであるが、丁度、黒い二つ孔の開いた形をしている。

さて、フォアグラとトリュフの店を捜すために、ガイドは躍起になっている。何人かの人に聞いたがなかなか見付からない。
彼らの仲間で、このガイドを疑うものも出て来た。しかし、最後に聞いた人から、十七世紀から、やっているという古いレストランがあるということを知った。そこに行って見ることにした。

巾二米たらずの十七世紀の馬車道が家々の間を縫うように曲りくねり、長く続いている。この馬車道には二〇センチ程度の角石が敷きつめられている。
ガイドは時どき歩いている人に道を尋ねながら、やっとの思いでそのレストランに辿りついた。

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