EWG ニュースリース2009年9月9日
携帯電話の電磁波への暴露を減らしなさい
低放射無線機器への包括的なオンライン・ガイド

情報源:EWG News release September 9, 2009
Lower Your Exposure to Cell Phone Radiation
Comprehensive Online Guide To Low-Radiation Wireless Devices
http://ewg.org/cellphoneradiation/newsrelease

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会
掲載日:2009年9月12日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/sick_school/emf/ewg_cell_phone_radiation.html


【ワシントン D.C.】エンバイロンメンタル・ワーキング・グループ(EWG)調査チームは、アメリカの市場に出ている1,000以上の携帯電話を評価して、携帯電話の電磁波についての最も包括的なオンライン消費者ガイドを作成した。

 この無料の使いやすいオンライン・ツールによって、消費者はどの携帯電話を買うべきかについて情報に基づく決定をすることができる。

 EWGガイドは、消費者が様々な無線機器の電磁波出力を素早く比較できるよう各携帯電話の電磁放射を分かりやすく描いたグラフィックを用いている。この報告書のURL:http://www.ewg.org/cellphone-radiation

 ”我々は、携帯電話は安全であると言いたいが・・・”とEWGの上席科学者でありこの調査の主著者であるオルガ・ナイデンコ博士は述べた。”しかし、そのように言うことはできない。最も新しい科学は、決定的ではないが、携帯電話のがんリスクについて深刻な問題を提起しており、更なる研究を通じて目を向けていかなくてはならない。それまでは、消費者は暴露を低減するための措置をとることができる”。

 アメリカ政府が携帯電話メーカー又は供給者に対しラベルや店内の広告表示に電磁波放射レベルを明記させることを怠っていることにより生じている情報ギャップを埋めるために、EWGは製造者によって提供されたデータに基づき、このガイドを編集した。

 消費者がよりよい情報を得ることは重要である。最近の科学的研究は、脳と唾液腺の腫瘍が携帯電話に関係しているとする証拠を示している。結論に至るのはまだ先であるが、この最新の科学(訳注:携帯電話)は人を怒らせ、心配させるものであり、更なる研究が求められる。

 無線機器が激増しているので、電波放射による可能性ある危険についての公衆健康当局の懸念が強まっている。国際的な産業団体である CTIA 無線協会によれば、アメリカの無線登録者は、2008年12月現在、2億7,030万人、アメリカ全人口の87%であり、過去3年間で30%増大している。地球規模のオンライン産業ニュースである”Cellular News(携帯電話ニュース)”によれば、世界の人口の約60パーセント、40億人が無線サービスに登録している。

 スイス、ドイツ、イスラエル、フランス、イギリス及びフィンランドの六カ国の健康関連機関は、携帯電話使用の制限、特に頭蓋骨が柔らかく薄いために電磁放射から脳を防ぎにくい子どもの使用について警告を発している。科学者らは、子どもの脳は成人に比べて2倍、携帯電話放射を吸収することを見つけている。

 携帯電話放射による可能性ある公衆健康リスクについてのEWGの分析は、10ヶ月にわたる200以上のピアレビューされた研究、政府委員会や産業側の文書の調査の結果により得られたものである。

 我々の結論:1992年携帯電話産業の勧告を大きな根拠にして米連邦通信委員会( U.S. Federal Communications Commission (FCC))により設定された現在のアメリカの携帯電話放射基準は時代遅れであり、体の他の部位より頭部に20倍以上浸透することを許している。

 EWGは、FCCが最新の科学的証拠及び子どもの携帯電話使用の増大を考慮して、その基準を強化するよう強く求める。

 ”当初の携帯電話は成人に向けて市場に出された”とナイデンコは述べた。”しかし今日、子どのたちは、ビデオゲームや野球、自転車のように携帯電話を持つようになっている”。

 12歳から17歳までのアメリカの子どもの携帯電話の使用を追跡しているピュー・インターネットと米国人の生活プロジェクトによれば、昨年(2008年)、10歳前後及び10代子どもの71%が自分の携帯電話を持っている。半分以上は毎日、使用している。

 EWGは、懸念する消費者に行動を起こし、連邦政府に対し携帯電話メーカーは各携帯電話の出力をラベルに表示させるよう告げることを強く勧める。

 この報告書はまた、携帯電話による暴露を低減するための安全助言を提供している。それらの中のいくつかは:
 ・可能ならヘッドセットとスピーカーホーンを使用すること。
 ・文字を多くし、会話は少なくすること。
 ・弱信号を示すバーがほとんどなければ携帯電話を離すこと。

 現在市場にある又はポピュラーな古いタイプの携帯電話の技術仕様書に基づくEWGの新たな対話型データベースはモデルで検索することができる。別のデータベースはスマートホーンの放射レベルの詳細を示す。

EWG が低放射であるとする上位10機種
  1. Samsung Impression (SGH-a877) [AT&T]
  2. Motorola RAZR V8 [CellularONE]
  3. Samsung SGH-t229 [T-Mobile]
  4. Samsung Rugby (SGH-a837) [AT&T]
  5. Samsung Propel Pro (SGH-i627) [AT&T]
  6. Samsung Gravity (SGH-t459) [CellularONE, T-Mobile]
  7. T-Mobile Sidekick [T-Mobile]
  8. LG Xenon (GR500) [AT&T]
  9. Motorola Karma QA1 [AT&T]
  10. Sanyo Katana II [Kajeet]
放射が最も高い機種であるとするEWGのリスト
  1. Motorola MOTO VU204 [Verizon Wireless]
  2. T-Mobile myTouch 3G [T-Mobile]
  3. Kyocera Jax S1300 [Virgin Mobile]
  4. Blackberry Curve 8330 [Sprint, U.S. Cellular, Verizon Wireless, MetroPCS]
  5. Motorola W385 [U.S. Cellular, Verizon Wireless]
  6. T-Mobile Shadow [T-Mobile]
  7. Motorola C290 [Sprint, Kajeet]
  8. Motorola i335 [Sprint]
  9. Motorola MOTO VE240 [Cricket, MetroPCS]
  10. Blackberry Bold 9000 [AT&T]
EWGはワシントン D.C.に本部を、カリフォルニア州オークランド及びアイオワ州アイムスに事務所を置くを非営利研究組織であり、人の健康と環境を保護するために情報力を駆使している。



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