フリブール大学 2023年3月7日
研究者らはより良いナノ廃棄物管理を求める 情報源:University of Fribourg, March 7, 2023 Researchers call for better nanowaste management https://www.unifr.ch/news/en/28669 訳:安間 武 (化学材料問題市民研究会) http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/index.html 掲載日:2023年4月17日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/research/230307_ Researchers_call_for_better_nanowaste_management.html
ナノ廃棄物には、製造廃棄物、使用済みのナノ対応製品、ナノ物質で (意図せずに) 汚染された廃棄物が含まれる。 加工されたナノ物質の 60% 以上 (年間最大 300,000トン、ナノプラスチックは含まない) が最終的に埋め立てられると推定されている。 現在、ナノ物質またはナノ廃棄物に対する世界的な定義や分類はないが、リスク評価、分類、ラベル付け、収集、保管、輸送、リサイクル、及び除去に関連する具体的な解決策が必要である。 主導的な科学雑誌 Nature Nanotechnology の解説で、アドルフ・メルクル研究所(訳注:フリブール大学の独立ナノサイエンス研究所)のバイオナノ物質・グループの研究者らは、フリブール大学及びスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)の同僚らとともにこの問題の認識と、厳格に予防原則に基づいた技術的及び法的拘束力のあるナノ廃棄物ガイドラインの必要性を提唱している。これらは、ナノ物質の挙動に関する最先端の知識と、ナノ物質の緩やか定義に依存する必要がある。 これらの最初のガイドラインを作成するには、生成された特定のナノ廃棄物の場合に応じた(case-by-case)リスク評価、国内及び国際的な有害廃棄物及び材料規制の詳細な理解、及びこれを収集、保管、及び除去するためのユーザが使いやすい方法を導き出すために研究所スタッフとの協力が必要である。 研究者らが指摘しているように、アドルフ・メルクル研究所では、フリブール大学の安全担当者と協力して、一連の対策がすでに実施されている。ナノ廃棄物固有の規制がないため、これらには、国内及び国際的な有害物質法、ナノ廃棄物を正しく処分する方法に関する詳細なガイドライン、及びこの廃棄物のいくつかの法的に許容されるカテゴリへの統合による適切なラベル付けと保管が含まれる。 研究所にとって、このようなガイドラインは、発生する廃棄物が非常に複雑であること、テストされていない多種多様な物質が存在すること、及びさまざまな実験室ユーザーが存在することから、特に重要であると著者らは述べている。特定のピクトグラム(訳注:意味するもの形状を使って、その意味概念を理解させる記号)など、ナノ廃棄物に関するより明確な規則は、産業界におけるナノ廃棄物管理の調和、危険物質の非危険カテゴリへの誤分類の防止、及び危険なナノ物質への人と環境の意図しない暴露の回避にも役立つ可能性がある。 この記事で提示されている推奨事項は、学界及び産業界の研究者や政策立案者を対象としている。人間の健康と環境を保護するために、著者らは、ナノ廃棄物を管理するための意識と行動を高めること、及びナノ廃棄物管理を多国間協定に明示的に含めることを強く求めている。 彼らはまた、政策立案者らに対し、より危険な従来の化学物質を新規で害が少なく分解可能なナノ物質に置き換えることを妨げる二重基準を避けるよう警告している。 4 つの箇条書き
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