NOETB 2015年8月10日
EPA は廃水中の
工業ナノ物質のレビューを
継続する

リン L. バーガソン及びカルラ・ N. ハットン

情報源:Nano and Other Emerging Technologies Blog, August 10, 2015
EPA Will Continue Review of Engineered Nanomaterials in Wastewater
by Lynn L. Bergeson and Carla N. Hutton
http://nanotech.lawbc.com/2015/08/epa-will-continue-review-of-engineered-nanomaterials-in-wastewater/

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/index.html
掲載日:2015年8月18日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/news/150810_NOECTB_EPA_Nanomaterials_in_Wastewater.html


 2015年8月4日、米・環境保護庁(EPA)は、2014年最終廃水ガイドライン計画案が利用可能であることを発表した。この最終計画案は、産業廃水中の工業ナノ物質に関するEPAのレビューによる下記発見を含む。
  • 工業ナノ物質の製造及び処理方法のあるものは廃水を生成するようであるが、生成される量及び廃水管理の実際は報告されていない。

  • 研究室では工業ナノ物質が及ぼす毒性ハザードは実証されているが、環境及び人の健康へのリスクの大部分はわかっていない。

  • 環境に放出される産業廃水中の工業ナノ物質の運命及び暴露は調査されていない。

  • ナノ物質の小さなサイズ、独自の特性、及び複雑性は、環境モニタリング、リスク評価、及び規制に難しい課題を提起する。

  • 産業廃水のように複雑な媒体中のナノ物質を検出し、特性化するための方法はまだ開発中である。

  • EPAは、水性媒体中のナノ物質のサンプリング、検出、又は定量化のための標準化されたどの様な手法についても承認していない。

  • 研究は、自治体の廃水処理施設で採用されている一般的な処理技術は廃水からナノ物質を除去することはできるが、その後の汚泥中に蓄積するかもしれないことを示している。
 EPAは、そのレビューはまた、産業廃水中の工業ナノ物質の潜在的な存在と影響をよりよく評価するために適切な更なる研究の四つの主要な領域を特定したと述べた。
  • 産業廃水中のナノ物質を検出し特性化するための標準手法とサンプリング技術の開発

  • 工業ナノ物質の関連ある形状と濃度を考慮しつつ、工業ナノ物質の毒性影響と産業廃水中での発生の可能性の評価

  • 工業ナノ物質製造設備、その生産高、及びナノ物質の製造中及び処理中に生成され処理される廃棄物の特定

  • 産業廃水中の工業ナノ物質の運命、変換、及び処理の評価と特性化
 EPAは、将来の年次レビューの中で工業ナノ物質に関する現状の研究のモニターを継続する計画であり、利用可能になった時にどの様な新たな情報も、特に下記のデータギャップを収集するであろうと述べている。
  • 産業廃水中のナノ物質を検出し特性化するための標準手法とサンプリング技術の開発

  • 工業ナノ物質の関連ある形状と濃度を考慮しつつ、工業ナノ物質の毒性影響と産業廃水中での発生の可能性の評価

  • 工業ナノ物質製造設備、その生産高、及び工業ナノ物質の製造と処理により生成され処理される廃棄物の特性

  • 産業廃水中の工業ナノ物質の運命、変換、及び処理の評価と特性化




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