TOPページ おしゃべり広場 みんなの部屋 ちまたの話題 教室のお知らせ
※バインダーにはさんでおいた介護のメモ書きや、当日思い立って書いた乱文(^^;)を、適当に書き進めたいと思っています。いつかこの介護日記が役立つ日が来ることを願って・・・(渡辺京子)。
2006.5.9 お義父さんの再出発 
いつか、きっと役に立つはず、と信じてはいても、いざ「介護日記」を書こうとすると、躊躇するものがありました。
その最大の理由は、身内であり、且つ立身出世をしたお義父さんに対する敬意からでした。

役人として上層部まで上り詰め、勲賞を持つお義父さんにとって、哀しい且つ侘しい内容になってしまったら、と思うと、とても書き進むことはできませんでした。

ホテルのような病院で、残された晩年をのびやかに過ごしてもらうだけでいいのではないかと。

でも、今日お義父さんの姿を見て、ようやく、笑顔でこの介護日記を書き進める決意ができたんです。

わたしは廊下の先に立ち、お義父さんが車椅子の車輪を手で回しながら、近づいてくる様子をじっと見守っていました。長い廊下を少しずつ少しずつ、お義父さんは近づいてきました。

今年の2月始め、最初の病院へ入院した時、お義父さんの身体はむくみ、食事もままならず、点滴の管をはずさないよう、手足を拘束され、腎臓にまでお小水がたまり、心臓も不整脈という状態で、治療を受ける苦しい姿を前に、ただ手足をさすることぐらいしかできませんでした。

そのお義父さんが、広間の明かりを背に、一人で車椅子の車輪を回しながら近づいてくるんです。
まさしく、お義父さんの再出発の瞬間でした!
本当にここまで回復してくれるなんて、夢にも想像できませんでしたからヽ(^o^)丿。



では、2006.5.9の介護日記を書きます。

病院へ到着するとお義父さんの姿なし(^^;)。
看護婦さんと探し回ってやっと発見。他の人の部屋にいたそうです。
食事を始めると、白髪の恰幅のよい先生がいらして、「先生、先生!」とお義父さんに呼びかけて、敬礼をされるんです(^^;)。

名札を見て、びっくり。院長先生でした(^^;)。
院長先生はわたしに笑顔を向け、「機嫌のいい時には、返礼してくれるんですよ」などと言いながら、なおも敬礼されるんです(^^;)。

お義父さんはちらっと院長先生に目を向けると、食事を続けたまま、ぼそりと「ごくろー」のひとこと(^^;)。
まさしく、部下に対する態度でした(^^;)。

でも、院長先生いわく、このような言葉やしぐさのやりとりが刺激になって昔のことを思い出すそうなんです。



ところで、今日の食事でも驚くほどの変化がありました!

毎回、食事介助では一方的にわたしがスプーンでお義父さんの口へ食事を運ぶというパターンだったのですが、なんと今日はスプーンを持つしぐさをしたので、そのまま見守っていたら、スプーンはちょっと斜めだったのですが、ちゃんと食べることができたんです。

ですから、そのまま「見守り」の体勢にすることにして、ご飯に「ご飯ですよ」の海苔をつけたり、ご飯やおかずを変わりばんこに食べるよう、茶碗の位置を変えたり、口を拭いたりしてあげました。

後半になり、「もういい」と言い始めたので、慌てて、バトンタッチ(^^;)。
わたしがスプーンを持ち、食事介助をして、ご飯を半分ほど残したものの、おつゆもおかずも完食!
持参したプリンも全部食べちゃいました(^^)。

そして、食後の散歩で、うまく車椅子を操作するお義父さんの姿に感動した訳なんです。
右左への方向転換はもちろん、バックも見事に操作していました。

「朝から、よく車椅子で散歩しているんですよ」と看護婦さんが教えてくれました。
きっと、車椅子の散歩のお陰で、食欲も出ているのかもしれません。

お義父さんは日に日に成長しています(^^)。
もう一度、鉛筆を持って、絵が描ける日が来ることを、祈っているわたしです。

介護日記のTOPページへ