 金大フィルとの怠惰な関係 その２ 昭和４８年入学 Ｔｂ 桐村 茂樹（法文学部）  その３へ 桐村茂樹 プロフィール1973年（昭和48年）３月石川県立小松高校ブラスバンド部卒業 酒と女はもう知っていた。 同年４月金大フィル入団 いきなりダメ主席トロンボーン奏者に抜擢。 この年たばこと麻雀を始める。 1974年 引き続きアホな主席トロンボーンを継続。パチンコを始める。 第一回留年。 1975年 金管ＰＬとなる。ダラな学生副指揮者となる。子供を産ます。 1976年 学生副指揮者専任となるも、本番出番なし。 1977年 学生正指揮者専任となる。ＫＵＡＢＥ発足に尽力す。 オケ卒業。第二回留年 1978年 ９月まで金大にいた。京大との合演を見る。ＫＵＡＢＥ第一回演奏会を見る。 一時プータローとなる。 1979年 福井の会社に潜り込み静岡にとばされる。以下岐阜にもいき、平成２年より 東京に在住中。ついに25年間オケ活動はできずに過ごす毎日である。 桐村の回顧日記その2-1974年編 1974年（昭和49年）プロフィール １ 記念すべき第一回サマコンの開催（北国講堂と羽咋公演）・・第一回ですよ！ すごーい ２ 学生指揮者養成合宿・・・夜の思い出 ３ 若き日の本多氏招聘によるエロイカの定演、小松公演・・本多氏のダミ声は忘 れがたい 閑話休題1 屋台ビール飲み干し事件 閑話休題2 白山登山・・・弦との遭遇 閑話休題3 本多氏の数え歌 閑話休題4 ボントロ隊全員留年・・・トホホ パート１：第一回サマコン ありゃ！出番がほとんどない(--;) ウ さて前年度の屈辱をきす私は、「今年こそ」といきごんで、授業をさぼりつつ練習にはげんでおりました。 そこへ飛び込んできたのが、総会での今年の選曲会議であります。まだ１回生だった私は何も口をはさめず黙って聞いておりましたが、なんと「サマーコンサート」をやるというではありませんか。前年度無謀にも？客演を一切入れない自主運営という形での定演でとりあえずの開催ができたものの、それから半年後に、いきなり演奏会をやろうというのです。当時の弦のメンバーからしてもきついものがあったはずでございますよ。 まあ私にすれば演奏会は何回もあった方がよいと思っておりましたから、あまり気にもしませんでしたが選曲を見て(--;) ウと思いました。 ベルリオーズはブラバンでおなじみですから、よくわかりましたが「プーランク」というのは、驚き、「なんじゃ」でした。アンサンブルが演奏会に登場するのはこれが最初ではないかと思うのですが（系譜を見ると後に金管もアンコールでやっていますね）不思議な感じがいたしました。 でも出番があったのでございます。なんとか体裁はつくろうことができました。 ベト１は第１３回、２５回の定演に続く３回目の演奏となりますが、ボントロの出番はない。後のラッパの皆さんには想像もつかないことでしょうが、この年はついにサマコン、定演ともメイン曲にボントロの出番はなかったのであります。 第一回サマコン演奏曲目 ・ベルリオーズ／ラコッツイー行進曲・・・・後にもう１回演奏されたようです。 ・ヴィヴァルディ／調和の霊感より、第8番イ長調 ・プーランク／フランス組曲・・・・後にも先にもこれが最初で最後のようです。 ・ベートーヴェン／交響曲第1番ハ長調 いまは亡き藤島氏が前年限りで長かった学生生活に別れをつげ、この演奏会は竹内氏によって指揮されました。サマコンが学生指揮者で行われた走りであります。 特にプーランクはOb2,Fg2,Tp2,Tb3+チェンバロ+小太鼓という珍しい演奏。当時はFgにようやく新入生の初心者が入ったばかりで、当然吹けません。セカンドFgは珍しいことですが、バスクラで代用ということになりました(; ;)。
