佳境、辛酸に入る-第13章-

corner.gif yoko.gif
yoko.gif
tate1.gif

日本にいるときと同じようにコインを入れ、電話するのであるが、なかなか先方に繋がらない。何度か同じことを試みたが、今度は全然発信音も聞えずコインは戻ってくる。コインが違っているのかと思って注意書きを読んでも間違ってなさそうである。
空港の係員に、電話をしたのだが先方と繋らないことを説明すると、地下二階の郵便局でかければよいと教えてくれた。

地下二階に行ってみたが、ケルンはローカル空港のためか人影が少ない。郵便局が見当らない。
前方から一人の男が来たので、郵便局はどこかと、こんどはドイツ語で質問してみた。
そこだという。
なる程郵便局というよりは郵便室と云った方がよいような日本でいう特定郵便局である。これがビルの中にありポストという看板が出されていた。

彼はその男に、「ダンケ、シエン」と云い、さらに「私はドイツ語が話すことができない」と付け加えた。するとその男、笑いながら「お前はドイツ語を喋っているのではないか」と返えってきた。それを聞いて、彼は、西独に親しみを感ずることができるような気持ちになった。

郵便局に入って、電話をかけたいと話すと、先に料金を払えという。
電話する先をつげると料金を教えてくれた。
云われた通りの金額を支払うと電話のダイヤルを廻せという。その通りにすると先方と繋った。

- 66 -