EPA 2006年3月10日
関連過フッ素化合物
PFAS 化学物質類の製造と輸入のための新たな要求

情報源:EPA 03/10/2006
Related Perfluorinated Compounds
New requirements for the manufacture or importation of PFAS chemicals
http://www.epa.gov/opptintr/pfoa/pubs/related.htm
訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会
掲載日:2006年10月18日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/research/epa/epa_PFAS_new_requirements.html

 PFOAに関する作業に加えて、EPAは、パーフルオロアルキルスルホン酸類(PFAS)を含むその他の関連過フッ素化合物を調査している。PFOAはフッ素ポリマーを作るために用いられているが、多くの PFAS 化学物質類の使用は、アメリカでは2000年から2002年までの間に廃止された。

 EPAは当初、構造がPFOAに似たPFAS化学物質であるパーフルオロオクチルスルホン酸(PFOS)に関するデータを受領した後、1999年にこれら過フッ素化合物の全てに関心を持つようになった。PFOSは残留性があり、予測できない毒性があり、生体蓄積性があり、一般の人々の血液中と世界中の野生生物に非常に低濃度で見いだされたことを示した。

 主要な世界的な製造者(訳注:3M社)によるPFOSの自主的な製造廃止の後、その廃止に特に含まれる88種のパーフルオロアルキルスルホン酸類(PFAS)の製造又は輸入を制限するために、EPAは有害物質規制法(TSCA)の下に速やかに規制措置をとった。これらの重要新規利用規則(SNURs)(訳注1)は、代替が利用可能ではなく、非常に低使用量、低暴露、及び低排出量であると特性付けられたいくつかの化学物質の特に限定され高度に技術的な用途での継続使用を許した。これらの化学物質の他のどのような用途もEPAに対する製造前届出(訳注2)とEPAによるレビューが求められる。

 その後、EPAは、当初の重要新規利用規則(SNURs)から除外された同じ用途の例外とともにアメリカでは製造、輸入、又は使用が最早なされていないと信じられる183以上のPFASを特定した。しかし調査研究により、多くのPFAS化学物質類が一般集団の人々の血液中及び野生生物中で非常に微量に見いだされた。ほとんどの健康と環境調査が、主にPFOSに注がれてきたが、この化合物の構造の分析により、これらの研究の結果はPFAS化学物質類の広いカテゴリーに適用されるかもしれないということが示された。EPAは、その類似性が、同様な健康と環境への強い懸念を引き起こすと信じている。

 EPAは今、これら183種のPFAS化学物質のための重要新規利用規則(SNUR)を提案する連邦政府官報(71 FR 12311, March 10, 2006)を公示した。EPAはこれらの化学物質はどれも現在は製造又は輸入が行われていないと信じるが、EPAは、現在、製造又は輸入されている化学物質があるのかについてのコメント、及びそのような化学物質の使用に関する情報の提供を懇請する。

 PFOAのdocketsに加えて、EPAは下記の重要新規利用規則(SNURs)及びPFAS化学物質のためのpublic docketsを確立した。

 PFOS SNURs - docket ID number EPA-HQ-OPPT-2002-0043
 PFAS SNUR - docket ID number EPA-HQ-OPPT-2005-0015

 public docketsへのアクセスに関する情報


訳注1:重要新規利用規則(Significant New Use Rules (SNURs))
 有害物質規制法(TSCA)の下で、製造前届出に含まれた用途以外の製造を禁止したり、当該化学物質の使用を制限したりする。

訳注2:製造前届出(Premanufacture Notice (PMN))
 有害物質規制法(TSCA)の下で、新規化学物質については事業者が提出する製造前届出に基づいてEPAがリスク評価を行っている。製造前届出では暴露情報に関する要求項目は決められているが、ハザード情報に関しては新たな試験実施は求められておらず、手持ちのデータを出せばよく、決められたデータセットも存在しない。



化学物質問題市民研究会
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