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※バインダーにはさんでおいた介護のメモ書きや、新聞記事で見つけた介護記事、また、ただ今介護に奔走してらっしゃる鬼さんなどのメールなどを紹介しています。介護するほうも、介護されるほうも笑顔で向き合えるとよいですよね(渡辺京子)。
2006.11.22 介護の現状と国のホンネ
思いがけず、まったく違う二つの情報から、見事に同じような趣旨の「介護の現状と国のホンネ」の記事を発見しました。

ひとつは「小金井・生活者ネットワーク「こがねい」の「雑記帳」という記事で、もうひとつはお義父さんが入っている病院が発行する「センターだより」に書かれた副院長先生の「9.11の衝撃」という記事でした。

セブ島から帰国後、「フィリピン」と聞くと、自然聞き耳が立つわたしでしたが、テレビで「たくさんのフィリピンの医者が、自国の給料の低さのために、アメリカなどの国へ看護士として就職するのがブームになっているという放送をしていました。フィリピンの病院では慢性化した医師不足に悩み、貴重な人材が今後も海外流出するだろうという内容でした。

医者が看護士になるというのも驚きでしたが、フィリピンのお医者さんの給料の低い額にも驚いた記憶があります。

今日、紹介する介護の話も、実は、これに似たような話かもしれません。

では、小金井・生活者ネットワーク「こがねい」より、記事を紹介したいと思います。

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テレビの二つの場面について、藤村氏は言う。

二つの画面とは、小泉前首相がフィリピン政府と、フィリピン人の介護士の受け入れに関する文書の取り交わした画面と、若い介護福祉士が「介護の仕事は好きだけど、この給料では結婚もできない」と数年間勤めたグループホームに辞表を出す場面のこと。

「ほんの2年前までは、介護の仕事を求める若者が多かったが、今では介護事業者主催の就職説明会を開いても閑古鳥とのこと。介護の現場は、労働環境が厳しいわりには給料が安い。熱意だけでは、仕事は続かない。

介護の需要がどんどん増加するのに、財政難を理由に、政府は改善策を本気で考えない。

外国人の受け入れに反対ではないが、外国からの安い労働力でことを済ませようとする国のホンネが見え隠れする。

誰もが安心して老後を暮らせる環境は、質の高い介護があってこそ実現できる。

新首相の安倍さん、福祉を最優先に取り組むべきではありませんか? (藤村氏)
では、次に「センターだより」から副院長先生の村田先生の記事です。
全文をそのまま掲載させていただきました。

「9・11の衝撃」

9月11日といえば、アメリカのテロ事件があまりにも有名ですが、この9月11日に医療・福祉関係者にとってビッグ・ニュースがありました。日本とフィリピンとの間の自由貿易協定(FTA)を含む経済連携協定(EPA)の締結です。

この協定では二国間協定の中で初めて日本の労働市場の開放が盛り込まれました。協定締結を受けて、厚生労働省は、まず今後2年間で看護師400人、介護士600人に門戸を開放する方針を明らかにしました。

現在でも、日本の看護士免許があれば、7年を上限に外国人でも日本でとして働けますが、永続的に外国人看護師が日本で働けるようになるのは、これが初めてです。また外国人介護福祉士を受け入れるのも初めてのことです。

これまで慎重だった医療・福祉分野での労働市場開放に日本政府が大きく舵を切ったことは衝撃的なニュースでした。「早ければ来年度前半から研修生を受け入れる」との報道でしたから、来年の今頃には1000人のフィリピン人が日本にやってきて日本のどこかの医療・福祉機関で研修が始まっています。

この1000人の評判が良ければ、フィリピン川は数千人規模の受け入れを希望しているため、3年後からも同規模またはそれ以上の看護師・介護士を受け入れるでしょう。

さらに現在日本はタイやインドネシアともEPA締結へ向けた協議を進めており、これらの国々も看護師・介護士受け入れを希望しています。

実際、今年日本医科大学付属病院にタイ人の看護師が長期間、見学に来ていました。将来の労働市場開放に向けた動きは既に始まっています。

医療・福祉分野の、特に地方での人手不足解消という点では評価できる改革ですし、国際競争の波にさらされるということは、すでに他の業界では当たり前のことになっています。

トヨタやソニーなどの製造業はもう何十年も前から厳しい国際競争を行っていますし、外国人労働者はすでに、建築業やサービス業に入ってきています。

わたしの近所の焼き鳥屋にも外国人の従業員がいます。明るくて元気のいい外国人なのですが、注文の聞き落としが多く、タレと塩をよく間違えます。

店長の話では、毎日夜遅くまで働いてくれる日本人はいないそうで、外国人に頼らざるを得ないそうです。

間違いがあってはならない医療・福祉分野で外国人がどこまでできるのか、その能力は未知数ですが、すでにフィリピン人看護師を受け入れているアメリカでの評判はよいそうです。

我々がやるべきことは、国際競争に負けないように、最新の知識を取り入れ、自分の能力を磨き、技術を向上させることだけですが、外国人看護師・介護士受け入れについてのニュースには今後も目が離せません。


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