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※バインダーにはさんでおいた介護のメモ書きや、新聞記事で見つけた介護記事、また、ただ今介護に奔走してらっしゃる鬼さんなどのメールなどを紹介しています。介護するほうも、介護されるほうも笑顔で向き合えるとよいですよね(渡辺京子)。
2006.6.9 安心したとたん、逆戻り・・・一進一退、お義父さんの介護
朝、飯能の病院へ出かける前に、ちょうど知り合いの方から電話。

お義父さんの容態を心配されていたその方へ、「お義父さんは一人で食事ができるまでに回復したんですよ!」と、嬉しい報告をしたのに、いざ病院へ行ってみると、前回の大前進から何歩も後退してました。

スプーンを持たせようとしても持たず(;_;)、大好きなヤクルトでさえ、自分では持とうとはせず、味のりの代わりに買った大葉みそは気に入って、ご飯はどうにか通常通り食べましたが、プリンまでペロリといういつも元気な食べ方ではありませんでした。

一進一退、喜んだりがっかりしたりの食事介助です。

このところ、元気な時の食事量よりも多いぐらいの食欲があり、なんと言っても「一人で食べることができる」までに回復したので、すっかり安心していたんです。

お義父さんの入っている病院では、食事を自分で食べない患者さんは長いテーブルに並んで、看護婦さんやヘルパーさんに順番に食事介助をしてもらいます。

ホームヘルパーの研修で体験した施設よりも、格段と患者さんに対するサービスはきめ細やかですが、それでも一人に対する食事時間には限度があります。

一日でも、食事を思うように食べないと、あっという間に体力が落ちてしまうので、今のお義父さんにとっては「食事」が大問題なのです。

先週は用事が重なり、食事介助に1回しか行けなかったのが悪かったのかなぁ、などと思わず反省(;_;)。日曜日までに何とか元気を取り戻していてくれるとよいのですが。

ところで、アルツハイマーの症状が進むと言葉を話さなくなるんだそうです。
だから、できるだけ、言葉を発してもらおうと、「お義父さん、プリンとヤクルトとどっちを先に食べますか?」などと、話しかけにもひと工夫しているのですが、こちらの気も知らず、お義父さんは声を発する代わりに、まぶたのわずかなサインで答えようとします(^^;)。
まるで、面倒くさがり屋さんの返事みたいです(^^;)。

それでも、たまに、声を出してくれて、そんな時はだいたい命令口調なんですね(^^;)。
今日も、食事を終えたので、「テレビを見ますか?」とたずねると、わずかにまぶたに力を入れるので、ああ、テレビが見たいのだな、と納得。

食べ終わったものを片付けていたら、いきなり小声ながらもいばった口調で「早くしろ!」のひとこと(^^;)。
多分、この言葉が今日の第一声だったんじゃないかしら(^^;)。

やっと声を出したと思ったら、「早くしろ」かぁ、なーんて苦笑しながら車椅子を押して、テレビの前へ。
でも、正直、声を聞くとほっとします。声を出さずにいると、本当に言葉を忘れてしまうんじゃないかと思えてしまって。

この命令口調はお義父さんらしさなのかもしれません(お義父さんはそういう命令口調が多い立場の人だったんです。もちろん、元気な頃、わたしに接してくれたお義父さんは優しくておもしろい人でしたが(^^))。

今のお義父さんはひょっとしたら、現役でバリバリ仕事をしていた頃の矍鑠(かくしゃく)としたお義父さんに戻っているのかもしれません。しゃべらなくても、目線だけで、部下がてきぱき仕事をこなしてくれるような・・・。

そう考えれば、枕付きの車椅子で半ば寝たような姿勢のお義父さんは今、社長椅子のような肘掛のある椅子にゆったりと背をもたせかけて、部下に身の回りのことをしてもらっているのかもしれません。

病院の中は現実とはちょっと違った世界です。
現実を現実としてそのまま直視するのではなくて、いろいろな、それこそ一風変わった考え方も取り入れて、お義父さんのことをできる限り理解してあげたらな、と思っています。

お義父さんの介護を通して、「生きるということ」、「人として大切なこと」などなど、今、たくさんのことを学ばせてもらっているような気がします(^ー^)。
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