ただ曲はいい曲で、出番はたくさんあるし、まあ満足したことはたしかです。大先輩Tpの河原氏が最初の１発目の音をはずして、気持ちよく？演奏がはじまったのを記憶しております。 この演奏会は本多氏の故郷羽咋でも公演が実現し、最初から大見栄のサマコンでございました。あの当時としてはよくやりましたよね・・・・ 尚、この年の金管新入部員は不作。Tp2人とHr1人しか入らず、金管は弱体化の一途をたどるばかりでございました。この年も寂しい年でございました。 閑話休題1 屋台ビール飲み干し事件 ７４年も開けてある寒い日の出来事でございます。大先輩２人からお声がかかりました。「おい、めし食いに行くぞ」「あのー僕お金ありませんが・・」医学部のお金持ちの大先輩Ａ氏「そんなもんわしがだしちゃるがや！」更に大先輩のＫ氏「ほんならわしもつれてけや」 というわけで、香林坊と片町の豪華居酒屋を期待しておりましたが・・・。するすると片町を通り過ぎて、着いた先は犀川べりの、こ汚いおでんの屋台。 「まあ、ただメシだからましか・・」と思いつつ先輩には逆らえません。この頃の先輩は絶対でありました。客はわたしたち３人だけ。貸し切り状態でした。 そして信じられないことが起こりました。飲むは食うわで、ついに３人で１００本以上の大瓶ビールがなくなってしまったのであります。 そして、屋台のトタン屋根であばれるわ、寝るわの大騒ぎ、 「あんたら、もうビールないで・・」 ついに屋台のビールを全部飲んでしまったのであります。後のことは覚えておりませんが・・・・・ Ａ氏はいったいいくら払ったのでしょうか？。カードのない時代のことでありました。 こんないい先輩はもうおらんやろなあ・・・・今は学費高いし・・ （参考：当時の 先輩の学費は年間１万２千円ですよ） パート２：学生指揮者養成夏の合宿・・・夜の思い出 前年の定演打ち上げコンパで、酔った勢いで指揮者に立候補した私でありましたが、苦労はここから始まりました。 大先輩の河原氏が一足先に学生指揮者に転向し、定演を振ることが決定しておりました。 藤島氏の指導のもと、夏に指揮者合宿をやろうということになり、能登の恋路海岸というすばらしい環境で合宿が始まりました。 この年に入り、私と河原先輩は教育学部でピアノの練習をしてこいとか、バイオリンのレッスンで子供と一緒にきらきら星からの練習を年明け早々してこい、といわれ、せっせと通ったものでした。 指揮法も藤島氏のご自宅でレッスンを受けておりました。その第一歩の集大成として夏の合宿が企画されたのでありました。 参加者は、私と河原先輩、当時マンクラの指揮者であったＷ氏と、もう一人短大だったかな？の某女性、藤島氏とピアノの個性的なお顔のあぐり先生の６人であったかと記憶しております。 午前中は小学校を借りてのピアノのレッスン。午後からは指揮の練習、夜は宿泊先のお寺で小宴会でありました。 特に某短大の彼女はキャンディーズの蘭ちゃん似の、アイドル顔。私とＷ氏との密かな争奪戦となったのであります。レッスンは記憶にないのにこれだけは覚えております。 最終日の夜、ついに私は彼女を夜のお散歩に連れ出すことに成功、海岸をお手々つないで二人で歩いていったのであります。道端には若いにいちゃん、ねえちゃん達がたむろしていて、ヤジをとばされました。 それもそのはず、前方には○○ホテルという看板。一瞬すけべ心が頭をよぎったのでありました。しかしまだ理性的であった？私はついに誘惑に勝ち、波打ち際を散歩するだけでありました。（次の年からは、理性は吹き飛んでしまいましたが・・）Ｗ氏はそのころ、海岸で泥酔しておられたとのことです。 いやー楽しい時間でございました。もし私が１年遅かったら、彼女といい仲になったかもしれませんね。（うそです・・・）。 後日聞いたところによると、Ｗ氏は彼女の実家近く京都北部の駅で待ち合わせの約束を取り付け、いさんで行ったものの、ついに彼女はあらわれなかったそうです。 やっぱり私が誘えばよかったのかなあと、今でも痛感いたします。 こうして私はダラな指揮者（色者）の道に入っていったのでありました。 閑話休題2 白山登山・・弦との遭遇 前年度は先輩ばかりと私の４人で佐渡へ旅行にいきましたが、この年は、白山登山とあいなりました。 目的は「大自然を堪能する」が建前で、本音は「かわい子ちゃんをナンパして山小屋で添い寝する」であります。 そのすけべ登山に同行したのが、Tpの先輩河合氏と後輩小粥氏であります。夜が目的でありますから、当然登山の際の景色など、どうでもよい雰囲気で頂上に立ったのであります。
