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※バインダーにはさんでおいた介護のメモ書きや、当日思い立って書いた乱文(^^;)を、適当に書き進めたいと思っています。いつかこの介護日記が役立つ日が来ることを願って・・・(渡辺京子)。
2006.7.5
認知症になったら、告知をしてほしいですか、それとも・・・
これってとっても難しい問題ですよね?

認知症となり、いざ目の前で先生から「あなたは認知症です」と告知を受けたら・・・その精神的ショック、想像を絶するものだと思います。

本人はもちろん、家族との関係、精神的負担、経済的負担など、将来を見据えた時の絶望感は計り知れないものがあると思います。

でも、「認知症」になってしまった以上、これからどう生きるか、は重要な課題だと思います。特に、認知症であると、本人が知らされた場合と知らない場合とでは、治療に対する心構えが大きく違うような気がするんです。

認知症は今の医学では治すことはできませんが、早期に治療を始めることで、進行を遅らせることはできます。家族のみんなと手を取り合って、治療に専念し、認知症と闘うことだってできますよね。
日経新聞7/1の記事に、認知症の告知についての記事が掲載されていました。
約2000人を対象におこなったアンケートで、2004年に実施されたものです。

認知症になった場合、「知らせて欲しい」という人が81%、「知らせて欲しくない」という人が19%。特に男女差はなく、年代別に見ると、20代85%、30代89%に比べて、70代では69%と、若い世代と比べて、告知に対しての考え方が若干異なっています。

認知症とわかった時の感情として、配偶者や子供たちに対して「介護負担をかけるのがつらい」「経済的負担をかけるのがつらい」などが多数を占め、「今の生活が壊れてしまうのが嫌」「ショックで何も考えられない」と回答した人は告知を希望しない傾向があるとのことでした。

以前は、「ガン」に対して、告知するのか、告知せずに平穏に残された日々を送ってもらうのか、という論議が盛んになった時期がありました。
告知に対して、賛否両論分かれていた時期もありました。

今は、ほとんど、告知という方向ではないでしょうか。告知をして、治療に専念し、ガンと正面から闘うようになりました。

でも、それは、ガンが、医学の進歩で「治せる病気」になったことに起因しているような気もします。
今の医学では、まだ認知症は治すことはできません。
特に最近は「若年性認知症」が増えてきており、いろいろな問題をかもし出しています。

脳細胞が徐々に壊されていくアルツハイマー症。記憶が、そして言葉がどんどんと失われていって、夫婦や子供たちをはじめ、家族や社会とのつながりが着々と切り崩されていく恐怖は「死」に匹敵するほどの恐怖だと思います。

「死」が身体の機能の喪失だとすると、「アルツハイマー」は精神の機能の喪失なのでしょうか。

「認知症を告知してほしいか、告知してほしくないか」、この問いは、今、健常者として生きている自分たちが、これからどう生きるかという「生き方」を再考させてくれる問いのようにも思います。

「あなたは認知症を告知してほしいですか? それとも告知してほしくないですか?」


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