グリーン科学政策研究所
プレスリリース 2021年6月15日 表示のない PFAS 化学物質が 化粧品中から検出される 情報源:Green Science Policy Institute Press Release, June 15, 2021 Unlabeled PFAS Chemicals Detected in Makeup https://greensciencepolicy.org/news-events/press-releases/ unlabeled-pfas-chemicals-detected-in-makeup 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2021年6月28日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/research/news/210615_Green_Science_ Policy_Institute_Unlabeled_PFAS_Chemicals_Detected_in_Makeup.html 【サウスベンド、インディアナ州】Environmental Science & Technology Lettersに本日発表された新しい研究によると化粧品の利用者は、潜在的に有毒な PFAS 化学物質(パーフルオロアルキル物質及びポリフルオロアルキル物質)を吸収及び摂取している可能性がある。研究者らは、テストされたほとんどの防水マスカラ、液体口紅、及びファンデーションで、高いフッ素レベル(PFASの存在の可能性を示す)を発見した。フッ素レベルが最も高い製品のいくつかは、さらに分析が行われ、すべて、懸念される PFAS が少なくとも 4つ含まれていることが確認された。 PFAS が含まれていることが確認された製品を含め、フッ素レベルが高い製品の大部分には、ラベルに PFASが記載されていなかった。 ”口紅の利用者は、生涯に数ポンド(1 ポンド= 0.453 kg)の口紅を気付かずに食べてしまう可能性がある”と、本研究の上級著者でノートルダム大学の物理学教授グラハム・ピーズリーは述べている。 ”しかし、食品とは異なり、口紅やその他の化粧品や身体手入れ用品に含まれる化学物質は、米国とカナダではほとんど完全に規制されていない。その結果、何百万人もの人々が無意識のうちに PFAS やその他の有害な化学物質を顔や体に毎日塗っている”。 一部の PFASは、がん、肥満、さらには厄介な COVID-19 感染結果(訳注1)にまで、さまざまな深刻な健康被害に関連しており、また何百万もの飲料水を汚染している。数千の PFASのうち、毒性がテストされているのはごく一部であるが、すべての PFASは環境内で非常に残留性が高いか、非常に残留性が高い PFAS に分解される。 口紅から摂取される PFASに加えて、化粧品中の PFASは皮膚や涙管から吸収される可能性がある。これらの直接暴露経路に加えて、PFASは、化粧品の製造中又は使用後排水系に洗い流された後、飲料水、空気、及び食品に侵入する可能性がある。 研究チームは、米国とカナダで購入した 231の化粧品のフッ素を調査した。防水マスカラの 4分の3 以上、ファンデーションと液体口紅の 3分の2近く、目と唇の製品の半分以上でフッ素濃度が高かった。 絞り込んだ分析用に選択された 29の製品すべてに、検出可能なレベルの少なくとも4つの特定のPFAS が含まれていた。これには、毒性が高く環境に有害であることが知られている他の PFAS に分解する PFAS が含まれていた。フルオロテロマーメタクリレートも検出され、個々の PFASのより「環境に優しい」代替品として販売されている側鎖フルオロポリマーの分解を示している。 PFASを使用した製品の多くは、「耐摩耗性(wear-resistant)」または「長持ち()long-lasting」として宣伝されていた。重要なことに、ほとんどの PFAS は成分ラベルに開示されていなかった。これにより、消費者はラベルを読んで PFAS を含む化粧品を避けるということができなくなる。 本日、スーザン・コリンズ、リチャード・ブルーメンソール、ダイアン・ファインスタイン、カーステン・ギリブランド、マギー・ハッサン、アンガス・キング、ジーン・シャヒーンの上院議員らは、化粧品法に超党派のノー PFAS を導入し、化粧品や身体手入れ用品からすべての PFASを禁止する予定である。デビー・ディングル議員は下院で同じ法案を提出する予定である。(訳注2) ”PFAS は化粧には必要ない。危害を加える可能性が高いことを考えると、身体手入れ用品には使用しないでいただきたい”と、グリーン・サイエンス・ポリシーイン・スティテュートの共著者兼事務局長であるアーリーン・ブルームは述べている。 ”PFAS のクラス全体を化粧品から取り除き、これらの有害な化学物質を私たちの体から遠ざけるべき時期が来ている。
インタビューに対応可 ・グラハム・ピーズリー:ノートルダム大学 ・マルタ・ベニエ:インディアナ大学 ・ミリアム・ダイアモンド:トロント大学 ・アーリーン・ブルーム:グリーン科学政策研究所 訳注1:PFAS の COVID-19 感染結果への影響
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