ところが、ちょうど同じ日に弦の数人が登山していたのであります。これでは本来の目的がばれてしまう！
それを恐れた３人はついにナンパを断念し、無念の下山をしたのでありました。 なんで一緒の日にくるんだよーー。くそー。 パート３：定演、本多氏の思い出
ちなみに本多氏はうちのかあちゃんの高校の先輩で、相当有名な人（何で有名だったかはしりませんが）だったと言っております。 本多氏が金大フィルに初見参したのは、３月の加賀青年の家での合宿。いきなりあのダミ声で、「弦も管もひどいな」と一言。即特訓に入ったのであります。 我が金管諸氏は運動場に出て、発声練習であります。「金管はお腹から声を出 さないとダメや」というわけで、「ワオー」と大声を出す練習をやらされました。 「君のお腹の出具合は大変いい」と誰かがほめられておりました。でもきつかった〜〜〜〜。 やがてサマコンも終わり、いよいよ夏の合宿は能登のお寺で行われました。本多氏のもと本格的な定演の練習が開始されました。 「ダメだよーガミガミガミ！」本多氏のダミ声が響き渡る合宿でありました。 閑話休題3 本多氏の数え歌 夏の合宿では当時から「部内演奏会」というものが恒例でずっと行われていたようです。我が金管はここぞとばかりアンサンブルを行うのであります。なにしろ本番では出番が少ないわけですから・・・・・・
みんな「本格的な演奏が聴ける」と期待の中、聞き耳をたてておりました。 しかし、しかし、演奏内容は「ひとつ・・♪♪」なんとあのひわいな数え歌でありました。みんなのひんしゅくをかったのを記憶しております。 本多氏らしいといえばそれまででありますが・・・なつかしい思い出であります。 さて、いよいよ定演でありますが、エロイカはこれが30回定演に次ぐ金大フィル２回目の演奏。 「運命」が定番であった我がオケでは、大曲のひとつであります。前年のシューマンにくらべたら、圧倒的な弦の力強さが必要で、当時としては難曲でございました。弦の皆様の苦労がしのばれます。 その分サブメインとサブサブメインはこじんまりしたものにならざるを得ず、苦労の選曲の末、地味ーな、フランクの「贖罪」、ブラバンを思わせる、グリーグの「十字軍の兵士シグール」という内容になってしまいました。精一杯の選曲でございます。指揮は学生指揮者の大先輩河原氏でデビュー曲ということにあいなりました。 当然ボントロの見せ場などなく、終始小節の頭だしとロングトーンの繰り返し。 ああ、ついにこの年も主題を高らかと鳴らすことなく定演は終わったのでございます。 舞台袖で聞いていた「エロイカ」は後年の演奏から見ると誠に薄っぺらく、コンバスも３本しかないので軽い「エロイカ」であったなあと感じるこの頃であります。しかしこの年は創立２５周年記念の演奏会であったので、気合いは入っていたなと思っています。小松でも演奏会をやったくらいですから・・ 第３５回定演演奏曲目 ・ベートーヴェン／交響曲第３番変ホ長調作品５５「英雄」・・・エロイカ特集で見てください
・グリーグ／組曲「十字軍の兵士シグール」・・・もう二度と聞けないでしょうね
・フランク／交響詩「贖罪」・・・・・こちらも最初で最後の演奏だと思われます。 閑話休題4 ボントロ隊全員留年 秋、試験の終わった花の４８ボントロ隊。留年の決まった私のふと放った一言 「おい！やっぱおれ留年やったぞ」すると同期の広田氏「おまえもけ！おれもや」 「え！ほんとか麻雀のしすぎやな」 「でもあいつは真面目やから大丈夫やろ」と恐る恐る同期の樋口氏に「専門進学おめでとう」。 「いやー僕も留年してしもた」「え！全員留年やぞすげー新記録や」 この当時あまり金管では留年の記録はなく数えるくらいだったのですが、ついに３人同時という新記録を達成したのであります。 以後金管は「留年せんと一人前やない」というすばらしい伝統を作っていったのであります。その走りが我がボントロ隊でありました。 今だに金管内では同パート同時３人留年という記録は破られていないのではないかと自負しております。エヘン！ こうして昭和４９年は暮れていったのであります。いやー２５周年にふさわしい思い出がいっぱいつまった１年でありました。 ⇒桐村氏への連絡は、こちら |
