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原田宗典さんのうつ病体験記
2009.1.29 1984年に「おまえと暮らせない」ですばる文学賞をとった原田氏がいつものぞいている小冊子の「うつと私」に掲載されていました。あらら、こんな方まで。ほんと、躁うつ病の方ってこうしてみると多いんですね。

原田氏の躁うつ病のきっかけは、交通事故。
ある日、九死に一生を得た交通事故が原因で、「死はいつ訪れるわからないということを思い知って、生きていく自信をなくしてしまった」そうです。

その後、外出しようと靴下を選ぼうとした時、なぜか選ぶことができず、そのまま外出をやめてしまったそうです。以来、ふさぎこむ日々が始まり、抗うつ剤を処方してもらい、症状も落ち着いたそうですが、30代後半から42歳にかけて、重いうつ病になってしまいました。

症状が重く、寝たきりの状態になり、肝心の稿を書くこともできなくなってしまったそうです。
当時40本近くの連載をかかえていた原田氏、とうとう締め切りを守れなくなってしまったそうです。

それまで一度も締め切りを破ったことがなかった原田氏にとって、締め切りを守れなくなってしまったことは非常に大きなショックだったと言っています。
本格的に病院の治療も始まり、調子が悪くなったら「抗うつ剤」をもらうようになりました。

最近は漢方薬も試しているとのこと。
うつ病はおなかを温めて、血の巡りをよくするとよい」そうで、お腹を温めると、よく寝られ、リラックスできるそうです。

原田氏の場合、腹巻をするようになってから、調子もよくなったと書かれています。

ただ、去年の10月頃に、またうつ病が再発。
トイレへ行くのも面倒。食事も喉を通らない。新聞も読めなくなる。当然、文章も書けなくなり、ただ呆然とした状態が続いた」そうです。

一方躁状態の時は、気分が高揚し、犬や車を買ったこともあったそうです。
このように、躁うつ病は気分の浮き沈みが激しく、本当に辛いと原田氏も書いています。
この辛い時期に、明るく原田氏を支える「奥さんの存在はありがたかった」そうです。

現在は、2週間に一度のペースで、クリニックに通院。
調子がよくなってきたので、「水垢離(みずごり:頭から水をかぶること)」を始めたそうです。
早朝に頭から冷水をかぶってみたら、気分も爽快になり、「今まで自分のできなかったことができる」ことで自信も取り戻したそうです。

最後に原田氏の言葉を。
うつのときって、生きるのがつらいとか、くよくよ考えがちだけど、少し調子がよくなったら、どんな小さなことでもいいから、やりたいことをやってみたらいいと思う

大声を出したかったら、出してみるとか。そうすれば、何かできたことで自信を持てるし、病状もいいほうへ向くんじゃないかな?

とにかく、
何かやろうと思えただけでも、自分のことをほめてあげること。生きる自信につながりますから

なんだか原田氏のこの言葉、うつ病だけではなくて、「生きる」ことに少々疲れてしまった人たちにも役立ちそうなメッセージですよね。

思うに、うつ病とは、心が傷ついている状態なのかもしれません。
傷ついてしまっているために、飛び立てず、歩くことさえできない状態なのでしょう。

そのために一歩を踏み出すにも大きな勇気が必要で、だからこそ、小さな第一歩が踏み出せた時は自分をほめ、自信を持たせてあげることが大切なのだということなのかもしれません。

現代の病気「躁うつ病」。でも、病気にならないまでも、小さな心の葛藤は誰にもであること。
原田氏のそううつ病体験から少しでも自分たちに役立つ言葉を発見できるとよいですね(^^)。

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