SAFENANO 2014年2月28日
スイスの研究者らが
環境中の残留ナノ銀の影響を調査


情報源:SAFENANO 28 Feb 2014
Swiss researchers study impact of residual nano-silver in the environment
http://www.safenano.org/KnowledgeBase/CurrentAwareness/ArticleView/tabid/168/ArticleId/428/
Swiss-researchers-study-impact-of-residual-nano-silver-in-the-environment.aspx


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2014年3月24日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/safenano/140208_Swiss_researchers_nano-silver_in_the_environment.html


 スイス連邦水生科学技術研究所(Eawag)とスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)の研究者らは、様々な濃度の水中銀イオンの緑藻(Chlamydomnas reinhardtii)の細胞への影響を調査した最近の研究の結果を発表した。

 銀粒子が自由イオンの状態では水生生物に非常に有害となり得るということは、よく知られている。Eawag と EPFL による研究は、臨界用量について、及び生物がどのようにこの種の有害ストレスに反応するかについてより良い理解を提供することを目指している。この研究は、たとえ低濃度の銀であっても、細胞間プロセスに顕著な影響を与え、エネルギー代謝が遺伝子やたんぱく質のような細胞の要素に損傷をもたらすことを明らかにした。その結果、藻がそのエネルギーを銀により引き起こされた損傷の修復に注ぐので、光合成と成長速度が断たれる。

 これらの結果から推定して研究者らは、藻は引き起こされる損傷に対して防御メカニズムを働かせるが、その反応は低濃度であっても大きく、毒性をもたらす可能性があると結論付けている。彼らはまた、藻は食物連鎖の最底辺なので、適切なメカニズムの欠如は、もっと上位の生物、例えば人間に有害影響をもたらす可能性があることを指摘している。

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 参照: Reference: Pillai, S., Behra, R., Nestler, H., Suter, M.J.F., Sigg, L., Schirmer, K. 2014. “Linking toxicity and adaptive responses across the transcriptome, proteome, and phenotype of Chlamydomonas reinhardtii exposed to silver,” Proceedings of the National Academy of Sciences (PNAS) ? early edition 18 February 2014.

Source: EPFL Mediacom



化学物質問題市民研究会
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