IPEN 2026年3月
プラスチック条約代表団宛て公開書簡
情報源:IPEN, March 2026
Open Letter to Plastics Treaty Delegates
https://ipen.org/wp-content/uploads/2026/03/openletterinc_delegates_3-10-26-1.pdf"

訳[翻訳ソフト併用]:安間 武(化学物質問題市民研究会
https://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
更新 2025年5月4日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/plastic/IPEN/260300_
IPEN_Open_Letter_to_Plastics_Treaty_Delegates.html

INC議長によるロードマップ草案に関する3つの疑問
透明性、包括性、そして開かれた参加を通じての信頼性の構築

 プラスチック条約代表団長会議(Plastics Treaty Heads of Delegation meeting)の開催を控え、IPEN は、プラスチック条約交渉に参加する各国が、議長による今後の”ロードマップ草案”を迅速に評価する必要があると指摘している。IPEN は本記事で、この文書を検討する際に考慮すべき 3つの疑問を提示している(後述)。

(訳注:Plastic Pollution INC Chair Shares Roadmap for Committee’s Work・・・INC 議長であるフリオ・コルダノ氏(チリ)は、第5回会合第4部(INC-5.4)に向けた委員会の活動ロードマップを配布した。・・・主な内容:ロードマップには、[いくつかの国]の代表団長による非公式のオンライン会合、6月30日から7月3日までケニアのナイロビで開催される代表団長による非公式の対面会合(6月29日には地域会合と調整も実施)、そして2026年後半に開催される可能性のある非公式の対面会合が含まれる。INC-5.4は、2026年末または2027年初頭に開催される予定である。|IISD 18 March 2026

 IPENは、裕福な石油輸出国に有利で、他の加盟国、特に低・中所得国の有意義な参加を制限する、排他的な並列プロセスが生じる可能性を懸念している。

 プラスチック条約に関する政府間交渉委員会(INC)の新議長、フリオ・コルダノ氏は最近、今後のプロセスに関するビジョンを記した書簡を発表した。その中で、コルダノ氏は、包括性、透明性、そして予測可能性という 3つの要素が不可欠であると強調している。 IPENはこれらの条件を高く評価しており、INCへの信頼と組織文化の改善が必要であることを認識している。

 議長は、INC 5.4に向けたロードマップを数週間以内に共有すると述べた。一方、非公開会合は継続されている。今月、非公式の”20か国グループ”(19か国と議長)が日本で会合を開き、さらなる協議のために会合を開く予定である。このグループは、世界のプラスチック生産量の70%以上、そして/または]世界の石油生産量の60%以上を占める国々で構成されている。

(訳注:Activities leading up to INC-5.4|UNEP

 各国が非公式会合を開催することは自由であるが、非公式の”20か国グループ”会合は、INCや事務局によって正式に委任されたグループではないため、懸念される。重要なのは、こうした非公式会合が交渉の代替手段として機能しないこと、そしてこの”20か国グループ”が条約交渉の進め方を規定するような道筋を作り出さないことである。

 議長が作成するロードマップ案は、交渉とプロセスの両方の方向性を決定づけ、どの国が含まれ、どの国が除外されるのかということに影響を及ぼす。

”20か国グループ”

主要な石油、ガス、化学製品、および/またはプラスチック輸出国:
 ブラジル、中国、インド、日本、クウェート、ノルウェー、ロシア連邦、サウジアラビア、英国、米国および EU。これらの国々は、世界のプラスチック生産量の70%以上、そして[/または]世界の石油生産量の 60%以上を占めている。

その他の参加国:
 アンティグア・バーブーダ(訳注:カリブ諸島の国、人口9.3万人)、コロンビア、エジプト、ガーナ、パラオ、セネガル、シンガポール、スイス、そしてオブザーバーとして参加したチリの新 INC議長。

各国政府が検討すべき重要な疑問

1. 議長のロードマップ案は信頼と透明性に基づいたものとなるのか?
 ロードマップは、会期間会合を含む今後の交渉における透明性を確保し、重要な決定が密室で行われることを防ぐ必要がある。少数のメンバーのみによる非公開会合で、次のステップに関する決定を下すことは許されるべきではない。

2. 新 INC議長が 19か国からなる排他的なグループのメンバーであることについて懸念はないのか?
 新議長はすべての加盟国に先導されるべきである。20か国グループは並行プロセスを作り出しており、ほとんどの加盟国とオブザーバーには閉鎖されている。公式のグループ会合は、特定の作業分野のみに限定されるべきである。

3. 新 INC議長はオブザーバーの有意義な参加を促進するであろうか?
 このプロセス全体を通して、多くの加盟国は先住民、独立系科学者、公益団体、医療専門家、その他のオブザーバーの参加の改善を求めてきた。参加を改善するためには、具体的な措置を講じる必要がある。これには、とりわけ、他の多国間環境協定(MEA)における会期間作業への参加に関する既存の先例に倣い、会議文書や報告書へのアクセスを確保することなどが含まれる。

 オブザーバーの参加をさらに促進するための第一歩として、代表団長会議はライブ配信と報告書を通じてアクセス可能にすべきである。このプロセスの信頼性は、ロードマップ案がこれらの問題にどのように取り組むかにかかっている。


化学物質問題市民研究会
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