SAFENANO News 2014年11月4日
IARC カーボンナノチューブの発がん性を評価

情報源:SAFENANO News,November 4, 2014
IARC evaluate the carcinogenicity of carbon nanotubes
http://www.safenano.org/news/news-articles/iarc-evaluate-the-carcinogenicity-
of-carbon-nanotubes/
(リンク切れ)
IARC evaluate the carcinogenicity of carbon nanotubes(参考まで)
https://www.nanopartikel.info/en/news/1838-iarc-evaluate-the-carcinogenicity-of-carbon-nanotubes

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2014年11月30日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/safenano/141104_IARC_carcinogenicity_of_CNTs.html


 9月30日から10月7日まで、10か国からの21人の専門家が、フッ素エデン閃石及び炭化ケイ素(SiC)繊維/ウィスカーとともに、単層カーボン・ナノチューブ(SWCNTs)及び多層カーボン・ナノチューブ(MWCNTs)を含むカーボン・ナノチューブ(CNT)の発がん性を評価(訳注1)するために、国際がん研究機関(IARC:リヨン、フランス)の会合に出席した。

 これらの評価の結果は、ランセット・オンコロジー中の記事に記述されており、IARC モノグラフの第111巻中で公式に発表されるであろう。

 カーボン・ナノチューブについては、 IARC 作業グループに利用可能なヒトがんデータはなかったので、評価は、いくつかの研究の焦点であった MWCNT サンプルの”MWCNT-7”を含んで、げっ歯類における SWCNTs と MWCNTs の数多くの生体内(in vivo)発がん性評価研究に焦点を当てた。

 利用可能な証拠の包括的な評価に基づき、作業グループ内の多数は、どの様な特定のタイプのCNTについても、特に、データが極めて限定されている慢性影響に関して、発がん性が高くなるであろう機構的な証拠を考慮しなかった。しかし、証拠が利用可能であるとして、特にMWCNT-7 サンプルを”ヒトに対する発がん性が疑われる(possibly carcinogenic to humans) (Group 2B)”として分類することに同意した。さらに、首尾一貫した証拠が欠如しているので、ひとつの CNT のタイプから他のタイプに一般化することは不可能であるということが決定された。したがって、他の CNT のタイプ、すなわち SWCNT と MWCNT-7 を除く MWCNT は、”ヒトに対する発がん性が分類できない(not classifiable as to its carcinogenicity to humans (Group 3)”として分類された。

 カーボン・ナノチューブ、及び評価された他のファイバーに関する作業グループの検討の詳細は、ランセットの記事(登録によりフリーアクセス)に記述されており、またIARC モノグラフ(第1巻から111巻)により分類された物質の更新リストもまた入手可能である。

参照:Grosse, Y. et al. on behalf of the IARC Working Group. (2014). Carcinogenicity of fluoro-edenite, silicon carbide fibres and whiskers, and carbon nanotubes. The Lancet Oncology [early online publication].
Source: IARC / The Lancet Oncology


訳注1IARCの発がん性分類
グループ 1 ヒトに対する発癌性が認められる(carcinogenic to human)
グループ 2A ヒトに対する発癌性がおそらくある (probably carcinogenic to humans)
グループ 2B ヒトに対する発癌性が疑われる(possibly carcinogenic to humans)
グループ 3 ヒトに対する発癌性が分類できない(not classifiable as to its carcinogenicity to humans
グループ 4 ヒトに対する発癌性がおそらくない(probably not carcinogenic to humans)



化学物質問題市民研究会
トップページに戻る