EHN 2010年11月12日
BPA の代替品は何か?

情報源:Environmental Health News, November 12, 2010
BPA: What's the alternative?
Posted by Evan Beach at Nov 12, 2010 03:30 PM | Permalink
http://www.environmentalhealthnews.org/ehs/blog/bpa-whats-the-alternative

訳:安間 武(化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2010年11月22日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/research/ehn/ehn_101112_BPA_alternative.html


 BPAを使用しないレシートに関するサイエンス・ニュース(Science News) の記事や系列販売店の報告は、感熱紙の最大メーカーのひとつである Appleton Paper 社が現在、生産・販売しているBPA不使用の感熱紙を他社のBPA使用の感熱紙と見分ける方法を開発した。しかしBPA不使用の代替化学物質は、ブログで間違って”ビスフェノールスルホン酸(bisphenol sulfonate)”あるいは”ジフェニルスルホン(diphenyl sulfone)”として伝えられたが、実際にはビスフェノールS(4,4'-sulfonylbisphenol)として知られる化学物質である。その名前が示すとおり、構造的にはビスフェノールA(BPA)に非常に似ている。そして、それはBPAほどには多くの研究がなされていないにも関わらず、予備的な研究は、それもまたホルモン作用の特性を持っていることを示している。

 2005年に、日本の科学者らのグループは、BPAとその他の関連する19化合物について女性ホルモン・エストロゲン様作用の強さを比較した。彼らは、ヒト細胞への影響をテストし、ビスフェノールSはBPAより若干作用が弱いことを発見したが、大きな差ではなく、ビスフェノールSは1.1μモルの濃度で、BPAは0.63μモルの濃度で活性になった。1μモルは概略3,000ガロン(約11m3)の水の中の少量の砂糖と同等である。

 他の研究者らは、ビスフェノールSはBPAより生物分解性がはるかに悪いことを見つけている。彼らの8種類のビスフェノール化合物の研究の中で、ビスフェノールSは最も残留性が高かった。

 BPAについてはもっと多くのことが−特に超低容量での作用について−知られているが、ビスフェノールSに関する既存のデータは、代替は注意深く行なわれるべきであることを示唆している。ホルモン作用の挙動と環境残留性は避けるべき本質的なハザードである。サイエンス・ニュース(Science News)の記事が述べているように、米環境保護庁(EPA)の環境設計プログラムはこの問題にもっと光をあててもよい。


訳注:関連情報

ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびビスフェノールSの環境挙動 ...


化学物質問題市民研究会
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