佳境、辛酸に入る-第8章-

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日本の玄関口ということで空港の建築物は、それなりに吟味して建てられたのであろう。ここそこにアイデアが凝らされている。
時計などに液晶表示がされているなどから、彼はそのように思った。
彼の行き先はロサンゼルス、双発のYS−11には家族で遊びに行ったことがあったが747のジャンボといわれるジェット機は初めての経験である。
明治から大正の時代は横浜港を出港して、何日もかけて、サンフランシスコに着いたことを思うと時代の流れを今さらのように、感ずるのであった。彼が祖父と思っている人も、どのような想いで横浜港を出港していたのであろうか。彼は感慨無量であった。

ロサンゼルスのあるカリフォニア地方は、一年間、雨らしいものが殆んど降らない。聞くところによると、水をこの地方に引き、緑をこの地に作ったのだそうである。
santa.jpg 午後になると今にも雨が降りそうに曇ってくるのだが、一向に雨は降ってこないのである。
目に入ってくるのは、すべて、足の長い米国人であるが、不思議にもその中にいると彼自身の足も同じように長いと錯覚してしまう。時には、商店のウインドに彼の姿が映し出されたときなど、もとのままの不恰好な自分が戻って来るのである。
彼はこのような動物をよく親切に入国させてくれたものだと思ったりした。

サンタバーバラの郊外にあるカリフォニア大学の寄宿舎(ドミトリイ)に四泊の予定で宿泊することになり、バスでダウンタウンより出掛けた。
日本の大学とは比較にならない程、大きなキャンパスであることに圧倒される。このサンタバーバラのキャンパスは海辺にあり、夏の避暑地になっていた。彼が出掛けたのは七月であったから、最高の環境であった。
キャンパス内を歩いている美しい女子学生に学生会館を尋ねてみた。女子学生は親切に彼らが外国人だということで、丁寧に道順を教えてくれた。若い女性は素晴らしい。

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