佳境、辛酸に入る-第18章-

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サービス性が良くないため、故障したときは、コストの高い製品を全て交換する結果となり、市場の信用をなくし、売れなくなってしまうのである。
無理な設計をしたとしても、設計者は困らない。これを下請けメーカーに、自分達が親会社にやらされているように、押し付けるのである。

下請け会社は渋々引受けるが、無理な仕事であることが、判っての依頼であるから、当然コストが高く付く。
彼の会社で作る商品は同じものを作っても、常に値段が高いという結果になっている。このことは、誰も気付いていないのか、気付いて何もしないのか、どちらとも、彼には判らなかった。

彼は、この問題について設計の担当者に聞いて見た事がある。
担当者曰く、「どのような仕様でも、それが出来なくては、専門メーカーとは言えない。それができないことが判れば、例え、何と言われても仕事をやらない。」という。これは設計部長の口からも聞いたことがある。
このためにコストが高くなっているのを口にする人間はいないのである。       

このような集団と化しているのは子会社という立場であるからだろうか。親会社の担当者から、何時も言われているから、それが正しいと思い込んでしまったのか。体質がそうなっている。
自分達が駄目になって行くのを誰も気付こうとしないのであろうか。
このような気持ちを持っている人達の意識を変えさせることは不可能であろうであると彼は考えた。

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